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台湾への食品輸出完全ガイド2026年最新版|手続き・規制・販路開拓まで実務者が徹底解説

  • 堤浩記
  • 3月17日
  • 読了時間: 31分

更新日:10 時間前


台湾への食品輸出は、2025年11月21日を境に前提が変わりました。

東日本大震災後に導入された日本産食品への輸入規制が全廃され、放射性物質検査報告書も産地証明書も不要になっています。


ただ、ここで多くの企業が誤解します。「規制が撤廃された=自由に売れる」ではありません。

撤廃されたのは原発事故に起因する上乗せ規制だけで、台湾がもともと持っている食品規制は一切動いていないからです。

そして実務で企業を止めるのは、ほぼ常にこちらの「もともとの規制」のほうです。


この記事では、台湾に食品を輸出するときに関わる規制と手続きを、所管官庁ごとに整理して網羅的に解説します。中文ラベルの必須10項目、アレルゲン11品目、輸入査験の5方式、酒類の別ルート、税の積み上げ方まで、実務で必要になる粒度で扱います。


なお2025年の台湾向け農林水産物・食品の輸出額は1,812億円(前年比6.4%増)で、米国・香港に次ぐ第3位。日本の食品輸出にとって主力市場のひとつです。

台湾以外の国も含めた食品・調味料輸出の全体像は食品・調味料の輸出 完全ガイドマップ2026で、商材別の輸出難易度や公的支援の使い方まで整理しています。


台湾の食品規制は「4つの役所」に分かれている


最初に全体像を押さえます。台湾の食品規制をTFDA(衛生福利部食品薬物管理署)だけの話だと思っていると、必ずどこかで足をすくわれます。実際には所管が4つに分かれています。


  • 衛生福利部食品薬物管理署(TFDA):輸入査験、中文表示、食品添加物、残留基準、食品器具・容器包装

  • 農業部動植物防疫検疫署:動植物検疫。畜産物・水産物・生鮮農産物・植物由来原料

  • 財政部関務署:通関、関税、貨物税、営業税

  • 財政部国庫署:酒類。食品ではなく「菸酒」として別の法律で管理される


自社商材がこの4つをいくつまたぐかで、準備の重さがほぼ決まります。


  • 常温の加工食品(菓子・調味料):TFDA+関務署の2つ

  • 日本酒・焼酎:国庫署+関務署。TFDAの食品ルートには乗らない

  • 冷凍水産物・食肉加工品:TFDA+防疫検疫署+関務署の3つ

  • 「有機」を名乗る場合:さらに農業部(有機同等性の審査)が加わる


2025年11月21日に「消えたもの」と「残ったもの」

消えたのは次の3つです。


  • 福島・茨城・栃木・群馬・千葉の5県産食品に義務づけられていた放射性物質検査報告書

  • 日本産すべての食品(酒類を除く)に求められていた産地証明書

  • 品目・地域単位で残っていた輸入停止措置


一方、次はすべて従来どおり残っています。この記事で解説するのは主にこちら側です。


  • 輸入査験(TFDAへの申請と検査)

  • 中文(繁体字)表示義務

  • 食品添加物の使用基準・残留農薬基準

  • 動植物検疫

  • 酒類の別ルート

  • 関税・貨物税・営業税


規制緩和は3段階で進みました。

  • 2022年2月:5県産食品の輸入停止が解除(放射性物質検査報告書と産地証明書の添付が条件。ただし野生鳥獣肉・キノコ類などは対象外のまま)

  • 2024年9月25日:5県の野生鳥獣肉・キノコ類・コシアブラの輸入停止が解除。あわせて5県産以外の食品について放射性物質検査報告書の添付義務が撤廃された

  • 2025年11月21日:残っていた5県産の放射性物質検査報告書と、全日本産食品の産地証明書の義務が撤廃され、規制が全廃


実務上の意味は、コストと納期の前提が変わったことです。産地による書類の差がなくなったため、「5県産だから」という理由で見送っていた商材は再検討の価値があります。ただし「検査がなくなった」のではなく「上乗せ検査がなくなった」だけです。


品目別の個別動向も押さえておいてください。牛肉は2025年5月22日付で台湾向けの月齢制限が撤廃されました。豚肉は2018年11月の豚熱発生で輸入が停止し、2023年1月18日発効の輸出条件により、台湾側が認定した施設で加工され輸出検疫証明書が添付されたものに限って再開しています。


台湾側に輸入者がいないと1箱も入らない|食品業者登録

日本の輸出企業がまず理解すべき構造があります。台湾の食品輸入手続きの申請主体は、日本の輸出者ではなく台湾側の輸入者だという点です。


台湾で食品を輸入して販売する事業者は、TFDAの食品業者登録プラットフォーム(通称「非登不可」)に登録し、食品輸入業者としての番号を取得しなければなりません。この番号がなければ、そもそも輸入査験の申請ができません。

登録には台湾の工商憑証(法人の電子証明書カード)または代表者の自然人憑証が必要で、営業項目・営業場所・取扱製品カテゴリなどを申告します。


「報験義務人」は誰か


輸入査験の申請義務を負う者を報験義務人といいます。通常は台湾側の輸入者です。通関業者や検査代行業者に委任することもできますが、その場合は委任文書の添付が必要です。

