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世界で加速する“抹茶ブーム”――主要地域・用途・チャネルで読む最新動向

  • 堤浩記
  • 11月9日
  • 読了時間: 20分
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「抹茶が世界で人気の理由はなぜ?」

「抹茶の主要地域について知っておきたい!」

「世界の抹茶の用途やチャネルについて知りたい!」


いま世界の食文化において抹茶がこれまでにない広がりを見せています。


かつては日本の茶道文化を象徴する存在だった抹茶ですが、今ではラテやスイーツ、プロテインやRTDドリンクなど様々な形でグローバル市場を席巻しているのです。


そんな世界的に需要が高まっている抹茶ですが、より具体的なブームの理由について知りたい方も多いようです。


抹茶の用途は飲料にとどまらず、製菓・ベーカリー・栄養補助食品へと拡大しつつ、様々な業界で需要が高まっているため大きなビジネスチャンスとして捉えている方も多いもの!


当ページではそんな方々にも参考になるように、世界的な抹茶ブームの理由について深堀りしつつ、主要地域や用途、チャネル・トレンドについて解説をしていきたいと思います。


グローバル・グリーンマーケットの中心にある抹茶について、より深く学んでいきましょう!


4つの主要地域での抹茶の需要拡大を解説

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ここから4つの主要地域での抹茶の需要拡大について解説をしていきます。


世界的に需要が高まっている理由、地域ごとの需要の違いなどを理解するうえでも大切なポイントですので、各項目に目を通してみてください。


北米:ウェルネス志向とSNSバイラルが後押し


まず北米での抹茶の需要について触れていきましょう。


北米では抹茶が「ナチュラルなエナジードリンク」として定着しつつあります。


健康意識の高いミレニアル世代やZ世代を中心に、カフェイン過剰摂取を避けつつも集中力を維持できるL-テアニンの効果が注目を集めているのです。


グリーンティーよりも機能性が高く、それでいてラテやスムージーなど日常的に取り入れやすい形で拡大中なのが特徴的!


さらに鮮やかなグリーンが映える抹茶ドリンクはSNS映えするビジュアルとしても人気で、InstagramやTikTokでの投稿も急増中。


ちなみにトレンド発信地であるロサンゼルスやニューヨークでは、オーガニック・抹茶専門カフェが次々と登場しています。


加えてRTD(飲料)やプロテインバー、プラントベーススイーツなどの新商品にも採用が広がり、北米市場は今後も大きな成長が見込まれる最注目エリアとなっているのです。


欧州:サステナブルとクリーンラベル志向の融合


次に欧州市場での抹茶の需要ですが、抹茶が「サステナブルなプレミアム食材」として評価されています。


欧州ではオーガニック認証やフェアトレード、低加工・無添加といったクリーンラベルへの関心が高く、茶葉のトレーサビリティや生産者ストーリーを重視する傾向が顕著です。


特にドイツや北欧諸国では抹茶をスーパーフードの一種として位置づけ、植物性ミルクと組み合わせたビーガン対応ドリンクが人気を集めています。


またフランス・イタリアでは製菓・パティスリー分野への導入が進み、バターやチョコレートとの融合で「抹茶ガナッシュ」や「抹茶クロワッサン」などの高級デザートが登場しています。


環境意識と味覚価値の両立を目指す欧州消費者にとって、抹茶は美味しくてエシカルな選択肢として受け入れられているのです。


今後はEU域内でのオーガニック認証連携、そして現地調達ロジスティクスの整備が抹茶需要・抹茶ビジネスの成長を支える鍵となるでしょう。


アジア:日常飲料としての定着と高品質志向


さらにアジアでの需要にも触れていきますが、アジアでは抹茶がトレンドではなく生活文化の一部として根付いています。


特に日本・台湾・韓国ではカフェやコンビニでの抹茶ラテ、RTDドリンク、スイーツが日常的に消費される段階に入りました。


一方で中国や東南アジアでは中間層の拡大とともに「本物志向」が進み、原産地(宇治・西尾・八女など)を明記した高品質抹茶への需要が急上昇しています。


アジア圏では色味の鮮やかさと旨味のバランスが重要視され、韓国やシンガポールではグレード別メニューを展開する専門カフェも増加中です。


またデザート業界でも「抹茶×黒糖」「抹茶×タピオカ」などローカライズされた組み合わせがヒットしており、若年層への定着を後押している点も見逃せないポイントです!


