Food Taipei(台北国際食品展)とは?出展メリットと日本企業の活用法を解説
- 堤浩記
- 7月25日
- 読了時間: 23分
更新日:7月27日

「Food Taipei(台北国際食品展)ってどんな展示会?」
「出展すると、どんなバイヤーと商談できるの?」
「台湾への食品輸出の第一歩として、出展する価値はある?」
Food Taipei(台北国際食品展)は、台湾貿易センター(TAITRA)が主催するアジア最大級の国際食品見本市です。1991年の第1回から数えて2026年で通算36回を迎え、5展合同の「FOOD TAIPEI MEGA SHOWS」として約1,800社・団体が4,750ブースを出展、104カ国・地域から約4,500人の海外バイヤーが来場しました。
日本からはジェトロ(JETRO)と日本台湾交流協会が設置するジャパンパビリオンに73社・団体が出展し、各県のブースも並びます。台湾・アジアへの食品輸出を目指す日本企業にとって、年間で最も重要な商談機会のひとつです。
ただし「出展すれば売れる」展示会ではありません。本記事では、展示会の位置づけと開催実績、会場と入場ルール、日本側の出展者の顔ぶれ、台湾側のバイヤー構造、見込める取引の中身、そして出展4ルートと申込手続きまで、海外展開支援の実務者目線で整理します。
Food Taipei(台北国際食品展)とは?1991年開始・通算36回の歴史

Food Taipeiは、台湾の政府系貿易振興機関である台湾貿易センター(TAITRA)が主催する国際食品見本市です。第1回は1991年で、2026年開催が第36回にあたります。2021年は新型コロナの影響で会期が6月から12月へ延期されましたが、回次は途切れずに積み上がっており、35年にわたって台湾の食品産業を代表する商談プラットフォームとして機能してきました。
出展カテゴリは、生鮮青果・水産・食肉から、加工食品、冷凍食品、菓子、飲料、茶、酒類、健康食品、有機食品まで、食品のほぼ全領域をカバーします。2026年は機能性飲料などを集めた新設エリア「FRESH LIVING」も加わりました。
重要なのは、Food TaipeiがB2B(商談)を主目的とした展示会である点です。来場者の中心は台湾内外の輸入商社、卸、小売・ECのバイヤー、外食・ホテルの調達担当者であり、一般消費者向けの物産展・即売会とは性格が異なります。台湾の販路開拓を目的とするなら、まず候補に挙がる展示会です。
国際的な評価も上がっています。2026年、台北国際食品展は米国農務省(USDA)から「USDA Endorsed Trade Shows」の認定を初めて取得しました。米国政府が公式に推奨する見本市に選ばれたことで、アジア太平洋の食品商流におけるハブとしての位置づけがより明確になっています。
台湾の食品展示会の全体像については、台湾の食品展示会の魅力とビジネスメリットの記事でも解説しています。
FOOD TAIPEI MEGA SHOWS——5展合同開催の全体像

現在のFood Taipeiは、単独の展示会ではなく「FOOD TAIPEI MEGA SHOWS」という5展合同開催の中核として開催されています。合同開催される5展は次のとおりです。
FOOD TAIPEI(台北国際食品展):食品・飲料の総合展
FOODTECH TAIPEI(台北国際食品加工機械展):食品加工・製造設備
BIO/PHARMATECH TAIWAN(台湾国際バイオ・製薬設備展)
TAIPEI PACK(台北国際包装工業展):包装資材・包装機械
TAIWAN HORECA(台湾国際ホテル・レストラン設備用品展):外食・ホテル向け設備・用品
会場は台北世貿一館(TWTC Hall 1)と台北南港展覧館1館・2館の3会場に分かれ、原料から加工、包装、外食チャネルまで食品産業のバリューチェーン全体が一度に集まる構造になっています。
日本の食品メーカーが出展するのは基本的にFOOD TAIPEIですが、HORECAが併催されているため、外食・ホテルの調達担当者にも自社商品が届きやすいのが合同開催の利点です。業務用・OEMの引き合いを狙う企業にとっても価値のある構造と言えます。
