抹茶輸出のチェックリスト――オーガニック、MRL、HSコード、輸送・保管まで
更新日:5 日前

「抹茶の輸出入時に知っておくべきポイントは?」
「抹茶を輸出入する際の注意点について知りたい!」
「オーガニック認証や各種表示について学びたい!」
しかし、これから抹茶を活用しようと検討している方の中には、輸出入時の確認事項などで悩んでしまう人も少なくないようです。
本記事では、抹茶の輸出で確認すべき項目を、オーガニック認証とMRL、HSコード、輸出書類、輸送と品質保持の順に整理します。
これから抹茶の輸出に取り組む生産者・メーカー・商社の方はもちろん、日本から抹茶を調達するバイヤーやOEMメーカーの方にも役立つ内容ですので、ぜひ各項目をチェックしてみてください。
抹茶のオーガニック認証の基礎や各種表示

それでは抹茶のオーガニック認証の基礎、そして各種表示について解説をしていきましょう。
抹茶の品質にもつながる大切な部分ですので、見逃すことなく各項目に目を通してみてください。
JASとUS/EU同等性
日本のオーガニック認証であるJAS(Japanese Agricultural Standard)有機認証は、抹茶を海外に輸出する際の信頼性を担保する最も重要な制度のひとつです。
JAS認証を取得した製品は、農薬・化学肥料・遺伝子組み換え資材を使用せず、3年以上有機管理された茶園で生産されます。
国際取引ではJASとUSDA Organic(米国)、およびEU Organic(欧州)の間に「同等性協定」が存在し、相互承認によって再認証を省略できるケースがあります。
ただし同等性は国単位で認められており、JAS→EU/USへの輸出は認められるが、逆方向では不可など条件付きです。
さらにラベル表示には「有機JASマーク」を日本国内で貼付する義務があり、海外販売用には輸入国の規定に沿ったロゴ併記が求められます。
つまり認証そのものよりもどの市場で販売するかに応じた認証体系の選択が、輸出戦略上の実務ポイントになります。
少しややこしい部分ですが、このあたりを把握しておくことが非常に大切ですので、制度について念入りにチェックをしておきましょう。
MRL・重金属・放射性物質検査
また抹茶の輸出入では、オーガニック認証だけでなく、MRL(残留農薬基準値)や重金属・放射性物質の検査が不可欠です。
MRLは各国が定める食品中の残留農薬の上限値で、輸出先によって規制値が異なります。
※特にEUは基準が厳しく、日本国内では検出限界未満でもEUでは基準超過となる事例もあります。
重金属ではカドミウム、鉛、ヒ素、水銀などが対象で、土壌条件や製造工程によって微量に含まれる場合があるため、定期的なロット検査が推奨されます。
※加えて2011年以降は放射性セシウム検査も輸出時の重要項目です。
これらの検査結果はCertificate of Analysis(COA)やTest Reportとして発行され、輸出書類に添付されるのが一般的です。
安全基準の遵守は、品質だけでなく輸出通関のスムーズさやブランド信頼性にも直結します。
抹茶を輸入する場合は輸出企業ほど数値を気にしないケースもありますが、それでも劣悪な品質の抹茶を掴まされないためにも大切なポイントには目を通すようにしましょう。
安全基準・COAの詳細
さらにCOA(Certificate of Analysis)についてですが、簡単に言えば抹茶ロットの品質と安全性を証明する公式分析書です。
これには一般的に理化学・微生物・残留農薬・重金属・放射性物質などの分析項目が記載されます。
たとえば水分含量(5%以下)、粒度(10µm前後)、色差(L*, a*, b*)、テアニン・カテキン含有量、総灰分などのデータが示され、これにより品質レベルを定量的に判断できます。
またオーガニック製品の場合は、有機認証番号・発行機関・ロット番号との紐付けが求められ、トレーサビリティの証拠として機能します。
※輸出時はCOAが現地の検疫・税関・バイヤー確認に必須となることが多く、不備があると通関が遅延するリスクもあるのです。
そのため出荷前に最新ロットの分析証明を整備し、英語版で発行できる体制を整えることが重要とされます。
逆に本格的に輸入をする際には安全基準についてはしっかりと確認をすることが大切!