日本の輸出者は申請主体になりません。つまり台湾側パートナーの登録状況と実務能力が、そのまま自社の輸出可否を左右します。


代理店候補に必ず確認すべき5つの質問


  • 食品業者登録は完了しているか。食品輸入業者番号を実際に提示してもらう

  • 自社商材と同じカテゴリの輸入実績があるか。カテゴリが違うと査験の勝手が変わる

  • 直近で検査不合格を出していないか。不合格歴は次回以降の検査率を跳ね上げる(後述)

  • 中文ラベルの設計・貼付を自社で対応できるか、外注か

  • 通関業者・検査代行業者を固定で使っているか


代理店・ディストリビューターとの商談から契約・決済までの実務は台湾のバイヤー・代理店・ディストリビューターと組む実務ガイドにまとめています。


輸入査験制度(食品安全衛生管理法第30条)

台湾で販売する目的で食品・食品添加物・食品器具・食品容器を輸入する場合、TFDAに輸入査験を申請し、合格しなければ輸入できません。根拠は食品安全衛生管理法第30条、細目は「食品及び関連製品輸入査験弁法」に定められています。


査験は5つの方式に分かれる


  • 逐批査験:全ロットに対して書類・現物の査核と検査(ラボ検査)を実施

  • 抽批査験:抽選方式。一般抽批は抽選率2〜10%、加強抽批は20〜50%

  • 逐批査核:全ロットに現場での査核を実施(原則としてラボ検査は伴わない)

  • 験証査験:輸出国当局との協定がある製品について、その取り決めに従う

  • 監視査験:特定製品を対象に全ロットで査核+検査。結果が良好でも方式を軽くしてもらえない


初回輸入や、リスクが高いと判断されたカテゴリは重い方式に振られます。ここが読めないと納期が組めません。


一度不合格を出すと、しばらく重い方式が続く

ここが実務で最も重要な論点です。

同一の報験義務人が、同一産地・同一の貨品分類番号の製品で検査不合格を出すと、以後は加強抽批査験(抽選率20〜50%)の対象になります。


一般抽批(2〜10%)に戻すには、不合格ロット以降に連続5ロットの合格が必要で、かつその数量が不合格ロットの3倍に達していなければなりません。

検査コストと通関リードタイムが跳ね上がるうえ、同じ代理店が扱う他ブランドの取引にも影響します。代理店選定の段階で不合格歴を確認すべき理由はここにあります。


免験になるライン——サンプル送付の落とし穴

自用目的で数量・金額が小さい場合は免験扱いになります。主な条件は次のとおりです。


  • 食品または関連製品が自用で、価値1,000米ドル以下かつ重量6kg以内

  • 陶磁器の食器・厨房用具が自用で、単一項目1,000米ドル以下かつ同一規格4個以内。または1,000米ドル超で1個

  • カプセル状・錠剤状食品が自用で、1種類12瓶以内・合計36瓶以内

  • 食品添加物1kg以内(香料は200g以内)

  • 米、煎ったピーナッツ、煎ったニンニク、乾燥キンシンサイ、乾燥シイタケ、茶葉は1kg以内


注意すべきは、これがあくまで「自用」のラインだということです。自用名目で免験通関したものを販売すると、食品安全衛生管理法第47条により3万〜300万台湾元の過料の対象になります。

展示会サンプルや商談用サンプルをこの枠で送ると、そのまま現地販売に回すことができません。テスト販売まで視野に入れるなら、最初から正規の査験ルートで通す必要があります。


検査不合格になった場合


不合格の場合は退運(積み戻し)または銷毀(廃棄)になります。輸送費・廃棄費用は輸入者負担が原則ですが、契約次第で日本側に請求が回る設計になっていることも珍しくありません。このリスクを誰が負うかは、代理店契約に必ず明記してください。


検査不合格の原因として多いのは、残留農薬、重金属、微生物、そして食品器具の耐熱温度・溶出です。日本国内で流通実績があることは、台湾の基準に適合する保証になりません。この点は次章で詳しく扱います。


中文表示(ラベル)——食品安全衛生管理法第22条の10項目

台湾で販売する包装食品には、繁体字中国語での表示が義務づけられています。日本語表示のままでは販売できません。根拠は食品安全衛生管理法第22条です。


必須10項目


  • 品名

  • 内容物名称(2種類以上の混合物は含有量の多い順に表示)

  • 浄重・容量または数量

  • 食品添加物名称(2種類以上を混合して機能名で命名する場合も、それぞれの添加物名称を明記)

  • 製造業者または国内責任業者の名称・電話番号・住所

  • 原産地(国)

  • 有効日期

  • 栄養表示

  • 遺伝子組換え食品原料を含むか否か

  • その他、中央主管機関が公告した事項


日本の食品表示との最大の違いは5番目の「国内責任業者」です。台湾国内の連絡先を表示する必要があるため、輸入者が確定していないとラベルが完成しません。つまりラベル制作は代理店決定の後工程になります。ここを取り違えると、代理店交渉と並行してラベルを作ろうとして必ず手戻りします。