開催概要と2026年の開催実績
直近の開催概要と実績は次のとおりです(出典:TAITRA発表・ジェトロ報道)。
会期:2026年6月24日(水)〜27日(土)※毎年6月開催が通例
会場:台北世貿一館(台北市信義區信義路五段5號)+台北南港展覧館1館・2館(台北市南港區經貿二路1號・2號)
出展規模:5展合計で約1,800社・団体、4,750ブース(近年で最大規模)
出展国:33カ国。国家館は21カ国で過去最高
総来場者数:44,905人(うち海外バイヤーは約4,500人/104カ国・地域)
成約見込み額:約1億5,000万米ドル。会期中の1対1商談は1,000件超
2026年テーマ:「精準食代 綠色智慧(SMART EATING, GREEN LIVING)」
ここで注意したいのが、「約1,800社」は5展合計の数字である点です。自社が実際に並ぶFOOD TAIPEI(食品展)単体の規模は、別に見る必要があります。
2025年の食品展単体の実績は、台湾国内877社・2,455ブース、海外342社・373ブースで合計1,219社・2,828ブース。国家館は14、参加国は31でした。つまり食品展の出展者の7割以上が台湾企業で、日本企業は「台湾企業が主役の場に乗り込む海外勢のひとつ」という立ち位置になります。この構造を理解しているかどうかで、ブースの見せ方も商談の組み方も変わります。
2027年の開催日程は本記事執筆時点で未発表です。例年どおりであれば6月開催が見込まれ、出展申込や国・自治体の団体出展の公募はその半年〜1年前から始まります。最新情報は公式サイト(foodtaipei.com.tw)で確認してください。
会場・アクセス・入場ルール

FOOD TAIPEI MEGA SHOWSは3会場に分かれるため、事前に「どの会場で何を見るか」を決めておくことが視察・商談の効率を大きく左右します。
各会場へのアクセス
台北南港展覧館1館・2館(台北市南港區經貿二路1號・2號):MRT「南港展覧館」駅直結。桃園国際空港からは機場捷運で台北車站へ出て板南線に乗り換え、松山空港からは文湖線で乗り換えなしでアクセス可能
台北世貿一館(台北市信義區信義路五段5號):台北101に隣接する信義区に立地。MRT淡水信義線「台北101/世貿」駅からすぐ
会期中は会場間を結ぶ無料シャトルバスが運行される(2026年実績)。それでも移動には時間がかかるため、同日に全会場を回る前提は避けたい
入場ルールと一般公開日を必ず確認する
見落としやすいのが入場ルールです。2026年開催では、初日から3日目(6月24〜26日)は専門商談日として、食品・食品機械・生技製薬設備・包装・飯店餐飲設備の業界関係者と登録済みメディアのみが入場可能でした。一般の来場が認められたのは最終日の6月27日(土)のみです。
台湾国内の業界関係者は公式サイトでオンライン登録を行い、本人の名刺を持参して現場審査を受けたうえで入場証が発行されます。主催者は来場者の業界資格を判定し入場証を発行する権限を保持しているため、「とりあえず行けば入れる」とは考えないほうが安全です。
さらに一般公開日の扱いは会場ごとに異なります。2026年は世貿一館が6月27日に非業界者・一般来場者へ無料開放(現地登録のみ)となり、開場時間は9時30分〜16時30分。南港展覧館は別の課金方式が取られました。視察目的で渡航する場合、この日程・会場・料金の組み合わせを確認せずに航空券を取ると、目的のブースに入れないという事故が起こり得ます。

回り方のポイント
3館分散のため、目的のブースがどの館にあるかを出発前に必ず確認してください。「南港まで来たら、実は世貿一館だった」という移動ロスが実際に起きています。
食品の商談が目的であればFOOD TAIPEIの出展エリアを軸に据え、包装資材(TAIPEI PACK)や外食設備(TAIWAN HORECA)は必要に応じて足を延ばす、という優先順位づけが現実的です。視察であれば最低1日、出展者との商談を組むなら2日以上の滞在をおすすめします。
日本からはどんな企業が出展しているのか
