Meet Taipeiで商談は取れるか|出展方法・視察・2026年開催情報
台湾のスタートアップイベント「Meet Taipei(台北創新創業嘉年華)」は、2026年は11月19日(木)〜21日(土)の3日間、台北の圓山花博園區で開かれます。毎年5万人を超える来場者が集まり、日本からも自治体のパビリオンやスタートアップの出展が続いています。
一方で、台湾の企業に製品やサービスを売りたい日本企業にとって、出展すればそのまま商談が生まれる場とは限りません。主催者が用意する1対1のマッチングは投資家や企業系VCとの面談が中心で、来場者の多くは一般の来場者や学生、ほかの出展者だからです。
この記事では、主催者の公式発表をもとにMeet Taipeiの基本情報と規模の推移を整理します。そのうえで、台湾企業との商談を目的に参加する場合の参加ルート、2027年の出展に向けた逆算スケジュール、事前アポの取り方を解説します。
本記事のデータについて:会期・会場・出展方法は、主催者の公式サイト(meettaipei.tw)と、主催者が運営するメディア「創業小聚」「數位時代」の記事(2023年12月〜2026年11月)をもとにしています。来場者数・出展数はすべて主催者の発表で、第三者の監査を経た数値ではありません。2026年の数値は開催前に主催者が示した見込みで、実績ではありません。閉幕後に実績が公表されたら本記事を更新します。補助金の情報は2026年11月5日時点で確認したものです。
結論:2026年のMeet Taipeiをどう使うか
2026年は11月19日〜21日に開催(本記事の公開時点では開催前)。来場は無料・事前登録制
2026年の出展申込は10月2日に締め切り済み。今年は視察に使い、出展は2027年版で検討する(2026年は8月に募集開始・8月31日に早割締切)
主催は民間メディアの數位時代(Business Next)とMeet創業小聚。政府主催のイベントではない
海外スタートアップ向けに、国際館の無料出展枠がある(審査あり)
公式マッチングは投資家・企業系VC向けが中心。台湾の販売先や代理店と会いたいなら、会期前に自社でアポを入れる必要がある
Meet Taipeiとは|基本情報
Meet Taipeiは、台湾のスタートアップ、大企業、投資家、行政機関が一堂に集まるイベントです。中国語の正式名称は「Meet Taipei 創新創業嘉年華」、英語名は「Meet Taipei Startup Festival」で、公式サイトの日本語ページでは「Meet Taipei スタートアップ・エキスポ」と表記されています。
第1回は2014年で、当時は「Meet Taipei創新創業展」という名称でした。その後「嘉年華(カーニバル)」に改称し、2026年で13回目の開催になります。主催者は「アジア最大のスタートアップ・フェスティバル」と称していますが、これは主催者自身の表現で、第三者が比較した結果ではありません。

Meet Taipei 2026の公式キービジュアル。テーマは「Founders of Tomorrow: Shaping the AI Age」。出典:Meet Taipei公式サイト(主催:數位時代・Meet創業小聚)
主催は民間メディア。政府は出展・協力の立場
主催は、台湾のビジネスメディア「數位時代(Business Next)」と、そのスタートアップコミュニティ「Meet創業小聚」です。運営法人は巨思文化股份有限公司(Business Next Media Corp.)で、来場登録ページでも主催者はこの会社になっています。
日本語の解説では「政府系イベント」と紹介されることがありますが、正確ではありません。台湾の中央省庁(經濟部中小及新創企業署、數位產業署、智慧財產局、教育部)や地方の6県市は、それぞれ専用の館を出す出展者として参加しています。会場には、学生向けのエリア「Young Spark」も設けられます。
この違いは実務上も意味があります。出展の申込先、審査、料金の決定はすべて主催者が行うため、問い合わせ先は行政機関ではなく主催者の窓口(meettaipei@bnext.com.tw)です。
出典:Meet Taipei公式サイト(2014年版・2026年版)、Event Go来場登録ページ(2026年版)、創業小聚「2026 Meet Taipei」関連記事(2026年11月4日)
2026年の開催概要