機能性と高級感を兼ね備えたアジアン・プレミアム抹茶市場は、今後も地域内での多様化が進む見込みです。


競合も多い地域ではありますが、需要が高い地域なので差別化をはかりつつビジネス展開するのに最適な地域だと言えるでしょう。


中東:新興市場として注目や健康ブームでの急伸


最後に中東での抹茶の需要ですが、近年の健康ブームと観光産業の拡大を背景に抹茶が新しいウェルネスドリンクとして急速に浸透しています。


UAEやサウジアラビアを中心にフィットネス志向やデトックス需要の高まりが追い風となり、抹茶スムージーやプロテインドリンク、ノンカフェインブレンドなどが人気です。


特にドバイではハイエンドホテルやラグジュアリーカフェでの採用が進み、抹茶=高品質・日本発のヘルシーブランドというイメージが定着しつつあります。


またラマダン期間の断食明け飲料としても抹茶が選ばれるケースが増加しており、エネルギー補給・抗酸化ケアの両面で評価されています。


物流インフラの整備とともに、今後は湾岸諸国だけでなくトルコやエジプトなど隣接市場にも波及する見込みです。


このように中東は次の抹茶成長フロンティアとして注目度を急速に高めている、そんな需要が高まっている地域だと言えるでしょう。


世界での抹茶の需要を支える3つの要因

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ここからは世界での抹茶の需要を支える3つの要因について触れていきます。


全体的な需要、人気の理由を知ることもビジネスに活かす大切な要素ですので、ぜひ各項目をチェックしてみてください。


健康志向:ナチュラル×機能性で選ばれるクリーンエナジー


まず世界で抹茶の需要を支える要因として、健康志向の高まりが挙げられます。


これは世界的な健康志向の高まりを指し、抹茶需要を押し上げる大きな要因となっているのです。


特に「添加物を避け、自然由来の栄養で体を整える」というクリーンラベル思考が浸透する中で、抹茶はその象徴的存在とも言えます。


豊富なカテキンによる抗酸化作用、L-テアニンによるリラックス効果、そしてカフェインの穏やかな覚醒作用はナチュラルなエナジードリンクとしても評価されています。


グリーンティーよりも栄養を丸ごと摂取できる点も注目されており、機能性食品市場での優位性を支えています。


さらに砂糖を抑えた抹茶ラテ、プロテインドリンク・スムージーなど健康系カテゴリーでの展開が進み、特に北米・欧州ではウェルネスライフスタイルの中心的存在に!


各国・各地域で健康文化の一部として、抹茶は世界に浸透しているのです。


SNS露出:映えるグリーンが牽引する新時代のバズマーケティング


また抹茶人気のもう一つの大きな推進力、それがSNSによるバイラル効果です。


鮮やかなグリーンの色調やきめ細かな泡立ちは写真・動画映えに優れ、InstagramやTikTokを中心にSNSでの投稿が世界的に拡散しています。


カフェ文化が盛んなロサンゼルスやソウル、ロンドンや台北などでは、ビジュアルを重視した抹茶体験が一種のライフスタイルコンテンツとして定着しています。


最近では店舗デザインやパッケージもSNS発信を意識したミニマル・ナチュラル系が増えており、Z世代・ミレニアル層にとって抹茶は「健康的かつおしゃれ」な自己表現のツールでもあります。


そんな抹茶はSNSを起点にブランドコラボやポップアップイベントが展開され、消費者発信型のマーケティング循環が生まれています。


これは他の健康飲料との差別化要因となるため、ビジネスに取り入れる際にはSNSによるマーケティングや購買層の拡散なども意識するのが良いでしょう。


和食浸透:文化的背景と信頼できる日本品質の広がり


最後に抹茶の需要が高まっている要因として、和食の国際的浸透とともに拡大した日本発の信頼ブランドとしての存在が挙げられます。


ユネスコ無形文化遺産にも登録された和食は「自然と調和する食文化」として世界的に評価されており、その中で抹茶は伝統・美・健康を象徴する素材として位置づけられています。


寿司、天ぷら、味噌などと並び、抹茶スイーツや抹茶ドリンクが「和食デザート」として定番化しているのです。


先の項目でも少し触れましたが、例えば欧米では抹茶の原産地(宇治・西尾・八女など)を強調したジャパン・プレミアム商品が高く評価されています。


ホテルや高級レストランでは、ティーセレモニー体験や抹茶ペアリングコースが人気を集め、文化的価値が商業的需要を後押ししている点も見逃せません。


健康と美意識、そして日本品質への信頼が融合することで、抹茶は世界の食卓で確固たる地位を築きつつある、これをビジネスはビジネスに活かす大きな理由でもあるでしょう。


抹茶の採用事例と価格帯の目安をカテゴリ別に解説

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ここからは抹茶の採用事例、そして価格帯の目安について解説をしていきます。