「日本企業も出ている」とだけ言われても判断はできません。実際の顔ぶれを見ていきます。
ジャパンパビリオン:73社・団体、100品目超
2026年、ジェトロと日本台湾交流協会は「FOOD TAIPEI 2026」にジャパンパビリオンを設置し、73社・団体が出展しました。展示された商材は水産物や和牛といった主力商品から、菓子、アルコール飲料まで100品目を超えます。
加えて日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が会期中に常設ブースを設け、日本人専門家による調理デモンストレーションを毎日実施。出展商材を使いながら日本の食文化と商品の魅力をバイヤーに発信する体制が組まれていました。単独出展では用意できない「日本エリアとしての集客装置」が働いているのが、ジャパンパビリオンの実質的な価値です。
自治体ブースの実例:大分県×東元グループ
出展形態としてもっとも参考になるのが自治体ブースです。2026年の大分県の例では、県が台湾大手の東元グループ(TECO)と連携して大分県ブースを設置し、公募で選ばれた県内5社——井上酒造、マルトモ物産、南酒造、山城屋、若竹園(五十音順)——が出展しました。
東元グループは1956年に電力機器・モーターの製造会社として設立された企業で、その後事業を多角化し、食品・外食分野ではモスバーガーの台湾フランチャイズ運営や食品加工まで手掛けています。
注目すべきは会期中のスケジュールです。前日夕刻に東元グループ・ブースの前夜祭、初日午前に東元グループの記者会見、2日目には東元グループの商談会が組まれ、その相手としてモスバーガーやロイヤルホストが予定されていました。つまり自治体ブースに乗ると、小間が確保できるだけでなく、現地パートナーが持つ外食チェーンとの商談導線がセットで付いてくる場合があるということです。
その他の自治体・支援機関ルート
大分県以外にも複数の自治体・支援機関が枠を持っています。
長野県:長野県産業振興機構が長野県ブースを設置。申込書・別表・FCP展示会商談会シート(3商品分)の提出が必要で、2026年開催分の締切は4月14日17時必着だった
仙台市:仙台市産業振興事業団がジャパンパビリオン内の仙台ブース出展企業を公募(ジェトロのジャパンパビリオンへの採択が前提という条件付き)
札幌市:札幌食と観光国際実行委員会がジャパンパビリオン内の出展企業を公募。出展形態はジェトロの方針に従う建て付けで、申込後のキャンセルは原則不可・小間代等のキャンセル料負担
いずれも「ジャパンパビリオンの中に自治体ブースが入る」構造になっており、ジェトロの出品案内書に規定される内容に合致していることが要件です。自社の地元自治体に枠があるかどうかは、早い段階で確認しておく価値があります。
台湾側はどんな企業が買いに来るのか

ここが出展の成否を決める部分です。そして2026年、台湾の小売地図は大きく書き換わりました。
2026年7月、台湾の量販・スーパー勢力図が変わった
2026年7月1日、台湾で39年続いた「家樂福(カルフール)」の看板が姿を消しました。統一集団が量販店を「萬家福(Uni Prosperity)」、スーパーを「樂家康(Uni Fresh)」へ改名したためです。統一集団による台湾家樂福の買収額は最終的に302.3億台湾ドルで、これにより統一集団はコンビニ・量販で台湾1位、スーパーで2位の小売グループになりました。旧家樂福の店舗数は、2026年初時点で量販63店・スーパー237店・高級スーパー(Mia C'bon)16店です。
一方、全聯福利中心は買収した大潤發を「大全聯 MEGA PXMART」へ全面改名済み。結果として台湾の大型量販は統一集団・全聯集団・遠東愛買の本土三強に、外資は会員制のコストコが独走という構図に整理されました。
出展準備で「家樂福のバイヤーに当てたい」と考えていた企業は、名称と組織が変わっていることを前提に商談相手を洗い直す必要があります。逆に言えば、統一・全聯という二大グループの中でどのフォーマット(コンビニ/スーパー/量販/百貨店)を狙うのかを決めておけば、商談の解像度は一段上がります。
チャネル別に見るバイヤー像