アレルゲンは11品目——日本の8品目とはズレる

台湾の食品アレルゲン表示規定で表示が義務づけられているのは次の11品目です。


  • 甲殻類

  • マンゴー

  • 落花生

  • ゴマ

  • 牛乳・ヤギ乳

  • ナッツ類

  • グルテンを含む穀物

  • 大豆

  • 魚類

  • 亜硫酸塩類を使用し、最終製品の二酸化硫黄残留量が1kgあたり10mg以上のもの


注目すべきはマンゴーです。日本の特定原材料には入っていないため、まず想定されません。ドライマンゴー入りの焼き菓子、マンゴー果汁入りの飲料、マンゴー風味の加工品はいずれも対象になります。

また亜硫酸塩は、ドライフルーツ・かんぴょう・ワイン・一部の水産加工品で使われます。残留量の実測値が必要になるケースがあるので、原材料表だけで判断しないでください。

このほか頭足類(イカ・タコ)や貝類は義務ではないものの、表示が推奨されています。


栄養表示は書式が決まっている


栄養表示は「包装食品栄養表示応遵行事項」に従います。実務での落とし穴は次の3つです。


  • 書式は定められた2種類のみ。自作フォーマットは認められない

  • 成分表示・栄養表示の文字は縦横それぞれ2mm以上

  • 1包装あたりの份数、1日参考値に対する百分比、ナトリウム含有量は整数で表示


数値は第三者機関での実測でも計算でも構いませんが、正確性の責任は事業者が負います。日本の栄養成分表示をそのまま数値変換すればよい、という話ではありません。


添加物を「保存料」でまとめてはいけない


日本の表示では「保存料(ソルビン酸K)」のように一括名でまとめる書き方が一般的ですが、台湾では機能名だけの表記は違反になります。ソルビン酸カリウムなら物質名を明記する必要があります。

行政が公表している違反事例のなかで、成分表示の不備は最も頻度の高い類型のひとつです。日本のラベルをそのまま翻訳すると、この点でほぼ確実に引っかかります。


やってはいけない表現


食品に医療効能を示唆する表現(治療・予防・改善など)を記載すると、広告規制に抵触します。過料の水準も高く、リスクに見合いません。

日本のパッケージでよく使われる健康訴求のコピーは、成分と結びついた瞬間に危険域に入ります。翻訳者ではなく、台湾の表示規則を理解している人間にレビューさせるのが必須です。


ラベルは日本で貼るか、台湾で貼るか


実務では2通りあります。ひとつは日本の製造・包装段階で繁体字ラベルを貼って出荷する方法。もうひとつは台湾到着後、通関前に保税倉庫等で貼付する方法です。

前者のほうが通関はスムーズですが、輸入者が確定していないと国内責任業者の欄が埋まりません。初回は後者、定番化してから前者へ移行するのが一般的な流れです。


中身の規制——「日本で売れている」は通用しない


食品添加物


台湾の食品添加物使用範囲及び限量規格基準は、日本の基準と一致しません。日本で認められている添加物が台湾では未指定であったり、使用可能でも上限値が低かったりします。

処方をそのまま持ち込めるとは限らないため、原材料表の照合はプロジェクトの最初期にやるべき作業です。ここで処方変更が必要と判明すると、開発スケジュールごと組み直しになります。


残留農薬・動物用医薬品


農薬残留許容量基準・動物用医薬品残留基準も日本とは別建てです。項目によっては台湾のほうが厳しく、輸入査験での不合格原因として農薬残留は常に上位に来ます。

茶葉、農産物、果実加工品はとりわけリスクが高いカテゴリです。茶類の輸出における残留農薬・MRLの実務は抹茶輸出のチェックリストで詳しく整理しています。


食品器具・容器包装


見落とされがちなのが容器です。食品と接触する器具・容器・包装も食品安全衛生管理法の規制対象であり、輸入査験の対象になります。耐熱温度、重金属、特定物質の溶出量に基準があり、実際に不合格事例が出ています。

こだわりの包材を使う場合や、食器・急須などを同梱・併売する場合は事前確認が必要です。食品接触材料の規制は日本の茶器・急須を海外で売る実務ガイドでも扱っています。


検疫——動物・植物由来はTFDAだけでは終わらない


畜産物・水産物・生鮮農産物・植物由来の原料を含む場合、TFDAの輸入査験とは別に、農業部動植物防疫検疫署の検疫が必要になります。所管が違うので、TFDA側の準備だけしていると通関直前で止まります。


畜産物


牛肉は2025年5月22日付で月齢制限が撤廃されました。豚肉は台湾側が認定した施設で加工され、輸出検疫証明書が添付されたものに限って輸入できます。

注意すべきは、畜産物由来の原料が少量でも含まれる加工食品です。エキス、ゼラチン、動物性油脂などを含む製品は検疫の対象になり得ます。原材料表を「食品衛生の観点」だけでなく「検疫の観点」でも点検してください。


水産物


品目により衛生証明書が必要です。水産物は微生物・重金属の検査対象になりやすく、査験方式も重く出る傾向があります。ホタテ貝は台湾向け輸出額の上位品目ですが、その分だけ実績と手順が確立しているという見方もできます。


植物・茶葉


植物由来の未加工品は植物防疫の対象です。実務でよく問題になるのが茶葉で、密封包装された製品より散装(バルク)のほうが検疫要件が厳しくなる傾向があります。ギフト用の缶入り・箱入りのほうが通しやすい、というのは現場の共通認識です。