会期:2026年11月19日(木)〜21日(土)の3日間
会場:臺北圓山花博園區 爭艷館(EXPO Dome)と爭艷廣場(台北市中山區玉門街1號)
アクセス:MRT淡水信義線「圓山」駅の1番出口
時間:09:00〜18:00(最終入場17:00)。直前に公式サイトで確認を
入場:無料・事前登録制
テーマ:Founders of Tomorrow: Shaping the AI Age

Meet Taipei 2026の開催概要。主催は民間メディアで、行政機関は出展者として参加する。出典:Meet Taipei公式サイト(2026年版)をもとにLink Global作成
会場は毎年同じではありません。2023年は南港展覧館2館で開かれ、2024年から花博の爭艷館に戻っています。古い記事の会場情報をそのまま使わないよう注意してください。
出典:Meet Taipei公式サイト(中国語・日本語・英語ページ、2026年版)、臺北市會展產業發展基金會の会場告知ページ
2026年の7つの展示エリア
2026年は、展示エリアが次の7つのテーマに整理されました。
行銷與零售科技:マーケティング・リテールテック
企業營運效率:人事・財務・法務・セキュリティなどの業務効率化
醫療與健康科技:医療・ヘルステック
綠色永續:脱炭素・ESG・サステナブルな供給網
數位資產與新金融:デジタル資産・フィンテック
智慧製造與軟硬整合:スマート製造、ハードとソフトの統合
AI基礎建設:AIインフラ
主催者によると、出展数は前年と比べてマーケティング・リテールテックが約9割、業務効率化が6.5割以上増えています。中心はソフトウェアやAIを使った法人向けサービスで、食品や工芸品などの消費財を並べて見せる場ではない点を押さえておく必要があります。
出典:數位時代「2026 Meet Taipei徵展開跑」(2026年8月11日)、創業小聚(2026年11月4日)
規模の推移|実績と見込みを分けて読む
Meet Taipeiの規模は、主催者が閉幕から数日以内に発表する数値でつかめます。以下は年ごとの主催者発表です。2026年だけは開催前の見込みである点に注意してください。
2023年(実績):会場は南港展覧館2館。来場者5万人超、スタートアップ400社超・企業30社、海外は約100社
2024年(実績):来場者5.5万人超、スタートアップ460社・企業31社、海外106社(18カ国・全体の約25%)、1対1マッチング376件、ピッチ205件
2025年(実績):来場者55,532人、出展433社、海外105社(20カ国)、1対1マッチング536件、ピッチ202件
2026年(開催前の見込み):出展550社超、海外140社超(23カ国)

規模の推移。2023〜2025年は主催者発表の実績、2026年は開催前の見込み。出典:創業小聚の閉幕報告(2023〜2025年)、創業小聚(2026年11月4日)をもとにLink Global作成
来場者数は3年続けて5万人台です。伸びているのは海外からの出展とマッチングの件数で、1対1マッチングは2024年の376件から2025年は536件に増えました。
2026年の海外出展数について、主催者の同じ記事の中に「140社超」と「約150社」の2つの表記があります。本記事では小さいほうの「140社超」を採りました。また、2025年は開催前の発表ではスタートアップ413組・19カ国でしたが、閉幕後の発表では出展433社・20カ国でした。開催前の数字は確定値ではありません。
なお、2022年は主催者発表で約7.2万人が来場しています。一方、2019年の日本語記事にある「のべ7万人」は開催前の見込みの数字です。年によって会場も発表の時点も違うため、規模を比べるときは閉幕後の主催者発表どうしで比べてください。
出典:創業小聚の閉幕報告(2023年12月5日、2024年11月26日、2025年11月25日)、創業小聚(2026年10月21日・11月4日)、臺北市會展產業發展基金會(2025年開催前の告知)
Meet Taipeiで「商談」と呼ばれているもの
主催者は、Meet Taipeiの価値として商談やマッチングを前面に出しています。ただ、その中身は、日本企業が想像する「バイヤーとの商談」とは少し違います。
公式マッチングは投資家・企業系VCが中心