Food Taipeiに来場する台湾側のバイヤーは、おおむね次の層に分かれます。自社商材がどの層に向くかを事前に決めておくことが、限られた会期を無駄にしないコツです。
量販・スーパー:統一集団(萬家福・樂家康)、全聯集団(全聯・大全聯)、遠東愛買、コストコ。価格と物流条件が最優先で、求められるロットも大きい
コンビニ:統一超商(7-ELEVEN台湾)など。企画商品・PB・季節商品の枠での採用が中心
百貨店・高級スーパー:Mia C'bonなどの高価格帯業態や百貨店の食品フロア。単価の高いギフト商材・こだわり系商材と相性が良い
外食・ホテル:レストランチェーンやホテルの調達担当。業務用規格・原料供給の商談になりやすい(TAIWAN HORECA併催の効果が出る層)
輸入商社・卸:上記チャネルへ卸す中間流通。日本企業の初回取引は、多くの場合ここから始まる
台湾以外のバイヤーにも会える
Food Taipeiのもうひとつの価値は、台湾以外のバイヤーが集まることです。2026年は104カ国・地域から約4,500人の海外バイヤーが来場しました。
TAITRAは有力バイヤーの招聘にも力を入れており、2026年はカナダの大手小売グループPattison Food Group、米国の大華超市(Tawa Services, Inc.)、日本のキリンホールディングス、インドのHyperpureなどが、食品・設備・健康食品のパートナー探しのために来場しています。台湾を起点に、北米・東南アジア・インドといった市場への接点も同時に得られる構造です。
商談会に選ばれる条件を知っておく
会期中はTAITRAが複数の採購洽談会(バイヤーとの1対1商談会)を運営します。2026年は「食品産業サプライチェーン採購洽談会」「保健栄養食品サプライヤー洽談会」などが開かれました。
運用は具体的です。たとえば2026年のハラル商機日の商談会は、1件20分の1対1形式で午後1時30分から3時30分まで実施し、その後30分を名刺交換に充てる設計。国際バイヤーとは英語、台湾国内の流通業者とは中国語で商談する前提でした。
注目すべきは選定基準です。この商談会では、伴手礼・スナック菓子や即食・冷凍食品のカテゴリで「家樂福の流通にまだ入っていない新ブランド・新商品」を優先すると明記されていました。つまりバイヤー側は「既に棚にあるもの」ではなく「まだ無いもの」を探しに来ています。自社商品を「台湾の棚に存在しないカテゴリ・切り口」として提示できるかが、商談会に選ばれるかどうかを左右します。
どういう取引が見込めるのか

対台湾の食品輸出は1,812億円市場
商談のスケール感を掴むには、市場全体の数字を見るのが早道です。農林水産省によると、2025年の対台湾の農林水産物・食品輸出額は1,812億円(前年比6.4%増)で、国・地域別では前年同様、米国、香港に次ぐ3位でした。
品目別の上位5つは次のとおりです。
アルコール飲料:174億円
ホタテ貝:133億円
牛肉:133億円
リンゴ:105億円
ソース混合調味料:102億円
酒類・水産・畜産・果実・調味料が主軸という構造です。自社商材がこの上位品目に含まれる場合は「既に市場が形成されている中での差別化」が論点になり、含まれない場合は「新規カテゴリの提案」になります。どちらの戦い方をするのかで、持っていく資料もサンプルも変わります。
取引の3類型

Food Taipeiで実際に生まれる取引は、大きく3つの型に分かれます。
輸入商社・卸経由の継続取引:もっとも一般的な型。商社が輸入通関・中国語ラベル・在庫リスクを担い、小売や外食へ卸す。継続性が高い一方、価格は商社マージン込みで組む必要がある
小売の催事・スポット取引:百貨店の日本物産展や小売チェーンのフェア枠での短期取引。ロットは小さいが、実績づくりと消費者反応の検証に向く
業務用・OEM/委託製造:外食チェーンや現地食品メーカー向けの原料供給・業務用規格・OEM対応。単価は下がるが、ロットと継続性が大きい