別ルートが必要な3カテゴリ

酒類——所管はTFDAではなく財政部


アルコール分が容量で0.5%を超える飲料は、菸酒管理法上の「酒」として扱われ、食品とはまったく別の制度に乗ります。所管は財政部国庫署です。食品の手続きを調べても答えは出てきません。


  • 台湾側の輸入者には菸酒進口業許可執照が必要。食品業者登録では足りない

  • 進口酒類査験管理弁法に基づく査験申請を行う。原産地証明書が必要

  • 表示は酒類標示管理弁法に従う。警語は縦横2.65mm以上の字体で、容器の最大外表面積の目立つ位置に、背景と対比する色で表示する

  • 検査報告は発行日から2年以内のものが必要(ワインなら二酸化硫黄、ウイスキーならメタノールの検査結果など)

  • アルコール分7度以下の製品、または紙・プラスチック容器の製品は、有効日期または瓶詰日の記載が必要

  • 果実醸造酒以外の酒に「年份(ヴィンテージ)」を表示してはならない。日本酒に醸造年を年号として表示すると抵触の可能性がある


税も別建てで、菸酒税がかかります。日本酒はその他醸造酒に分類され、1リットルあたりアルコール度数1度につき7台湾元。アルコール分15度の日本酒なら1リットルで105元、720ml瓶なら約76元が酒税として乗ります。焼酎などの蒸留酒は1リットルあたり1度につき2.5元です。

日本酒輸出全般の実務は日本酒の輸出方法と注意点で解説しています。


健康食品・カプセル状/錠剤状食品


「健康食品」は台湾では法律上の専門用語です。健康食品管理法に基づく許可を取得した製品しか名乗れません。許可なく健康食品と表示・広告すれば重い罰則の対象になります。日本語の「健康食品」の語感で使うと事故ります。

またカプセル状・錠剤状の食品は、一般の加工食品より厳しい管理下に置かれ、査験登記が求められるカテゴリがあります。サプリメントの台湾展開を検討している場合、加工食品と同じ工数・期間で見積もらないでください。


有機食品


「有機」の名義で販売・表示・広告するには、有機農業促進法の要件を満たす必要があります。輸入品の場合、次のいずれかに該当しなければなりません。


  • 台湾が認証した検証機関による有機認証を受けている

  • 有機同等性を相互承認した国で認証を受け、かつ輸入業者が中央主管機関に申請して審査に合格し、同意文書を取得している


日本は台湾と有機同等性の二国間取り決めを締結済みで、2020年2月1日から施行されています。したがって有機JAS認証品は2つ目のルートに乗せられます。

ただし、有機JASを取得していれば自動的に台湾で有機表示できるわけではありません。輸入業者側の申請と同意文書の取得が必要です。ここを飛ばして「有機」と書くと表示違反になります。


税——関税だけ見ていると原価がずれる

台湾の輸入時にかかる税は1つではなく、積み上げ式で計算されます。


  • 完税価格=CIF(貨物代金+運賃+保険料)

  • 関税=完税価格 × 関税率(HSコードで決まる)

  • 貨物税=(完税価格+関税)× 貨物税率。貨物税条例の対象品目のみ。食品では清涼飲料類などが該当し、対象外の品目は免徴

  • 推広貿易服務費=完税価格 × 0.04%

  • 営業税=(完税価格+関税+貨物税)× 5%

  • 酒類はこれとは別に菸酒税


よくある事故は、関税率だけで見積もって営業税5%と貨物税を積み忘れ、現地小売価格が想定より1〜2割高くなるパターンです。台湾の棚に並んだときの価格から逆算して出荷価格を決めるなら、この積み上げを最初から入れておく必要があります。


関税率はHSコードで決まるため、分類を誤ると税率が大きく変わります。加工度や原材料構成によって分類が割れる商材(調味料、加工菓子、混合茶など)は特に注意が必要です。大口の輸出を始める前に、台湾側で事前教示を取っておくのが安全です。

工芸品・雑貨を含む一般製品の関税・コスト設計は台湾への輸出にかかる関税・コスト・価格設定ガイドで扱っています。


違反したときに何が起きるか


規制の重さは、罰則の重さで測るとわかりやすくなります。


  • 自用名目で免験輸入したものを販売:食品安全衛生管理法第47条により3万〜300万台湾元の過料

  • 中文表示なし、または必須項目の欠落:過料に加え、製品の回収・廃棄

  • 添加物を機能名のみで表示するなど成分表示の不備:行政の公表事例で最も多い違反類型のひとつ

  • 誇大広告・医療効能の示唆:広告規制により高額の過料

  • 有効日期の文字が小さい(3mm未満)など表示形式の不備:表示規定違反として処分対象


金額の桁より実害が大きいのは、製品回収と取引停止です。台湾の大手小売はコンプライアンス問題を起こしたサプライヤーに厳しく、一度棚から落ちると戻すのに数年かかります。ラベルの校正に数万円をケチって、数千万円規模の取引を失う構図になりかねません。


実務フロー——輸出開始の6か月前から逆算する


ここまでの規制を、時系列の作業順に並べ直します。順序を間違えると必ず手戻りが出ます。とくに「中文ラベルは輸入者が確定しないと完成しない」という制約が、全体の順序を規定します。