COAは単なる添付資料ではなく、品質保証とリスク管理の要と言えるため、決して軽視してはいけない部分なのです。
HSコード:抹茶は0902.10か0902.20か
砂糖などを加えていない抹茶のHSコードは、第9類の0902(茶)です。0902.10と0902.20のどちらになるかは、品質やグレードではなく包装の単位で決まります。
【0902.10】発酵していない緑茶で、正味重量3kg以下の直接包装にしたもの。小売用の缶・袋・スティック、1kgの業務用袋など
【0902.20】その他の緑茶。3kgを超える包装や、直接包装していないバルク。原料取引の大袋はこちら
日本の輸出申告で使う輸出統計品目番号(9桁)には、抹茶を含む「粉末状のもの」の細分があります。粉末状の緑茶の輸出実態を把握するため、2019年1月1日から適用されました。
【0902.10-100】粉末状の緑茶(正味3kg以下の直接包装)
【0902.20-100】粉末状の緑茶(その他)
煎茶の葉など粉末でない緑茶は、末尾が900の番号になります。
6桁目まではHS条約で世界共通のため、輸入国でも0902.10と0902.20の意味は同じです。7桁目以降は国ごとに独自の細分があり、関税率はその細分で決まります。インボイスには6桁を基本に書き、相手国の細分は輸入者に確認してもらうのが確実です。
抹茶ラテの粉・加糖品は番号が変わる
砂糖や粉乳を混ぜた抹茶ラテのミックスは、0902ではなく第21類の対象になり得ます。2101.20は茶のエキス・濃縮物と「茶をもととした調製品」の号で、関税率表解説は茶・粉乳・砂糖から成る調製品をここに含めています。
一方で同じ解説は、本質的な構成成分によって18.06、19.01、21.06などに分類されるものもあるとしています。砂糖が主体の製品は、抹茶が入っていても茶の調製品として扱われない可能性があります。
分類が変わると関税も変わります。たとえば台湾では、純粋な抹茶粉は緑茶として17%ですが、砂糖や粉乳を混ぜた茶製品・即溶茶に分類されると27.5%になります(詳しくは台湾向け日本茶の残留農薬基準と輸出実務)。配合が決まった段階で、輸入者を通じて相手国の税関に分類を照会しておくと安全です。
原産地表示
日本産抹茶を輸出する場合、パッケージには「Product of Japan」や「Made in Japan」といった原産国の明確な表示が必要です。原料の一部を他国から仕入れた場合は、「Blended in Japan」などの補足表示が求められるケースもあります。
税関処理とラベル適正化
輸出入における税関処理では、書類不備や表示不適合によるトラブルが最も多く発生します。
特に抹茶は食品カテゴリーに属するため、輸入許可証・分析証明書・オーガニック認証書・成分表・製造工程図など複数の書類を求められるのです。
国によっては有機マークや栄養成分表示の形式、添加物の表現ルールも異なるため、現地規制に合わせたラベル適正化が不可欠!
たとえばEUでは「Organic」表記のフォントサイズやロゴ位置まで定められ、USDAでは有機含有率95%以上でなければOrganic表示ができません。
また税関での確認時に記載内容が一致しないと、貨物が一時留め置きされるリスクもあります。
これを防ぐには、輸出前に第三者機関または現地代理店によるパッケージ事前チェックを実施し、各国の食品表示法に準拠したラベル設計を行うことが重要!