見落とされがちなのが3番目です。ジェトロが2026年開催後にまとめた出展者の声では、「消費者向け商品以上に業務用や委託製造(OEM)の引き合いが多く、販売戦略の再構築が必要」という市場変化の兆しが報告されています。小売店頭向けの完成品だけを持ち込むと、目の前の引き合いを取りこぼすおそれがあります。
同じ報告では、成果につながった準備として、賞味期限の延長、繁体字ラベルの用意、説明資料の整備といった工夫が挙がっています。また輸出未経験の企業からは「台湾バイヤーと直接商談でき、輸出ルート確立への手応えをつかんだ」、既存取引先を持つ企業からは「既存顧客との関係強化に加え、その先の卸売りや外食・小売業者、一般消費者から直接評価を聞くことができ、商流拡大の弾みとなった」という声が出ています。
商材別の輸出難易度や規制・支援制度の全体像は、食品・調味料の輸出 完全ガイドマップ2026で体系的に整理しています。
日本企業がFood Taipeiに出展するメリット
1. 台湾市場の「入口」として最適
台湾は日本食品への需要が非常に高い市場です。Food Taipeiには台湾の主要な輸入商社・卸・小売バイヤーが集まるため、台湾の販路開拓を始めるうえで、最短距離で決裁者クラスと接点を持てる場になります。
2. 台湾にとどまらないアジアのバイヤーと商談できる
104カ国・地域から約4,500人の海外バイヤーが来場するため、台湾を起点に香港・東南アジア・北米などのバイヤーとも同時に商談できます。現地単独営業では得がたいメリットです。
3. 「日本エリア」としての集客装置が使える
ジャパンパビリオンには73社・団体が集まり、JFOODOによる調理デモが連日行われます。単独では作れない「日本食品を見に来る動線」に乗れるのは、初出展企業にとって大きな差になります。
4. テストマーケティングの場として使える
現地バイヤーの反応、競合価格帯、求められる規格・ロットをまとめて把握できるため、本格輸出の前のテストマーケティングとしても有効です。会期後に「この商材では台湾はまだ早い」と判断できることも、立派な成果のひとつです。
出展の4ルートと申込手続き

出展形態は4つあります。費用・自由度・支援の手厚さ・締切がそれぞれ違うため、自社の状況に合わせて選びます。
ルートA:個別出展(TAITRAへ直接申込)
公式サイトから直接申し込む形です。ブース位置や装飾の自由度がもっとも高い一方、集客も運営も自社で担うことになります。
申込スケジュールは想像より早い点に注意してください。2021年開催の実例では、出展受付が前年(2020年)11月6日8時30分に開始し、締切は2021年3月31日でした。しかも小間が先に埋まった場合は前倒しで締め切られます。つまり会期の約7カ月前に受付開始、3カ月前に締切という逆算になります。TAITRAは「参展実施規範(Application Kit)」として申込書・製品コード表・オンライン登録の解説を公式サイトでPDF公開しているため、まずこれを取り寄せるのが第一歩です。
ルートB:ジャパンパビリオン(ジェトロ)
ジェトロと日本台湾交流協会が毎年設置しているエリアへの出展です。日本エリアとしての集客力と運営サポートが強みで、費用面でも中小企業が使いやすい設計になっています。
ジェトロは出品案内書を公開しており、出展内容がその規定に合致していることが要件です。事務局はジェトロ農林水産食品部 事業推進課が所管し、専用の問い合わせ窓口が設けられています。募集は例年、会期の半年以上前に始まります。
ルートC:自治体・支援機関の団体出展枠
都道府県・市町村や産業振興機構、商工会議所がジャパンパビリオン内に確保した枠へ乗る形です。費用補助や事前・事後の支援が付くことが多く、初出展ならもっとも現実的な選択肢です。
ただし締切が早い点に注意が必要です。前述のとおり長野県ブースの2026年開催分は4月14日17時必着——会期の2カ月半前でした。さらに自治体枠には「ジェトロのジャパンパビリオンへの採択が前提」という条件付きの公募もあり、申込後のキャンセルは原則不可・小間代等のキャンセル料負担というケースもあります。自社の商材と出展意思を早い段階で固めておく必要があります。
ルートD:単独出展・現地パートナーとの共同出展