主催者が用意している主なマッチングの仕組みは2つです。1つは投資家とスタートアップの1対1面談会で、2025年はベンチャーキャピタルと企業系VCあわせて約20社が参加しました。もう1つは「企業創投會客室(CVC会客室)」で、2025年は企業系VC19社と出展スタートアップ52社が個別に面談しています。
主催者は、こうした非公開の場で潜在的な投資家や企業の調達担当者と同じテーブルにつけると説明しています。とはいえ、参加しているのは投資家と企業系VCが中心です。資金調達や、大企業との実証実験(PoC)の相手を探すスタートアップには合っていますが、製品を仕入れてくれる小売・卸・代理店を探すための仕組みにはなっていません。

主催者のマッチングで会える相手と、自社でアポを取る必要がある相手。数値は2025年の実績。出典:創業小聚(2026年8月11日)をもとにLink Global作成
国際館は海外の出展者どうしが出会う場でもある
2025年の国際館には20カ国から100組を超える海外のスタートアップとアクセラレーターが集まり、主催者は日本・香港・カナダ・韓国のチームが特に活発だったとしています。2026年は熊本市・福岡・京都・仙台の日本の自治体が館を出すほか、タイのデジタル経済振興庁(depa)、チェコ投資局、釜山の技術創業投資院(BSIA)も館を構えます。
国際館の来場者には、台湾企業だけでなく海外の出展者や支援機関も多く含まれます。海外の支援機関やアクセラレーターとつながるには効率のよい場ですが、台湾の販売先と会えるかどうかは別の問題です。
出典:創業小聚「5.5萬人次觀展、536組商機媒合!2026 Meet Taipei正式開始徵展」(2026年8月11日)、創業小聚(2026年11月4日)
Meet Taipeiが合う企業・合わない企業
ここまでの内容をふまえると、Meet Taipeiへの出展が目的に合いやすいのは、次のような企業です。
合いやすい:ソフトウェア、AI、ヘルスケア、脱炭素などの分野で、台湾の投資家や大企業との接点を作りたいスタートアップ
合いやすい:台湾のスタートアップと協業(相互販売、共同開発、互いの市場への進出)の相手を探したいスタートアップ
合いやすい:台湾の大企業と実証実験(PoC)や共同開発を進めたい企業
合いやすい:自治体のパビリオンに参加でき、出展費の負担を抑えられる企業
別の場を先に検討したい:食品・酒類・工芸品・家具などを台湾の小売や代理店に売りたい企業。食品ならFOOD TAIPEI、工芸・雑貨なら台湾文博会やDG Taiwanなど、バイヤーが仕入れを目的に来る展示会のほうが商談相手に会いやすい
別の場を先に検討したい:ハードウェアや部品を台湾のメーカーに売りたい企業。InnoVEXやCOMPUTEXのほうが業界関係者が多い
Meet Taipeiに出るかどうかは、会いたい相手がその場に来るかどうかで決めるのが基本です。会いたい相手がはっきりしているなら、展示会には出ずに、個別の訪問や現地での商談会で会うという選択肢もあります。
台湾企業へ売りたい企業が、出展だけで商談を取れない理由
ここからは、Link Globalが台湾の展示会や商談会の支援で見てきた実務上の傾向です。統計にもとづく結論ではないので、判断材料として読んでください。
理由1:来場者の大半は商談相手ではない
Meet Taipeiは一般来場が無料で、学生向けのエリアもあります。3日間で5万人を超える人が来ますが、多くは情報収集や見学が目的です。ブースで声をかけてくれる人を待つだけでは、台湾企業の担当者に何人会えるかは読めません。
理由2:公式マッチングの相手は販売先ではない
前の章で見たとおり、公式の1対1面談は投資家・企業系VCが中心です。台湾の小売チェーン、代理店、卸、ホテル、設計事務所といった販売先と会いたい場合は、主催者の仕組みに乗るだけでは届きません。
理由3:会期中に初対面の決裁者とは会いにくい
台湾企業の決裁者や購買担当者は、会期前に会う相手と時間を決めていることが多く、当日ふらりとブースに来て商談に入るケースは多くありません。会期は3日しかないため、事前に予定を押さえた出展者から順に時間が埋まっていきます。
この3つは、海外展示会で商談がゼロに終わる企業に共通する点でもあります。詳しくは「海外展示会で商談ゼロになる日本企業の共通点5つ」で解説しています。
日本企業がMeet Taipeiに参加する3つのルート