税関処理とラベル適正化は輸入する側も輸出する側も、どちらにとっても非常に大切なポイントですので各項目の内容を把握したうえで目を通すことが大切なのです。
仕向地が変われば、MRLの基準値も対象農薬も変わります。自社の抹茶がどの国で通るかの当たり判定だけなら、30分の無料相談で確認できます。 → 無料相談で確認する
抹茶の輸出に必要な書類
抹茶の輸出書類は、どの国向けでも必要になる基本書類と、仕向地や売り方によって追加される書類に分かれます。
【インボイス(商業送り状)】品名・HSコード・数量・単価・原産国・輸出者と輸入者を記載する。品名は「Powdered green tea (Matcha)」のように内容が分かる書き方にする
【パッキングリスト】梱包ごとの内容・正味重量・総重量。0902.10か0902.20かを判断する材料にもなる
【COA(分析証明書)】ロットごとの品質と安全性の証明。項目は下記
【原産地証明書】関税を下げたい場合や、輸入国・バイヤーが求める場合
【有機の証明書類】有機として販売する場合
【放射性物質関連の証明】規制を続けている一部の国・地域向けのみ
【米国向け】FDAへの食品施設登録(製造・包装する施設)と、輸入時の事前通知(Prior Notice)
原産地証明は2種類ある
原産国そのものの証明を輸入国やバイヤーが求める場合は、各地の商工会議所が発給する非特恵の原産地証明書を使います。
EPAやRCEPの協定税率で関税を下げたい場合は、日本商工会議所が発給する特定原産地証明書、または協定が認める自己申告で原産性を示します。緑茶のMFN税率がもともと低い国もあるため、仕向地の税率を先に確認して要否を判断します。
COAで求められることが多い分析項目
【残留農薬】仕向地のMRLに対応した項目
【重金属】鉛・カドミウム・ヒ素など
【微生物】一般生菌数・大腸菌群・カビ・酵母など
【品質】水分・粒度・色差
【放射性物質】求められる仕向地・バイヤーの場合
何を測るかはバイヤーの規格書(スペック)で指定されることが多いため、見積もりの段階で規格書を取り寄せ、自社の検査項目と照合しておきます。残留農薬は国ごとの差がとくに大きく、台湾と米国・EUはそれぞれ別の記事で整理しています。
放射性物質の規制は一部の国・地域で続いている
原発事故の後、55の国・地域が日本産食品の輸入規制を導入し、その多くが撤廃しました。米国は2021年9月、EUは2023年8月、台湾は2025年11月21日に撤廃しています。
一方で、中国・韓国・香港・マカオなどは、一部の都県産を対象とした輸入停止などを続けています(対象範囲は国・地域で異なります)。中国は10都県(福島・栃木・群馬・茨城・千葉・宮城・長野・埼玉・新潟・東京)の食品を、新潟県産精米を除き輸入停止としています(中国への食品輸出ガイド)。規制は変わるため、出荷前に農林水産省・外務省の公表資料で最新状況を確認してください。
有機として売るなら輸出側の証明も要る
JAS有機とUSDA・EU有機の同等性は前半で整理したとおりです。EUへ有機として輸出する場合は、EUの電子システムTRACES上で発行される検査証明書(COI)が輸入時に必要になります。認証機関の手続きを含めて時間がかかるため、出荷日から逆算して準備します。
米国・EUの有機要件は日本茶の米国・EU輸出、ASEANで売れる茶種や形態はASEANの日本茶市場データで詳しく扱っています。
抹茶の航空・海上輸送の使い分けと品質リスク

品質リスクにもつながる大切な要素ですので、決して軽視することなく適切な方法を選んでいきましょう。
航空便:スピード重視と品質保持に優れるが高コスト
抹茶は光・熱・湿気・酸素に非常に敏感な素材であるため、輸送中の品質劣化を防ぐにはスピードが命です。
その点で航空便は輸送時間が短く、製造から納品までのリードタイムを最小化できる大きなメリットがあります。
特に色味(鮮緑)と香気を維持したいプレミアムグレードの抹茶や、サンプル出荷・新商品の初回ロットなど、鮮度重視の用途では航空輸送が推奨されます。