  • 6か月前|自社商材の分類確認。HSコード、TFDA管轄か酒類か、検疫の要否、添加物と残留基準の照合、そして適合施設の認定が必要な品目かどうかの確認。ここで処方変更や施設認定の必要が判明することがあるため最初にやる

  • 6か月前|商標出願。台湾は先願主義で、登録まで通常6〜12か月かかる。詳細は台湾で商標登録は必要?費用・期間・手続き

  • 4〜5か月前|台湾側パートナーの選定。食品業者登録の有無、同カテゴリの輸入実績、検査不合格歴を確認。代理店との商談・契約実務

  • 3〜4か月前|輸入者確定後に中文ラベルを設計。国内責任業者の欄が埋まる。台湾の表示規則に精通した専門家のレビューを必ず入れる

  • 2〜3か月前|必要書類の準備。インボイス、パッキングリスト、品目により衛生証明書・植物検疫証明書・食肉衛生証明書・一般原産地証明書。発行機関は品目ごとに異なるため、後述の分担表で確認する

  • 1〜2か月前|輸送手段とロットの決定。初回はテストロットで査験の実地を確認する

  • 輸出時|台湾側輸入者がTFDAに輸入査験を申請。査験方式に応じた書類審査・現場査核・ラボ検査

  • 通関後|関税・貨物税・推広貿易服務費・営業税の納付、納品


初回は査験方式が重く出る前提でリードタイムを組んでください。「合格すれば数日」ではなく「不合格ならやり直しで数週間」を織り込むのが現実的です。


日本側でやること・台湾側でやること——手続きの分担

台湾の規制ばかり調べていると必ず抜け落ちるのが、日本側で発生する手続きです。輸入査験の申請主体は台湾側の輸入者ですが、その申請に添付する証明書の多くは日本国内で取得します。しかも発行機関がバラバラで、申請先も所要期間もそれぞれ違います。

まず役割分担を整理します。


台湾側(輸入者が行う)


  • 食品業者登録(非登不可)と食品輸入業者番号の取得

  • 輸入査験の申請(報験)

  • 関税・貨物税・推広貿易服務費・営業税の納付

  • 有機表示を行う場合の同意文書の取得

  • 酒類の場合は菸酒進口業許可執照の保有と進口酒類査験の申請


日本側(輸出者が行う)


  • 自社商材の輸出可否・輸出条件の確認

  • 品目に応じた各種証明書の取得

  • 該当する場合は適合施設の認定取得

  • 台湾での商標出願

  • 税関への輸出申告(通常は通関業者に委託)

  • 中文ラベルを日本で貼付する場合はその手配


証明書は「どこで取るか」が品目ごとに違う


ここが最も混乱するポイントです。証明書は一箇所でまとめて取れません。


  • 一般原産地証明書:各地の商工会議所

  • 衛生証明書・自由販売証明書・漁獲証明書など:農林水産省の一元的な輸出証明書発給システム経由(実際の発行機関は品目により地方農政局・都道府県・保健所などに分かれる)

  • 植物検疫証明書:植物防疫所

  • 牛肉の食肉衛生証明書:食肉衛生検査所等

  • 食肉製品の衛生証明書:認定施設を管轄する保健所

  • 偶蹄類の畜産物:動物検疫所


自社商材がどれに当たるかは、農林水産省が公開している「輸出促進法に基づく証明書や施設認定の申請が必要な輸出先国品目」の早見表と、農林水産省サイトの台湾の品目別ページで確認できます。


一元的な輸出証明書発給システム(農林水産省)


衛生証明書・自由販売証明書・漁獲証明書などは、農林水産省の一元的な輸出証明書発給システムからオンラインで申請します。実務上の注意点は次のとおりです。


  • 利用にはGビズIDプライムアカウントが必要。デジタル庁のGビズIDサイトから取得する。発行までに時間がかかるため、輸出を決めた時点で先に申請しておく

  • 申請業務を通関業者などの第三者に委託する場合は、委任状の提出が必要

  • 品目によっては、証明書発行の前提として適合施設の認定が求められる


最後の適合施設の認定が曲者です。取得までに数か月かかることがあり、初回輸出における最大のボトルネックになりがちです。自社工場が未認定の状態で「3か月後に台湾へ初出荷」という計画を立てると、まず間に合いません。


植物由来(青果物・茶葉・加工度の低い農産物)


植物防疫所での輸出検査が必要です。


  • 「植物等輸出検査申請書」を、検査を受けようとする植物防疫所に提出する。NACCSの植物検疫関連業務(APS)や農林水産省共通申請サービス(eMAFF)からも申請できる

  • 検査に合格すると植物検疫証明書が発給される。これを輸出植物に添付する

  • 検査は原則として植物防疫所で行うが、必要に応じて集荷地などで実施することもできる

  • 品目・輸出先の条件によっては検査に時間を要するため、事前に植物防疫所へ相談してから申請する


とくに注意すべきは台湾向けの生果実です。台湾向け生果実検疫実施要領に基づき、毎年、生産園地・選果技術員・選果こん包施設の登録が必要になります。年単位のサイクルで動く制度なので、思い立ってすぐ輸出することはできません。