日本企業がMeet Taipeiに出展するルートは大きく3つあります。どのルートでも、台湾企業との商談を取るための準備は別に必要です。

参加ルート3つ。同じ企業が大会のスタートアップエリアと自治体の館の両方に出ることはできない。出典:Meet Taipei公式サイト 出展方案ページ(2026年版)、福岡市・仙台市の公表資料をもとにLink Global作成
ルート1:国際館に自社で申し込む
海外のスタートアップは、主催者のオンラインコミュニティ「Meet Online」に登録し、企業ページの管理者として申し込みます。審査(約1週間)を通過すると、出展料と保証金を支払い、デジタルの出展マニュアルに沿って資料を提出する流れです。保証金は撤収時に返されます。
海外スタートアップ向けには、「新創標準方案‐國際館」という無料の出展枠があります。対象は、設立10年以内で会社登記を済ませ、独自の技術または実際に動いている新しいビジネスモデルを持つ企業です。そのうえで、「外国籍の創業者で海外に本社がある」「外国籍の創業者で台湾に法人を設立している」「台湾籍の創業者で海外に本社がある」のいずれかに当てはまることが条件です。有料のプランに切り替えることもできます。
2026年は8月10〜11日に募集開始が告知され、早割は8月31日、申込は10月2日に締め切られました。ブースの位置を選べるのは早割期間中に申し込んだ企業だけで、それ以外の企業は展示前の説明会で申込順に抽選されます。2026年の出展料金表は公式サイトのHTMLページに載っていないため、本記事では金額を掲載していません。申込時に主催者の募集要項で最新の金額を確認してください。
渡航費・輸送費・資料の翻訳費など、出展料以外にかかる費用の組み立て方は「海外展示会の出展費用はこう作る」でまとめています。
ルート2:自治体のパビリオンから出る
日本の自治体が館を出し、地元の企業を公募して一緒に出展する形です。福岡市は2024年と2025年にブースを出し、2025年は、市内に拠点がある(または今後の設立を検討している)こと、英語でPRできることなどを条件に4社程度を募集しました。仙台市は2025年、市のパビリオンで3社の出展を支援しています。2026年は熊本市・福岡・京都・仙台が館を出しています。
自治体の公募は、過去の例では夏の前後に出ています。地元自治体のスタートアップ支援や海外展開支援の窓口に、翌年の出展予定を早めに問い合わせておくとよいでしょう。なお、同じ企業が大会のスタートアップエリアと、自治体などの専用館の両方に出ることは、主催者の規定で禁止されています。どちらか一方を選ぶ必要があります。
ルート3:アクセラレーターや支援会社を通じて出る
アクセラレーター、インキュベーター、民間の支援会社が取りまとめて出展する方法もあります。2025年にはCIC Japanが入居企業と一緒に出展しました。取りまとめ役によって、ブースの運営だけを担うのか、台湾企業とのアポまで用意するのかが大きく違うため、依頼する前に支援の範囲を確認してください。
出典:Meet Taipei公式サイト 出展方案ページ(2026年版)、福岡市「Meet Taipei 2025 出展企業募集」(2025年7月30日更新)・「Meet Taipei 2024」報告(2025年1月6日)、仙台市「スタートアップシティ・グローバルチャレンジ・プログラム」、CIC Japan(2025年)
2027年に出展して商談を取るための逆算スケジュール
2027年のMeet Taipeiに出展し、台湾企業と商談したい場合のスケジュール例です。2027年の日程はまだ発表されていないため、2026年と同じ周期(8月に募集開始、8月末に早割締切、10月初めに申込締切、11月下旬に開催)を前提にしています。
2027年2〜4月:参加の目的を決める(資金調達か、PoCの相手探しか、販売先・代理店探しか)。補助金を使うなら公募の時期を確認
5〜6月:会いたい台湾企業の類型を決め、候補をリストアップする。6月のInnoVEXを視察すれば下見の機会にもなる
7月:自治体の公募を確認する。自社で申し込むなら、繁体字中国語の会社紹介と製品資料の準備を始める
8月:出展を申し込む。ブースの位置を選びたいなら早割期間中に
9〜10月:候補企業にアポを打診する。会期中の面談枠と、会期前後の訪問枠を押さえる
11月:会期。ブースでの対応と、予約済みの商談を並行して進める