ジャパンパビリオンの外に、日本の自治体や業界団体が独自にブースを構える形もあります。横浜企業経営支援財団の現地レポートによれば、ジャパンパビリオン以外にも日本勢の単独出展は多く、費用面から中小企業はジャパンパビリオンを選ぶことが多い一方、出展場所の違いを理由に単独出展を選ぶ出展者もいるとされています。前述の大分県×東元グループのように、現地企業と組んでブースを構える形もこの系統です。
出展費用の考え方や準備の全体像は、海外展示会 完全ガイドマップ2026で体系的に整理しています。
準備の基本的な流れは、出展申込→ブース・展示計画→サンプル・什器の輸送手配→通訳・スタッフ手配→事前アポイント獲得→会期→フォロー、となります。特にサンプルの輸送は台湾の輸入手続きが関わるため、余裕を持った段取りが必要です。
2026年の会場で見えた市場トレンド
2026年のテーマ「精準食代 綠色智慧(SMART EATING, GREEN LIVING)」が示すとおり、精密栄養・パーソナライズ食品といった健康志向と、省エネ・サステナビリティ対応が展示全体の潮流になっています。機能性飲料などを集めた新設エリア「FRESH LIVING」も登場しました。
また前述のとおり、業務用・OEM需要の拡大が明確な変化として報告されています。健康機能や環境配慮を訴求できる商品は、その文脈に乗せた見せ方を準備しておくと会場での引きが変わります。
商品の背景にあるストーリーやこだわりが重視される傾向も、出展者から報告されています。スペック表だけでなく、産地・製法・作り手の物語を繁体字で伝えられる資料を用意しておくべきです。
日本国内の食品展示会との使い分け

「わざわざ台北まで行くべきか」を判断するには、日本国内の展示会と比べるのが早い。主要3展の性格を整理します。
国内主要3展の概要
FOODEX JAPAN(国際食品・飲料展):日本能率協会ほか主催。1976年開始で2026年が第51回。2026年は3月10〜13日に東京ビッグサイトで開催され、76カ国・地域から3,238社・4,026小間が出展、来場者は73,842名。食品・飲料分野で国際見本市協会(UFI)の認証を受けた国内唯一の国際展示会
「日本の食品」輸出EXPO:RX Japan主催、ジェトロ共催・農林水産省協力。2017年に立ち上げられた輸出専門展で、2024年から年2回開催。第12回は2026年6月24〜26日、第13回は同年11月11〜13日(いずれも東京ビッグサイト)。約400社が出展し、60カ国・2,500人の海外バイヤーと国内輸出商が来場
FOOMA JAPAN(国際食品工業展):日本食品機械工業会主催。2026年は6月2〜5日に東京ビッグサイトで開催され、49回目。出展社数1,025社で過去最多、展示ソリューションは7,000超、来場者は4日間で10万人規模
出展社の「内外比」が正反対
数字を並べると構造の違いがはっきりします。FOODEX JAPAN 2026は国内1,112社に対し海外2,126社——海外勢が国内の2倍近くを占めます。つまりFOODEXは「世界が日本市場に売り込む場」であり、日本企業が出展する場合は「日本に来ている海外バイヤーを拾う」使い方になります。
対してFood Taipeiは、2025年の食品展単体で台湾国内877社に対し海外342社。台湾企業が主役の場に各国パビリオンが乗り込む構造です。
そして「日本の食品」輸出EXPOだけが、出展社が日本企業・来場者が海外バイヤーという輸出専門の設計で、それまで存在しなかった形として農林水産省・ジェトロの協力を得て立ち上げられました。同展には、購買予算1,000万円などの条件をクリアした海外VIPバイヤーを事務局が宿泊費を負担して特別招待し、要望に基づいて出展ブースまで案内する仕組みもあります。
台湾は5展合同、日本は分散している
もうひとつの違いは開催構造です。台湾は食品・食品加工機械・バイオ製薬設備・包装・ホテル外食設備の5展を、同一期間・3会場に束ねています。
一方の日本は、FOODEX JAPAN(3月・日本能率協会)、FOOMA JAPAN(6月・日本食品機械工業会)、TOKYO PACK(日本包装技術協会)と、主催者も会期も別々に分散しています。原料から包装・外食設備までを一度の渡航でまとめて見られるのは、実はFood Taipei側の隠れた強みです。