※温度変化の影響を抑えるため、冷蔵・保冷仕様のULD(貨物コンテナ)を利用するケースも増えています。
一方でデメリットはコスト面であり、海上輸送に比べて単価が2~4倍に達することが多く、重量貨物や長期契約には不向きです。
また通関時の書類不備があると空港保管費が発生するため、事前に輸入許可・インボイス・COAなどを正確に整えておく必要があります。
航空便は品質リスクを最小化するための保険的輸送手段として位置づけるのが現実的であり、用途次第で選択肢に加えるかを検討するのが良いでしょう。
海上輸送:コスト効率に優れるが温湿度リスクに注意
抹茶の大量ロットや長期契約での取引の際には、海上輸送(コンテナ便)が一般的です。
航空便に比べて輸送コストが大幅に抑えられるため、業務用・製造用の抹茶を安定的に調達する際に適しています。
ただし輸送期間は日本から欧米向けで約3~6週間と長く、ここに品質劣化リスクが潜みます。
抹茶は光・湿気・酸素による酸化退色や香気損失が生じやすいため、必ず遮光アルミ袋+窒素充填+脱酸素剤による三重包装が推奨されます。
また夏季航路ではコンテナ内温度が60℃を超えることもあり、リーファーコンテナ(冷蔵輸送)を選択する企業も増加傾向にあります。
さらに船便は港湾混雑や天候による遅延が発生しやすいため、納期に余裕を持ったスケジュール設計が不可欠です。
だからこそコスト重視の海上輸送を選択する場合も、品質保持条件を事前契約に明記することが信頼性の高いサプライチェーン構築の鍵となると覚えておきましょう。
常温で送れるか、クーリエでサンプルを送るときの注意
抹茶の常温輸送は禁止されていません。問題になるのは温度と日数の組み合わせです。窒素充填・遮光の密封包装であれば、数日で届く航空便やクーリエは常温で送るのが現実的な選択肢です。
注意すべきは夏季の海上輸送と到着後の保管です。前述のとおりコンテナ内は60℃を超えることがあり、25℃を超えると酸化が進みやすくなります。数週間かかる海上輸送ではリーファーコンテナを、到着後は冷暗所での保管をバイヤーと取り決めておきます。
DHLやFedExなどのクーリエでサンプルを送る場合も、食品としての輸出入手続きは省略できません。
【インボイス】無償サンプルでも品名・HSコード・数量・申告価額・原産国を記載する。「No Commercial Value」と書いても価額の記載は必要
【品名】「Matcha」だけでなく「Powdered green tea (Matcha)」のように、税関が内容を判断できる書き方にする
【受取国の手続き】米国向けはサンプルでもFDAへの事前通知(Prior Notice)が必要。ほかの国でも食品輸入の届出が求められる場合があるため、受取人に事前確認する
【運送会社の条件】食品の取り扱い条件は運送会社と仕向地ごとに異なるため、発送前に確認する
インコタームズと貨物保険について:リスク分担と損害回避の要
抹茶の国際取引では、輸送条件を定めるインコタームズ(Incoterms)の理解が不可欠です。
たとえばFOB(本船渡し)では輸出港での積み込み後は買主側がリスクを負担し、CIF(運賃・保険料込み)では売主が保険手配まで担います。
このようにどこでリスクと費用が移転するのかを明確にしておくことがトラブル回避の基本です。
抹茶のように品質変化が起こりやすい製品では、温度・湿度・破損・酸化などの影響をカバーするため、貨物保険(Marine Cargo Insurance)の加入が強く推奨されます。
特に航空便では高額貨物が多いため、オールリスク型の保険が安心です。
ちなみに保険請求時には梱包状態の写真・輸送温度記録・品質検査証明書(COA)などの提出が求められることが多いため、出荷時点での証拠保全を徹底することが重要です。
意外と軽視する人も多いのですが、インコタームズと保険の組み合わせを正しく理解することで、品質・納期・コストの3要素をバランスよく管理できます。
抹茶の輸出入でビジネスを展開する際には、このあたりの仕組みについても覚えておくのが良いでしょう。
抹茶輸出での品質維持条件

様々な条件で抹茶の品質は劣化してしまうため、各内容について把握したうえで輸出計画を練るようにしましょう。