12月以降:商談相手ごとにフォロー。見積、サンプル、取引条件を提示する

2027年出展に向けた逆算スケジュールの例。2027年の日程は未発表のため、2026年と同じ周期を前提にしている。出典:Meet Taipei公式サイト・數位時代(2026年の募集実績)をもとにLink Global作成
ポイントは、出展の申込とアポ取りを別の作業として並行させることです。申込は主催者とのやりとりで済みますが、アポは自社から台湾企業に連絡しない限り1件も入りません。
事前アポの取り方|相手の決め方から会期後のフォローまで
台湾企業との事前アポは、次の順番で進めます。
1. 会う目的と相手の類型を決める
同じ「台湾企業」でも、代理店、小売チェーン、EC事業者、ホテル、設計事務所では、見るポイントも決裁の流れも違います。何を決めるための商談なのか(取扱いの可否、テスト販売、共同開発など)を先に決めると、会うべき相手の類型も絞れます。
相手の類型ごとに、商談で見られやすいポイントと準備するものの目安をまとめます。組織や決裁の流れは会社によって違うため、初回商談の準備の目安として使ってください。
【代理店・輸入商】見るポイント:台湾での独占権の範囲、輸入や登録の手続きを誰が担うか、粗利が残る価格か。決めるのは:オーナーや経営層が直接判断することが多い。初回に持参するもの:輸出価格表、最低ロット、独占・非独占の考え方、台湾での販売実績や引き合いの有無
【小売チェーン・百貨店】見るポイント:売場での回転、販促の負担、納品条件。決めるのは:カテゴリー担当のバイヤーが窓口になり、導入は社内の会議を経ることが多い。初回に持参するもの:想定小売価格、販促物、催事やテスト販売の提案
【EC事業者】見るポイント:商品ページを作れる素材があるか、配送とカスタマーサービスの分担、在庫を誰が持つか。決めるのは:EC部門の担当者。初回に持参するもの:商品画像と説明文の素材、繁体字の商品情報、価格と在庫の条件
【ホテル・レストラン】見るポイント:品質が安定しているか、少量でも継続して納品できるか、商品の背景にある物語。決めるのは:料理長や購買部門、ブランドを統括する部署。初回に持参するもの:サンプル、少量・継続納品の条件、使用事例
【設計事務所・内装会社】見るポイント:カスタム対応、納期、施工現場での扱いやすさ、仕様書の有無。決めるのは:プロジェクトごとに設計担当が選び、施主が承認する流れが多い。初回に持参するもの:仕様書、事例写真、カスタム対応の範囲とリードタイム

モノを売る企業が会う相手の類型ごとの準備の目安。組織や決裁の流れは会社によって異なる。出典:株式会社Link Global(支援実務にもとづく整理)
1回の訪台で会う相手は、2〜3類型に絞るほうが準備が深くなります。類型ごとに資料と条件を変える必要があるためです。
スタートアップの場合は、会う相手の顔ぶれが変わります。以下は一般的な目安で、Link Globalの支援実績にもとづく整理ではありません。
【台湾のスタートアップ】見るポイント:技術や顧客層が補い合えるか、互いの市場(台湾と日本)への進出に役立つか、相互販売や共同開発の条件。決めるのは:創業者・CEOが直接判断することが多い。初回に持参するもの:自社の顧客層と強み、協業の形の案(相互販売・システム連携・共同提案など)、日本市場の情報
【VC・企業系VC(CVC)】見るポイント:市場規模、チーム、台湾・アジアでの展開計画、資本政策。決めるのは:担当者やパートナーが面談し、投資委員会などで決める。初回に持参するもの:英語のピッチ資料、実績の数値、資金調達の条件
【大企業の新規事業・オープンイノベーション部門】見るポイント:自社の課題に効くか、PoCの進め方、セキュリティや契約の条件。決めるのは:事業部門で検討し、法務・調達部門を経る。初回に持参するもの:導入事例、PoCの期間と費用の案、繁体字中国語か英語の提案資料
【SIer・リセラー(販売代理)】見るポイント:自社の顧客に売れるか、粗利、繁体字への対応、サポートの分担。決めるのは:事業責任者や経営層。初回に持参するもの:代理店向けの価格表、繁体字化の範囲、サポート体制の案
【行政・公的機関】見るポイント:地域や行政の課題に合うか、実証の進め方、台湾での体制。決めるのは:担当部署で検討し、予算と手続きを経る。初回に持参するもの:実証の計画、台湾側のパートナー、これまでの実績