品目ごとの具体的な検疫条件は、植物防疫所の「台湾 品目別検疫条件一覧表(貨物)」で確認してください。


畜産物


畜産物は「認定施設で製造していること」が出発点になります。


  • 牛肉:厚生労働省が認定したと畜場・食肉処理場で処理し、食肉衛生検査所等から食肉衛生証明書の発行を受ける

  • 食肉製品:厚生労働省が認定した施設で製造し、その施設を管轄する保健所から衛生証明書の発行を受ける

  • 偶蹄類の畜産物については動物検疫所の所管となる


自社工場が未認定であれば、証明書を申請する以前に施設認定から始める必要があります。ここも月単位の話です。


原産地証明書は「貿易登録」から始まる


台湾は日本とEPAを締結していないため、EPA特恵の第一種特定原産地証明書ではなく、一般(非特恵)原産地証明書を使います。発給は各地の商工会議所です。


  • 初回は商工会議所への貿易登録が必要。誓約書・業態内容届・署名届・申請者の実態を確認できる書類を提出する。窓口での手続き自体は20分程度

  • 貿易登録が済んでいれば、発給は窓口で半日程度。オンライン発給システムに対応している商工会議所も増えている


つまり時間がかかるのは証明書の発給そのものではなく、初回の貿易登録と社内での典拠資料の準備です。ここを分けて考えると段取りを詰めやすくなります。


「初回だけ発生する手続き」を切り出しておく


2回目以降は不要で、初回にしか発生しないものを先に洗い出しておくと、スケジュールが立てやすくなります。


  • GビズIDプライムアカウントの取得

  • 商工会議所での貿易登録

  • 適合施設の認定(該当品目のみ。数か月かかる場合がある)

  • 台湾向け生果実の園地・選果こん包施設の登録(該当品目のみ。毎年更新)

  • 台湾での商標登録(6〜12か月)。台湾で商標登録は必要?費用・期間・手続き

  • 台湾側パートナーの食品業者登録の確認

  • 中文ラベルの初版設計と専門家レビュー


このうち適合施設の認定と商標登録は月単位で動きます。他の準備が全部揃ってもこの2つが未了なら出荷できません。逆算のスタート地点はここに置いてください。


誰の棚を狙うのか|台湾の流通チャネル地図(2026年再編後)

台湾の食品流通チャネルを5層で示した構造図。2026年の統一集団・全聯集団への再編を反映したバイヤー地図

販路開拓の手段を考える前に、「その先に誰の棚があるのか」を把握しておく必要があります。台湾の小売地図は2026年に大きく書き換わりました。


2026年7月、家樂福ブランドが台湾から消滅した

2026年7月1日、台湾で39年続いた「家樂福(カルフール)」の看板が姿を消しました。統一集団が量販店を「萬家福(Uni Prosperity)」、スーパーを「樂家康(Uni Fresh)」へ改名したためです。統一集団による台湾家樂福の買収額は最終的に302.3億台湾ドルで、これにより統一集団はコンビニ・量販で台湾1位、スーパーで2位の小売グループになりました。旧家樂福の店舗数は、2026年初時点で量販63店・スーパー237店・高級スーパー(Mia C'bon)16店です。


一方、全聯福利中心は買収した大潤發を「大全聯 MEGA PXMART」へ全面改名済み。台湾の大型量販は統一集団・全聯集団・遠東愛買の本土三強に、外資は会員制のコストコが独走という構図に整理されました。


実務上の意味は2つあります。ひとつは、旧名称のまま商談相手を探しても現在の組織にたどり着けないこと。もうひとつは、統一・全聯という二大グループがコンビニからスーパー、量販まで複数フォーマットを抱えているため、「どのグループの、どのフォーマットを狙うのか」まで絞り込まないと提案がぼやけることです。


チャネル別に見る「求められる条件」

台湾の食品流通は大きく5層に分かれます。日本の食品メーカーにとって重要なのは、層ごとに求められる条件がまったく違うという点です。

  • 量販・スーパー(統一集団の萬家福・樂家康、全聯集団の全聯・大全聯、遠東愛買、コストコ):価格と物流条件が最優先。ロットが大きく、継続供給の確約を求められる。中国語ラベルの精度も厳しく見られる

  • コンビニ(統一超商=7-ELEVEN台湾など):企画商品・PB・季節商品の枠での採用が中心。前述のとおり台湾のコンビニ密度は世界最高水準で、短サイクルの商品入れ替えが前提になる

  • 百貨店・高級スーパー(Mia C'bon、百貨店の食品フロア):単価の高いギフト商材・こだわり系商材と相性が良い。商品のストーリーと化粧箱・包装の完成度が効く

  • 外食・ホテル:業務用規格・原料供給の商談になる。前述の外食市場規模を踏まえると有望だが、小売向けの完成品ではなく業務用の容量・規格が問われる

  • 輸入商社・卸:上記チャネルへ卸す中間流通。日本企業の初回取引は多くの場合ここから始まる。輸入通関・中国語ラベル・在庫リスクを担ってくれる一方、価格は商社マージン込みで設計する必要がある


自社商材がどの層に向くかを決めずに「台湾で売りたい」と動き出すと、価格表もサンプルも的を外します。まずは狙う層をひとつ決め、その層の条件に合わせて商品仕様と価格を組むのが順序です。