遮光:光酸化を防ぐための最重要管理項目
ご存じの方もいるかもしれませんが、抹茶は非常に光に敏感な原料です
茶葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)やテアニン、ビタミン類は光にさらされることで急速に酸化し、鮮やかな緑色が褪せて黄味がかった色調へと変化します。
さらに光酸化は風味にも影響を及ぼし、特有の青香や旨味成分を損ないます。
そのため輸送・保管時には遮光性の高いアルミ蒸着袋や多層フィルム包装の使用が基本となります。
※倉庫でも蛍光灯や直射日光の影響を避け、暗所での保管が推奨されています。
出荷段階では外装段ボールにも「Keep in Dark」「Avoid Sunlight」といった注意表示を記載することで、第三者輸送中のトラブルを防ぐことが可能。
特に高級グレードやストレート飲用向けの抹茶では、遮光性がそのまま品質保持期間(Shelf life)を左右する要因となります。
抹茶の品質劣化を防ぐためにも遮光対策を丁寧に行うことが大切だと覚えておいてください。
防湿:水分吸収による風味劣化と固結を防ぐ
次に抹茶輸出時の品質保持条件として防湿が挙げられます。
抹茶は吸湿性が非常に高い粉末素材で、わずか1~2%の湿度上昇でも風味・色調に変化が生じるほどデリケートです。
※具体的には空気中の水分を吸収すると、粒子が結合してダマになり、溶解性が低下してしまいます。
さらに微生物やカビの繁殖リスクも高まるため、輸送・保管では防湿性能に優れた包装材と密封管理が必須です。
※一例を挙げるならばアルミ三方袋+乾燥剤+脱酸素剤の三点セットが最も一般的な構成だと言えるでしょう。
保管場所も相対湿度60%以下を維持することが望ましく、海上輸送時には湿度センサー付きデータロガーを活用して環境モニタリングを行うケースもあります。
そして開封後は特に吸湿が早いため、小分け包装や再封用チャック付きパッケージを採用すると効果的です。
抹茶は水と光に弱い粉末であることを前提に、防湿=品質維持の基礎技術として徹底した管理が必要なのです。
もちろん活用する用途によってどこまで防湿対策を行うかはそれぞれですが、いずれの場合でもある程度の防湿対策は行うべきだと言えるでしょう。
低温:酸化速度と香気保持を左右する温度管理
また抹茶輸出時の品質保持条件として低温も見逃せないポイントです。
抹茶の劣化は温度にも強く影響され、クロロフィルやアミノ酸類は25℃を超えると酸化反応が加速し、香気や色味が急激に劣化します。
そのため最適な保管温度は5~10℃程度が目安です。。
輸送時もリーファーコンテナ(冷蔵輸送)や温度管理付き航空貨物を利用することで、鮮度を長期間維持できます。
ちなみに低温環境では微生物の繁殖も抑制され、酸化臭(いわゆる「古抹茶臭」)の発生を防ぐ効果があります。
ただし冷蔵・冷凍状態から常温に戻す際は結露対策が必要です。
急激な温度差によって袋内部に水分が生じ、逆に風味劣化を招くおそれがあるため、開封前には常温で数時間の「馴染ませ」を行うのが理想です。
輸出入業務では冷蔵倉庫と常温倉庫の切り替えタイミングを明確にして、温度管理をロット単位でトレースできる体制を整えることが重要!
抹茶の品質を落とさぬためにも温度管理にも気を配ることが大切なのです。
窒素充填:酸化を防ぐための最先端保存技術
最後に品質を保持するための窒素充填についても触れていきます。
抹茶の酸化を最も効果的に防ぐ方法が、窒素充填(Nitrogen Flushing)です。
これは窒素ガスを袋内に注入し酸素濃度を1%以下に抑えることで、酸化反応をほぼ停止させることができます。
これにより抹茶の鮮やかな緑色と新鮮な香りを長期間維持することが可能になります。
特に海上輸送や長期在庫を想定したロットでは、この処理が品質保証の前提条件といえます。
さらに脱酸素剤と併用することで効果が安定し、酸化臭や色褪せを防止できるのです。
窒素充填には連続ガス置換方式と真空置換方式があり、用途や包装形態によって最適な方法を選択するのがベスト!