スタートアップが会う相手の類型ごとの準備の目安。一般的な整理で、組織や決裁の流れは相手によって異なる。出典:株式会社Link Global作成
Meet Taipeiは出展者の大半がスタートアップで、台湾のスタートアップと3日間でまとめて会える場でもあります。協業の相手を探すなら、出展者が分かった段階で候補を絞り、会期中の面談を先に申し込んでおくと効率的です。
2. 候補をリストアップし、連絡先を確保する
会社名を並べるだけでは、アポは取れません。担当部署と担当者のメールアドレス、または紹介してくれる人を確保できる企業から優先して打診します。
3. 繁体字中国語で打診する
台湾企業への打診メールは、繁体字中国語と英語を併記するのが無難です。
打診メールは、次の5つの要素で組み立てると短くまとまります。
件名:会社名・目的・会期を1行で(例:「日本〇〇株式会社|Meet Taipei期間中の面談のお願い(11/19〜21)」)
1段落目:自社の紹介を2〜3行で。何を作っている会社で、台湾で何をしたいのか
2段落目:なぜ相手の会社に連絡したのか。相手の取扱い商品や事業との接点を具体的に書く
3段落目:面談の候補日時を2〜3つ示し、所要時間(30〜45分など)と場所(会場内、相手先への訪問、オンライン)を書く
結び:会社紹介資料の添付、返信先と担当者名
繁体字中国語の書き出しは、たとえば次のような形になります。
「〇〇經理您好:我們是來自日本的〇〇株式會社,主要生產〇〇。我們將於11月19日至21日前往台北參觀Meet Taipei創新創業嘉年華,希望能利用訪台期間拜訪貴公司,向您介紹我們的產品。不知您是否方便撥冗與我們會面?」
宛名は「〇〇經理」「〇〇先生/小姐」のように役職や敬称を付けます。見学で行く場合は「參觀」、出展する場合は「參展」と書き分けると、相手に会場での状況が伝わります。英語を併記する場合も、同じ構成にします。返信がなければ、1週間ほどあけて一度だけ再送するのが目安です。機械翻訳だけで送ると不自然な表現が残りやすいため、台湾の商習慣に慣れた人に一度目を通してもらうと安心です。
4. 商談資料と取引条件を準備する
製品を売る商談なら、輸出価格表、最低ロット、リードタイム、取引条件を事前に整理しておきます。台湾で販売するのに規制や表示の確認が必要な商材なら、輸出できるかどうかの確認も先に済ませます。初回の商談で条件を出せないと、次の打ち合わせまで間が空いてしまいます。
製品を売る初回の商談で、台湾側から確認されることが多い項目は次のとおりです。すべてに即答できなくても、どの項目をいつまでに回答できるかを伝えられれば、商談は先に進みます。
価格と取引条件:工場出荷・FOB・CIFなど、どこまでの費用を含む価格か。通貨は円か台湾ドルか米ドルか
最低ロットと追加発注:初回の最低発注量、追加発注した場合のリードタイム、季節による供給の変動
独占の有無:台湾全域で独占にするのか、チャネルや地域で分けるのか。独占にする場合の販売目標
販促の支援:サンプルの提供、販促物、試飲・試用会、日本からの来訪などをどこまで負担するか
支払条件:前払いか、信用状か、後払いか。初回取引と継続取引で条件を変えるか
登録・表示の担当:台湾での輸入手続き、登録や検査、繁体字の表示ラベルを誰が担うか
サンプルの費用:サンプル代と送料をどちらが負担するか
特に価格は、同じ商品でも取引条件によって大きく変わります。初回の商談の前に、条件ごとの価格を社内で一度計算しておくと、その場で話を止めずに済みます。
5. 会期中と会期後の動き方
会期中は予約済みの商談を優先し、ブースの対応は同行者と分担します。
会期後のフォローは、時期を決めておくと抜けが減ります。以下は目安です。
2日以内:お礼のメールを送る。商談で話した内容と、こちらの宿題を箇条書きで添える
1週間以内:見積、サンプルの発送予定、追加資料など、約束した宿題を送る
1か月後:相手側の社内検討の進み具合を確認し、次の打ち合わせ(オンラインか次回の訪台)を提案する
3か月後:テスト販売や試験導入の可否を確認する。動きがなければ、条件を見直すか優先度を下げる
展示会で名刺を交換しただけの相手と、予約して面談した相手とでは、その後の進み方がまったく違います。フォローの手間は、事前に面談を入れた相手に集中させるのが効率的です。