これらのチャネルのバイヤーと実際に会う場としては、台湾最大級の食品見本市であるFood Taipei(台北国際食品展)が最短距離です。同展の商談会では「主要流通にまだ入っていない新ブランド・新商品を優先する」という選定運用も見られ、ここで整理したチャネル理解がそのまま商談準備に直結します。


台湾での食品販路開拓:3つのアプローチ

規制や書類の準備と並行して重要なのが、どのチャネルで台湾市場に参入するかという戦略です。


アプローチ1:台湾の食品展示会への出展


台湾市場への食品参入において、展示会出展は最も効率的な入口です。

現地バイヤー・小売業者・輸入代理店と直接接触でき、短時間で多くのビジネス機会を得られます。


主軸となるのはFood Taipei(台北国際食品展)で、台湾国際茶・咖啡・烘焙展など併催展とあわせて開催されます。

出展費用は小規模ブースで50〜100万円程度が目安です。


Link Globalでは台湾の主要食品展示会への出展支援(ブース設営・通訳・商談設定まで)を提供しており、初出展でも安心して参加できるよう伴走サポートを行っています。

台湾最大級の食品見本市であるFood TaipeiについてはFood Taipei(台北国際食品展)とは?、台湾の食品展示会全体の見取り図は台湾の食品展示会の魅力とビジネスメリットで解説しています。


アプローチ2:現地輸入代理店・販売代理店の活用


現地の輸入代理店または販売代理店との連携が、最も一般的かつ効果的な参入方法です。

代理店選定のポイントは、既存取り扱い商品との親和性・販売チャネル・資金力・代表者との信頼関係の4点です。


台湾では業務連絡はLINEが主流で、宣伝にはFacebookが多用されます。

定期的な訪台でのフォローアップが信頼構築に不可欠で、「顔の見える関係」を築くことが長期的な成功の鍵です。


代理店契約では、独占販売権の有無・販売エリア・最低購入量・商標使用権・契約期間・解約条件を明確に定めることが重要です。

代理店・ディストリビューターとの商談から契約・決済までの実務は台湾のバイヤー・代理店・ディストリビューターと組む実務ガイドにまとめています。


アプローチ3:越境EC・食品ECプラットフォームの活用


台湾のEC市場(momo・PChome・蝦皮購物(Shopee)など)は急成長しており、越境EC販売も有力な選択肢です。

モバイル決済が広く普及しており、都市部の若年層を中心にスマートフォンでの食品購入が一般化しています。


越境ECでは物流コストの管理と配送日数の短縮が課題となりますが、台湾向けは物流インフラが整備されており、航空便で3〜5営業日での配送が可能です。


台湾食品輸出でよくある失敗パターンと対策

台湾食品輸出で躓くポイントは概ね決まっています。

事前に知っておくことで、多くのトラブルを回避できます。


失敗パターン1:中国語ラベルの未準備・翻訳ミス


最も多いのが、中国語ラベルを準備しないまま輸出しようとするケースです。

台湾の検疫で止められ、製品を廃棄せざるを得ないという事態は珍しくありません。


また機械翻訳だけに頼ると、食品用語の誤訳(例:「だし」→「出汁」の繁体字表記ミス)が発生しやすくなります。

必ず台湾の食品表示に精通した専門業者または現地パートナーによる確認が必要です。


失敗パターン2:代理店への丸投げ


代理店と契約したあとに「あとはお任せ」という姿勢でいると、販売が止まるリスクが高くなります。

代理店は複数のブランドを扱っており、サポートなしでは自社商品の優先度が下がりがちです。


定期的な情報提供・POP・試食イベントの実施支援など、日本側からの積極的な支援が重要です。


失敗パターン3:商標の未登録


台湾でビジネスを始める前に、必ず商標登録を完了させることが必要です。

台湾は「先願主義」のため、日本で商標を取得していても台湾で先に登録した第三者にブランドを奪われるリスクがあります。


商標登録には通常6〜12ヶ月かかるため、輸出開始より前に手続きを開始することを強くお勧めします。

台湾での商標登録の費用・期間・手続きは台湾で商標登録は必要?費用・期間・手続きで詳しく解説しています。


失敗パターン4:サンプルを免験枠で送り、販売に回せなくなる


商談用・展示会用のサンプルを自用の免験枠(1,000米ドル以下かつ6kg以内)で送るケースは非常に多いのですが、この枠で入れたものは販売できません。

バイヤーが「良いので少量から売ってみたい」と言い出したときに、その在庫が使えないと商談の勢いが止まります。テスト販売の可能性があるなら、最初から正規の査験ルートで通してください。


失敗パターン5:初回の検査不合格を軽く見る


「1回落ちただけ」で済まないのが台湾の輸入査験です。同一産地・同一分類の製品で不合格を出すと加強抽批査験(20〜50%)に格上げされ、一般抽批に戻すには連続5ロットの合格かつ不合格ロットの3倍の数量が必要になります。

この間、検査費と通関リードタイムが増え、代理店が扱う他ブランドの入荷計画にも影響します。初回ロットこそ、残留農薬や表示の事前検証にコストをかける価値があります。


よくある質問(FAQ)


Q:2025年11月に規制が全面撤廃されたので、もう検査はされないのですか?