2026年は会期が完全に重なっていた
実務上もっとも注意したいのがこれです。「日本の食品」輸出EXPO 第12回は2026年6月24〜26日、Food Taipei 2026は6月24〜27日——同じ週でした。予算と人員が限られる企業は「東京で海外バイヤーを待つか、台北へ売りに行くか」の二択を迫られたことになります。翌年以降も会期が接近する可能性があるため、年間の展示会計画を組む段階で両方の日程を並べて確認してください。
使い分けの目安
輸出未経験・予算が限られる:まず「日本の食品」輸出EXPO。渡航費ゼロで海外バイヤーの反応を検証でき、ジェトロ講師による食品輸出セミナーや農林水産省のGFPセミナーも併設される
台湾を本命市場と決めている:Food Taipei。現地の商流・競合の価格帯・棚の実態まで確認できるのは、現地開催の展示会だけ
国内販路も同時に狙う:FOODEX JAPAN。ただし海外出展社が多数のため、日本企業として埋没しない見せ方の設計が必要
なお国内展にも自治体支援があります。千葉県は県内18事業者とともに千葉県ブースを出展し、蒲郡市は共同出展者を募集して出展料・基礎装飾レンタル料を市が負担する仕組みを設けています。「台湾へ行く前に、まず国内展で試す」ルートにも公的支援が用意されているということです。
他の台湾展示会との使い分け
台湾には目的の異なる国際展示会が複数あります。自社の商材と目的に合わせて使い分けましょう。
Food Taipei:食品・飲料の販路開拓(B2B商談の本命)
台湾文博会(Creative Expo Taiwan)・DG Taiwan:工芸品・デザイン雑貨・ギフト
台北国際旅行博(ITF):観光・インバウンド誘客
なお菓子や茶のようにギフト性の高い食品は、パッケージやブランドの世界観次第でギフト・雑貨系の展示会と相性が良い場合もあります。販路として「食品流通」と「ギフト・ライフスタイル流通」のどちらを狙うかで出展先を選ぶのが、実務的な考え方です。
出展を成果につなげる実務ポイント
価格表と取引条件を「輸出仕様」で準備する
バイヤーとの商談では、FOB・CIFなどの建値、最低ロット、リードタイムを明記した英語(可能なら繁体字中国語)の価格表が必須です。国内向け価格しか用意がないと、その場で商談が止まってしまいます。
価格設定の考え方は台湾への輸出にかかる関税・コスト・価格設定ガイドで詳しく解説しています。
台湾の輸入規制を見据えた準備をする
食品の台湾輸出には、輸入食品検査や中国語ラベル表示などの規制対応が必要です。商談で具体的な話に進んだ際に慌てないよう、台湾への食品輸出完全ガイドで事前に全体像を押さえておくことをおすすめします。
商談後のフォローが成果の9割を決める
展示会の成果は、会期後のフォローで決まります。名刺・商談記録の整理、サンプル送付、条件提示までのスピードが勝負です。台湾のバイヤーとの取引の進め方は台湾のバイヤー・代理店・ディストリビューターと組む実務ガイドにまとめています。
出展までの逆算スケジュール

Food Taipeiへの出展を決めてから会期までの標準的な段取りを、実際の締切実績を踏まえて逆算で整理します。
会期12〜10カ月前(前年8〜10月):出展形態の決定と情報収集。個別出展の受付は前年11月頃に開始する
会期8〜6カ月前(前年11月〜当年1月):個別出展の申込。自治体・支援機関の公募情報を追い、応募書類(FCPシート等)を準備
会期3〜2カ月前(4〜5月):自治体枠の締切が集中(長野県ブースは4月中旬締切の実績)。出展商品の確定、輸出仕様の価格表作成、ブース設計
会期2〜1カ月前(5〜6月):サンプル・什器の輸送手配、通訳手配、事前アポイントの打診開始、繁体字資料の最終化
会期中(6月下旬):3館の位置関係を踏まえた動線設計。商談記録はその日のうちに整理する
会期後2週間以内:サンプル送付と条件提示まで到達させる。このスピードが成約率を左右する
よくある質問(FAQ)