台湾での商談会の形式(招へい型・訪問型・自由商談型)の使い分けは「台湾現地商談会の開き方」、代理店との契約や決済の進め方は「台湾のバイヤー・代理店・ディストリビューターと組む実務ガイド」で解説しています。
2026年は視察で使う|会期の前後に台湾企業と会う
2026年の出展申込は締め切られているため、今年は視察として使うのが現実的です。来場は無料で、公式サイトから事前に登録できます。
自社の分野に近い展示エリアと、国際館にある日本の自治体ブースを見る
11月19日と21日のメインフォーラム、20日午後のピッチ大会「Meet Neo Star Demo Show」で、台湾の投資家や大企業が何に関心を持っているかをつかむ
2027年に出展するつもりなら、ブースの大きさや装飾、来場者の流れを確認し、主催者の窓口と話しておく
視察の価値をさらに上げるのは、会期の前後に台湾企業を個別に訪問する予定を入れることです。台北市内の企業なら、会場から移動して1日に2〜3社を回ることもできます。会期まで2週間を切った今からアポを入れる場合は、相手を絞って打診することをおすすめします。
2026年の会期に合わせた、2泊3日のモデル日程の例です。訪問先の数や移動時間は、相手先の場所によって変わります。
1日目(11月18日・水):午後に台北着。夕方に台北市内の企業を1社訪問するか、翌日以降の訪問先と最終確認をする
2日目(11月19日・木):午前は会場で開幕とメインフォーラムを見る。午後は会場を出て台湾企業を2社訪問する
3日目(11月20日・金):午前は展示エリアと国際館を回り、2027年の出展に向けて主催者の窓口と話す。午後のピッチ大会を見てから空港へ。帰国便の時間によっては、ピッチ大会の前に1社訪問を入れる
訪問先とは、前日までに面談の時間と出席者を確認しておきます。会期中は台北市内のホテルが混み合うことがあるため、宿泊も早めに押さえてください。
台湾の展示会の視察に合わせた企業訪問の組み方は「台湾展示会の出展・視察支援」でも紹介しています。
InnoVEXとの違い|6月と11月、どちらに出るか
台北にはもう1つ、大型のスタートアップ展示会「InnoVEX」があります。毎年6月にコンピューター見本市「COMPUTEX」と同時に開かれるイベントで、Meet Taipeiとは性格がかなり違います。
【時期】Meet Taipei:11月/InnoVEX:6月(2026年は6月2日〜5日)
【会場】Meet Taipei:圓山花博 爭艷館/InnoVEX:南港展覧館2館
【主催】Meet Taipei:民間メディア(數位時代・Meet創業小聚)/InnoVEX:台湾の貿易振興機関である外貿協會(TAITRA)と台北市電腦公會(TCA)
【来場者】Meet Taipei:一般来場者を含めて55,532人(2025年実績)/InnoVEX:業界関係者44,038人(2026年実績)
【出展の中心】Meet Taipei:ソフトウェア、AI応用、ヘルスケアなど/InnoVEX:ハードウェア、半導体、ディープテック

Meet TaipeiとInnoVEXの比較。来場者数は対象年と定義が異なるため単純比較はできない。出典:創業小聚(2025年11月25日)、台北市電腦公會(2026年6月8日)をもとにLink Global作成
ソフトウェアやAIを使った法人向けサービスならMeet Taipei、ハードウェアや部品、製造技術ならInnoVEXが合いやすい傾向があります。どちらも台北で6月と11月に分かれているため、年に2回台湾との接点を作る計画も立てられます。InnoVEX 2026には、日本から熊本市が初めて出展しました。
日本国内では、福岡市のRAMEN TECH(10月)や東京都のSusHi Tech Tokyo(4月)にも台湾からの参加者が来ます。RAMEN TECHについては「RAMEN TECH(ラーメンテック)とは?」で解説しています。
出典:台北市電腦公會(TCA)「InnoVEX 2026」閉幕発表(2026年6月8日)、熊本日日新聞(2026年6月2日)、創業小聚(2025年11月25日)
補助金・支援制度はいつ使えるか
出展費や渡航費に補助金を使いたい場合に注意したいのは、時期のずれです。補助金は交付決定より前に支払った経費が対象外になるのが一般的で、2026年11月のMeet Taipeiに、これから公募される補助金を使うことはできません。