定番のカテゴリ別に解説をしていきますので、自社で抹茶を採用したい方、抹茶事業の立ち上げを検討している方も各項目をチェックしていきましょう。


飲料(ラテ・フラッペなど)


まず抹茶の定番の採用事例としての飲料について触れていきます。


抹茶を最も多く使用するカテゴリと言えば、やはりカフェや飲料メーカーによるラテ・フラッペなどのドリンク用途です。


視覚的な美しさと泡立ち、そしてミルクとの相性が重要視されており、中~上位のカリナリーグレード(kgあたり6,000~12,000円前後)が主流です。


※特に抹茶ラテでは発色が明るく、苦味が少ない西尾や宇治ブレンドが多く採用されています。


またアイス系フラッペでは乳脂肪や糖との混合時に風味が沈まないよう、粒度の細かい石臼挽きを選ぶケースが増加しています。


さらに海外ではプラントベースミルク(アーモンド、オーツなど)との相性を訴求した製品が増えており、ヴィーガン抹茶ラテがトレンド化も見逃せません。


カフェブランドではシグネチャードリンクとしてグレードを上げる一方、量販向けではコストを抑えたブレンド品も多く、用途別の最適設計が競争力の鍵と言えるでしょう。


RTD・粉末製品


次に抹茶のRTD・粉末製品について解説をしていきましょう。


RTD(Ready To Drink)や粉末タイプの抹茶製品は、近年急成長している利便性重視のカテゴリです。


特に北米・アジア市場ではシェーカー不要で手軽に楽しめる抹茶ミルク、そして抹茶プロテインドリンクが定番化しています。


このジャンル・カテゴリでは色保持性・溶解性・沈殿抑制が重要であり、微粉砕・スプレードライ技術を活かした中級グレード(kgあたり4,000~8,000円前後)が多く使われる傾向にあります。


※香味の再現よりも安定供給と量産性が優先されるため、単一産地よりも複数茶園をブレンドして物性を調整するケースが一般的です。


ちなみにRTD製品では窒素充填や抗酸化剤を併用し、長期保存に耐える処方設計が求められます。


また無糖タイプ・低糖タイプへのシフトが進んでおり、OEM・PB(プライベートブランド)での採用も拡大中です。。


今では抹茶は「冷蔵棚で選ぶ健康ドリンク」として消費者に認知しつつある点が特徴的だと言えるでしょう。


製菓・ベーカリー・アイス


また製菓・ベーカリー・アイスの採用事例について触れていきます。


抹茶を製菓・ベーカリー・アイスに使う場合、熱・光・油分といった劣化要因への耐性が最重要です。


焼成や冷凍後でも色味と香りが残るよう、退色耐性の高い中~下位グレード(kgあたり2,500~6,000円程度)が主に採用されます。


焼菓子では抹茶フィナンシェやクッキーなどに配合して、発色重視でやや黄緑寄りの粉末を選定します。


アイスやチョコでは脂肪分との相性を意識して、渋みの少ない西尾・八女産を用いるケースが多く見られます。


業務用では10~20kg単位の大袋出荷が一般的であり、コストと安定供給の両立が重要です。


また近年は抹茶×ホワイトチョコ、抹茶×黒糖などの組み合わせも人気であり、海外ではJapanese flavorとして高級ラインナップにも進出しています。


季節限定商品やOEM開発での応用も進み、食品メーカーにとって最も裾野の広いカテゴリ、それが「製菓・ベーカリー・アイス」なのです。


栄養・サプリメント用途


ビジネスとして抹茶の採用を検討するケースも増えてきている、そんな栄養・サプリメント用途についても触れていきます。


健康食品・サプリメント分野では、抹茶はナチュラルな栄養素材として脚光を浴びています。


粉末のまま摂取できるため、ポリフェノールやアミノ酸、クロロフィルを効率的に摂れるのが特徴です。


この分野では機能性データを重視した上位グレード(kgあたり8,000~15,000円程度)が選ばれる傾向にあり、特に有機JAS・USDA認証付き製品の需要が拡大しています。