Q. Food Taipeiは何回目の開催ですか?
A. 2026年開催が第36回です。第1回は1991年で、2024年が第34回、2025年が第35回にあたります。2021年は新型コロナの影響で会期が6月から12月へ延期されましたが、回次は継続しています。
Q. 商談は日本語で通じますか?
A. 台湾のバイヤーには日本語話者もいますが、基本は中国語(繁体字)・英語です。TAITRAが運営する採購洽談会でも、国際バイヤーは英語、台湾国内の流通業者は中国語での商談が前提とされています。通訳の手配を強くおすすめします。ジャパンパビリオンや自治体の団体出展では、通訳サポートが付く場合があります。
Q. 視察だけでも入場できますか?
A. 2026年の運用では、会期前半3日間は業界関係者と登録メディアのみの専門商談日で、一般来場が可能なのは最終日のみでした。業界関係者もオンライン登録と名刺持参による現場審査が必要です。会場ごとに一般公開日の料金体系も異なるため、渡航前に公式サイトの入場規定を必ず確認してください。
Q. 出展の申込はいつまでですか?
A. ルートによって大きく異なります。個別出展は会期の約7カ月前に受付開始・3カ月前に締切(小間が埋まれば前倒し)、自治体枠は会期の2〜3カ月前に締切が集中します。長野県ブースの2026年開催分は4月14日締切でした。前年の秋から情報収集を始めるのが安全です。
Q. 試食サンプルは自由に持ち込めますか?
A. 食品サンプルの台湾持ち込み・輸送には検疫・輸入手続きが関わります。特に肉製品・生鮮品は制限が厳しいため、公式フォワーダーや支援機関を通じて事前に確認・手配するのが安全です。
Q. 初出展で成果を出すには何が一番重要ですか?
A. 事前アポイントと会期後フォロー、そして「台湾の棚にまだ無いもの」としての提示です。TAITRAの商談会では、既に主要流通に入っていない新ブランド・新商品が優先される運用が見られます。会場で偶然の出会いを待つのではなく、商談したい相手を事前にリストアップし、会期後は2週間以内に条件提示まで進めてください。
まとめ|Food Taipeiは台湾・アジア食品輸出の最重要商談機会
Food Taipei(台北国際食品展)は、1991年の第1回から通算36回を数える台湾最大級の国際食品見本市です。5展合同のMEGA SHOWS構造により、小売・ECだけでなく外食・業務用チャネルへの接点も同時に得られます。2026年には米国農務省の認定も取得し、アジア太平洋の食品商流におけるハブとしての位置づけを固めました。
一方で、出展して並べるだけでは成果は出ません。台湾の小売地図は2026年に統一・全聯の二大グループへ再編されており、狙うチャネルの解像度を上げる必要があります。輸出仕様の価格表、繁体字資料、規制対応の見通し、事前アポイント、そして会期後2週間以内のフォローまで含めた設計が不可欠です。
Link Globalは、100社以上・10カ国以上の海外展開支援実績をもとに、台湾市場調査から展示会出展、商談・契約までワンストップで支援しています。台湾市場全体の戦略は台湾市場進出 完全ガイドマップ2026をご覧ください。Food Taipeiへの出展をご検討の際は、初回無料相談をご利用ください。
Food Taipeiを含む台湾の展示会について、出展前の選定・視察から会期後のフォローまでの進め方は台湾展示会の出展・視察支援で工程ごとに解説しています。まだ出展を決めていない段階での視察同行にも対応しています。




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