小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回:受付は2026年11月5日〜12月15日。採択は2027年3月ごろの見込みのため、2027年版に使えるかは事業期間を公募要領で確認する
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:2026年度に新事業進出補助金とものづくり補助金が統合されたもの。グローバル枠は国内の輸出体制の強化が対象で、海外旅費や翻訳費も対象経費に含まれる。第1回の締切(10月30日)は過ぎているため、次回の公募時期を確認する
JETRO Global Acceleration Hub 台北:台湾展開の相談やマッチングを受けられる。出展費の助成ではない
自治体のパビリオン:出展費の一部または全部を自治体が負担するケースがある。条件は公募ごとに異なる
補助金の名称や日程は、年度の途中でも変わることがあります。申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
出典:小規模事業者持続化補助金 公式サイト(第20回公募要領 第7版、2026年5月27日)、ミラサポplus(2026年6月29日)、ジェトロ「Global Acceleration Hub 台北」
よくある質問
Meet Taipeiには誰でも入場できますか?
はい。来場は無料で、公式サイトから事前登録すれば誰でも入場できます。2026年は11月19日(木)〜21日(土)、台北の圓山花博園區で開かれます。
日本の企業も出展できますか?費用はかかりますか?
出展できます。海外スタートアップ向けの国際館には無料の出展枠(新創標準方案‐國際館)があり、設立10年以内で、創業者の国籍と本社の所在地について所定の条件を満たす企業が対象です。審査があり、有料プランも選べます。料金は年ごとの募集要項で確認してください。
2026年のMeet Taipeiにこれから出展できますか?
できません。2026年の出展申込は10月2日に締め切られています。今年は視察として参加し、2027年版の募集(2026年は8月に開始)に向けて準備するのが現実的です。
Meet Taipeiは台湾政府が主催するイベントですか?
いいえ。主催は民間メディアの數位時代(Business Next)とMeet創業小聚です。台湾の中央省庁や地方自治体は、専用の館を出す出展者として参加しています。
Meet Taipeiで台湾のバイヤーや代理店と商談できますか?
会える可能性はありますが、主催者の1対1マッチングは投資家・企業系VCとの面談が中心です。台湾の小売・代理店・ホテルなどの販売先と商談したい場合は、会期前に候補を絞り、自社でアポを入れておく必要があります。
InnoVEXとMeet Taipeiはどちらに出るべきですか?
扱う商材によります。ソフトウェアやAIを使った法人向けサービスならMeet Taipei(11月)、ハードウェアや半導体、製造技術ならInnoVEX(6月)が合いやすい傾向があります。InnoVEXは業界関係者向けで、Meet Taipeiは一般来場者も多いイベントです。
まとめ
Meet Taipeiは、民間メディアが主催する台湾の大型スタートアップイベントで、近年は毎年5万人を超える来場者と100社前後の海外出展者が集まります。海外スタートアップには無料の出展枠があり、日本の自治体のパビリオンという参加ルートもあります。
ただし、主催者のマッチングは投資家・企業系VCが中心です。台湾の販売先や代理店との商談を目的にするなら、出展の申込とは別に、会う相手を決めて会期前にアポを入れる準備が欠かせません。2026年は視察と会期前後の企業訪問に使い、2027年の出展に向けて春から逆算して動くのが現実的です。
Link Globalは、台湾のバイヤー・代理店・企業との商談づくりを支援しています。会いたい相手の整理、候補企業のリストアップ、繁体字中国語でのアポ打診、商談資料と取引条件の準備、当日の商談の対応やサポート、その後のフォローまでを一貫して担います。Meet Taipeiの視察に合わせた台湾企業の訪問や、2027年の出展に向けた計画づくりは、「海外商談会支援」のページ、またはお問い合わせフォームからご相談ください。




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