A:いいえ。撤廃されたのは原発事故に起因する上乗せ規制(放射性物質検査報告書・産地証明書・品目別の輸入停止)だけです。食品安全衛生管理法第30条に基づく輸入査験は従来どおり実施されます。残留農薬、重金属、微生物、食品器具の溶出などが検査対象で、不合格になれば退運または廃棄です。


Q:中文ラベルは日本側だけで作れますか?

A:完成させることはできません。必須10項目のうち「製造業者または国内責任業者の名称・電話番号・住所」は台湾国内の連絡先を書く欄で、輸入者が確定しないと埋まらないためです。デザインの下地までは先行して作れますが、最終版は代理店決定後になります。


Q:日本酒を輸出したいのですが、食品と同じ手続きですか?

A:違います。アルコール分が容量で0.5%を超える飲料は菸酒管理法上の「酒」として扱われ、所管は財政部国庫署です。台湾側輸入者には菸酒進口業許可執照が必要で、査験も表示も食品とは別の規則に従います。菸酒税も別途かかります。


Q:有機JASを取っていれば、台湾で「有機」と表示して売れますか?

A:自動的には表示できません。日本は台湾と有機同等性の相互承認を締結済み(2020年2月1日施行)ですが、実際に有機名義で販売するには、輸入業者が中央主管機関に申請して審査に合格し、同意文書を取得する必要があります。この手続きを飛ばすと表示違反になります。


Q:アレルゲン表示は日本の8品目対応で足りますか?

A:足りません。台湾は11品目で、日本にはないマンゴーが含まれます。また亜硫酸塩類を使用し最終製品の二酸化硫黄残留量が1kgあたり10mg以上の場合も表示対象です。ドライフルーツやワインを使った加工品は要確認です。


Q:台湾への食品輸出に補助金は使えますか?

A:使える可能性があります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠は補助率2/3・上限最大9,000万円で、海外渡航費や通訳翻訳費も対象経費に含まれます。都道府県の農林水産部局が独自の輸出支援事業を設けているケースも多くあります。利用可能な制度は海外販路開拓に使える補助金完全ガイド2026で整理しています。


Q:最初の輸出はどのくらいの量から始めるべきですか?

A:初回はテスト輸出として小ロットから始めるのが現実的です。代理店の取り扱いテスト、現地消費者の反応確認、そして何より査験の実地確認を兼ねられます。ただし前述のとおり、自用の免験枠は販売に使えないので、テスト販売を想定するなら正規ルートで通してください。


Q:日本側ではどんな手続きが必要ですか?

A:品目によって変わります。加工食品なら一般原産地証明書(各地の商工会議所)が中心ですが、青果物・茶葉なら植物防疫所での輸出検査と植物検疫証明書、牛肉なら食肉衛生検査所等からの食肉衛生証明書、食肉製品なら認定施設を管轄する保健所からの衛生証明書が必要になります。衛生証明書や自由販売証明書は農林水産省の一元的な輸出証明書発給システムからオンライン申請します。利用にはGビズIDプライムアカウントが必要です。


Q:初回輸出で特に時間がかかるのはどの手続きですか?

A:適合施設の認定と台湾での商標登録です。施設認定は品目により求められ、取得まで数か月かかることがあります。商標登録は6〜12か月。台湾向け生果実の場合は生産園地・選果こん包施設の年次登録も必要です。いずれも月単位で動くため、逆算のスタート地点をここに置いてください。


Q:台湾語と中国語の違いはありますか?食品表示はどちらで書けばいいですか?

A:台湾の公用語は繁体字中国語です。中国大陸で使われる簡体字とは異なります。食品表示は必ず繁体字で記載してください。台湾語(閩南語)は話し言葉であり、食品表示に用いるものではありません。


まとめ:規制は「撤廃された部分」より「残った部分」を見る


2025年11月21日の全面撤廃で、台湾は日本の食品企業にとってかつてなく参入しやすい市場になりました。産地による書類の差がなくなり、これまで見送っていた商材にもチャンスが生まれています。


ただし本記事で見てきたとおり、台湾の食品規制の本体はそのまま残っています。整理すると、押さえるべきは次の5点です。


  • 申請主体は台湾側の輸入者。パートナーの食品業者登録と実績が輸出可否を決める

  • 輸入査験は5方式あり、一度の不合格が長期の負担になる

  • 中文表示は10項目+アレルゲン11品目。日本のラベルの翻訳では通らない

  • 添加物・残留基準・容器の基準は日本と別建て。処方の照合は最初期にやる

  • 酒類・健康食品・有機は、それぞれ別の法律と手続きに乗る


最初のアクションは、自社商材の分類確認(HSコード・所管官庁・検疫の要否・添加物と残留基準の照合)です。ここで処方変更やカテゴリ変更の必要が見つかることが多く、後工程の手戻りを最も減らせる作業でもあります。

台湾市場全体の攻め方は台湾市場進出 完全ガイドマップ2026に業界別・目的別で整理しています。


「自社の商材が台湾の規制にどう当たるのかがわからない」「代理店候補の実務能力を判断できない」という段階でしたら、Link Globalにご相談ください。累計100社・10カ国での支援実績をもとに、規制の当たり判定から代理店開拓、商談・契約まで伴走します。


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