外観的にはわずかな差ですが、内容物の安定性には大きな違いが生じます。
輸入業者側は納品時に窒素封入ロット証明や包装仕様書を確認することが望ましく、これが長距離輸送に耐えうる品質の可視的保証になります。
窒素充填は単なる保存手段ではなく、国際品質の標準仕様と言えるため軽視せずに窒素充填での酸化防止も意識することが大切なのです。
遮光・防湿・低温・窒素充填まで、自社だけで管理体制を組むのは負担の大きい領域です。輸送・保管条件の設計段階から相談できます。 → 無料相談で確認する
抹茶の輸出入で知っておくべき注意点

万が一のトラブル時にも対応できるように、そしてリスクを回避するためにも各項目に目を通しておきましょう。
受付審査:品質・書類・表示の三段階チェックが鍵
最初の注意点として、バイヤー側で行われる受付審査(インバウンド・インスペクション)について触れていきましょう。
これは輸入許可を得た製品が契約内容・品質基準・法令要件に適合しているかを確認するプロセスであり、審査の基本は「書類・外観・品質」の三段階です。
まずインボイス・パッキングリスト・原産地証明・COA(分析証明書)・オーガニック認証書などの書類を照合し、ロット番号や有効期限の一致を確認します。
次に入荷時点での外観チェックとして、外装の破損、湿気、変色、異臭などがないかを目視で検査します。
そして最も重要なのが品質検査であり、サンプルを抜き取り、色差・水分・粒度・香気・溶解性などをテストして、輸送中の劣化がないかを評価します。
※輸入抹茶は湿度・温度・光に敏感なため、保管環境データ(温度ロガー記録)も併せて確認すると確実です。
これらのチェックを体系化した「受入検査シート」を用意しておけば、初回取引でもリスクを最小化できる実務管理が可能になります。
三段階チェックで抹茶取引のトラブルやリスクを回避していきましょう。
クレーム対応フロー:初動・原因究明・再発防止の3ステップ
次にクレーム対応フローですが、輸入抹茶において不具合や品質トラブルが発生した場合、迅速かつ記録性のあるクレーム対応フローを確立しておくことが重要です。
まず初動対応ですが、問題を発見した時点でロット番号・開封日時・保管環境などを記録し、写真・動画で証拠を残すことが大切です。
次に原因究明として、仕入先・輸送業者・通関倉庫など、サプライチェーン全体のどこで問題が発生したかを特定します。
※温度変化による酸化や湿度上昇、包装破損など、抹茶特有の劣化要因を考慮することが不可欠です。
その上でサプライヤーへの正式なクレーム報告書(Claim Report)を英語で提出し、COA再発行・代替品対応・返金調整などを交渉します。
最終段階は再発防止策の共有であり、輸送条件の見直して防湿材の追加、品質確認項目の強化など、改善点を明文化して社内マニュアルへ反映します。
このようにクレームは単なるトラブルではなく、品質保証体制を進化させるための重要データでもあるのです!
迅速・客観・記録重視の対応が、信頼できる取引パートナーシップを築く鍵となるため、万が一のトラブル時には適切な対応をしていくことが大切なのです。
抹茶の初回取引までの簡易タイムライン

※「期間」「主な作業」「チェックポイント」の順でまとめています。
・3か月前…サプライヤー選定・見積取得(原産地証明・オーガニック認証の有無確認)
・2か月前…契約・支払い条件確定(インコタームズ・保険範囲を明記)
・1か月前…輸送・検査手配(COA・MSDS・輸出検査報告書準備)
・輸送中…品質維持モニタリング(温湿度ログ・貨物追跡)
・到着後…受入検査・保管(外観・色差・香気・ラベル確認)
・販売前…表示・再包装確認(法規・ラベル・賞味期限表記を最終確認)
これらは少し面倒に感じてしまうかもしれませんが、慣れてしまえば一連の流れもスムーズになりますし、いずれもトラブル防止やリスク回避のために非常に役立つ工程なのです。
抹茶の輸出入をビジネスに活かしていくならば、これらの工程を軽視せずに一つずつ進めていくことが大切だと覚えておきましょう。
抹茶輸出のよくある質問
抹茶のHSコードは何番ですか?
砂糖などを加えていない抹茶は0902(茶)です。正味3kg以下の直接包装なら0902.10、3kgを超える包装やバルクなら0902.20になります。日本の輸出統計品目番号では粉末状の緑茶が細分されており、0902.10-100または0902.20-100を使います。7桁目以降は輸入国ごとに異なるため、相手国の番号は輸入者に確認します。
抹茶ラテの粉(砂糖・粉乳入り)も0902ですか?
いいえ。茶・粉乳・砂糖から成る調製品は2101.20(茶をもととした調製品)に分類され得ます。砂糖などが本質的な成分とみなされると21.06など別の項になることもあります。分類で関税が変わる国もあり、台湾では純粋な抹茶粉が17%、砂糖や粉乳を混ぜた茶製品は27.5%です。配合が決まったら相手国税関への事前照会を勧めます。
抹茶は常温で輸出できますか?
できます。窒素充填・遮光の密封包装を前提に、数日で届く航空便やクーリエは常温で送れます。注意が必要なのは夏季の海上輸送で、コンテナ内が60℃を超えることがあるため、数週間かかる場合はリーファーコンテナを検討します。到着後の冷暗所保管もバイヤーと取り決めておきます。
抹茶の輸出に原産地証明は必要ですか?
求められるかどうかは輸入国とバイヤー次第です。原産国の証明が求められる場合は、各地の商工会議所が発給する非特恵の原産地証明書を使います。EPAやRCEPの協定税率で関税を下げたい場合は、日本商工会議所が発給する特定原産地証明書、または協定が認める自己申告で原産性を示します。
DHLなどのクーリエで抹茶のサンプルを送るときの注意点は?
無償サンプルでもインボイスに品名・HSコード・数量・申告価額・原産国を記載します。品名はPowdered green tea (Matcha)のように内容が分かる書き方にします。米国向けはサンプルでもFDAへの事前通知が必要です。食品の取り扱い条件は運送会社と仕向地で異なるため、発送前に受取人と運送会社に確認します。
EUに抹茶を輸出するには有機でなければいけませんか?
有機でなくても輸出はできます。条件はEUの残留農薬基準(MRL)への適合です。ただし市場の実態としては有機が主流で、EU・英国向け輸出茶の75.3%が有機栽培茶です。有機として販売する場合は、EUの電子システムTRACESで発行される検査証明書(COI)が輸入時に必要になります。
抹茶の輸出入で大切なポイントを把握してリスクを排除する

本記事では、抹茶の輸出で確認すべき項目として、オーガニック認証とMRL、HSコード(0902.10と0902.20の区別、加糖品の扱い)、輸出書類、輸送と品質保持の条件を整理しました。
抹茶の輸出入は単なる売買業務ではなく、品質保証と法令順守のマネジメント業務など大切な要素が数多く存在します。
※輸出者・輸入者・物流業者・品質管理部門の連携体制を整えることも大切なポイントと言えるでしょう。
特にビジネスで抹茶を活用する場合は、各種大切なポイントをしっかりと網羅したうえで動くことが大切です。
そうすることで安定した品質と法的適合を両立する輸出入体制を構築することができ、今後のビジネスもスムーズに動かすことができるのですから。
もし抹茶を活かすビジネスでお悩みの方は、ぜひ弊社まで気軽に相談ください。
商談や交渉対応、市場調査やマーケティングなども含め、様々な部分で日本企業の支援・サポートを行っています。
グローバル市場で信頼される抹茶製品・サービスを育てる第一歩は、正確で丁寧な輸出入管理から始まります。
安定した品質の抹茶を安心安全に輸出入してビジネスに活かすためにも、当ページの内容を参考にトラブルやリスクの少ない方法を選択しつつ、そして不安がある方は気軽に弊社までご相談ください。
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抹茶の輸出先を実際に開拓する段階なら
MRL・HSコード・輸送保管の要件は本記事で整理したとおりですが、実際の輸出は「どの国の、どのバイヤーに、どのグレードを、いくらで」が決まってから動き出します。Link Globalは累計100社・10カ国以上の支援実績をもとに、代理店リストアップから商談・契約まで伴走します。
仕向地別のMRL適合判定と、有機認証の要否
グレード別に狙うべきチャネル(業務用/小売/D2C)
代理店候補の実務能力の見極め方
支援内容と進め方を先に確認したい方は 海外販路開拓支援サービスの詳細 をご覧ください。




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