カプセル、スティック、グリーンスムージーなど、最終製品形態に応じて粒度や香気をカスタマイズできる点も魅力的なポイントです。


抗酸化・ダイエット・ストレスケアといった訴求テーマに合わせ、他のボタニカル素材(スピルリナ、モリンガ等)とのブレンドも一般化しています。


またサプリOEM業者ではCOAやMRL(残留農薬検査)を重視する傾向が強く、安全性データの整備が不可欠といえます。


抹茶を栄養・サプリメント用途で採用する場合、クリーンラベル志向と機能性マーケティングの両立が今後の成長の鍵となるでしょう。


抹茶の各チャネル動向

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ここからは抹茶の各チャネル動向について解説をしていきます。


これから抹茶を自社ビジネスに取り入れる場合に大切なポイントですので、是非各項目に目を通してみてください。


小売:プレミアム抹茶と日常消費の二極化が進行


まず小売のチャネル動向ですが、小売市場では抹茶製品の売れ筋が明確に二極化しています。


ひとつはスーパーやコンビニで展開される手軽なラテ粉末・スイーツ・アイスなどの「日常消費型」。


もう一方は百貨店や専門店で展開される高品質・産地特定型のプレミアム抹茶です。


特に近年は「宇治産」「八女産」など原産地を前面に押し出した商品が増加しており、パッケージには色味や香気の特徴を訴求する傾向が強まっています。


また消費者の健康志向を背景にオーガニック・無添加・窒素充填タイプも拡大!


加えて少量高単価のギフト需要が堅調で、茶筒や桐箱入りなどの高付加価値パッケージが人気です。


その一方で量販では調理用・製菓用などの汎用グレードが安定した売上を維持しています。


このあたりを理解して抹茶商品を展開することが、ビジネスを成功させる鍵となるでしょう。


フードサービス:抹茶が「ブランド体験」の核に


次にフードサービス市場について解説していきますが、抹茶がメニュー価値を高めるブランド素材としての地位を確立しています。


例えばカフェ・ホテル・レストランなどでは、抹茶ラテやパフェといった定番を超えて「抹茶ティラミス、抹茶モクテル、抹茶パスタ」など創作メニューへの展開が進んでいます。


視覚的な美しさとストーリーテリング性が非常に高く、それでいてメニュー写真の訴求力が高いため、SNS拡散を狙う店舗には欠かせない素材となっているのです。


またグローバルチェーンでは季節限定のサクラ×抹茶、抹茶ホワイトなど日本発トレンドを取り入れた期間限定商品が好評!


これらは導入コストを抑えるため、安定発色・高泡立ちの業務用抹茶(kgあたり3,000~7,000円台)が多く利用される傾向にあります。


今後はプラントベースやシュガーフリーなど健康訴求型メニューとの相性が重視され、飲料からデザート・料理まで抹茶の活用領域はさらに拡大する見込みだと注目されているのです。


EC:リピート率とブランドストーリーが鍵に


最後にEC市場についても解説をしていきましょう。


EC市場おける抹茶の拡大スピードは、他チャネルを上回る勢いです。


特にD2Cブランドやサブスクリプションモデルが台頭しており、「産地×製法×ライフスタイル」を軸にしたブランド体験が購買動機となっています。


購入者は品質だけでなく「どこで作られ、どう加工されたか」というストーリーを重視しているのです。


今では動画・SNS・レビューなどのUGC(ユーザー生成コンテンツ)が信頼性を左右する時代になっています。


ちなみに価格帯は個人向けで30gあたり1,000~2,500円が中心で、送料無料・定期割引などの導入でリピート率を高める施策が一般的です。


また海外向け越境ECでは、英語・中国語での説明ページやオーガニック認証表示が必須要件になりつつあります。


※環境対応型パッケージや脱プラ容器も評価基準の一部になっています。


今後のEC成功の鍵は「品質の見える化」、そして「コミュニティ形成」を両立するブランディング戦略にあるといえるでしょう。


抹茶に関する季節性と需要パターン

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ここからは抹茶に関する季節性と需要パターンについて解説をしていきます。


日本での春夏秋冬での需要、そしてオールシーズンの需要について触れていきますので、同じような気候や各季節に近い国・地域ではどんな需要があるかなど、場面・環境的な部分も含め参考にしてみてください。


春:新茶期と季節限定メニューの立ち上がり

春は抹茶市場にとって、年間サイクルの起点となる重要なシーズンです。


4~5月にかけて一番茶の収穫が始まり、新物抹茶のリリースやサンプル提案が活発化します。


また業務用・小売用ともに前年ロットの切り替え時期であり、在庫調整や価格改定が多く発生します。


メニュー面では「桜×抹茶」「苺×抹茶」といった季節限定コラボが人気を集め、カフェや製菓ブランドが新作を展開する時期でもあります。


淡いグリーンと春色の組み合わせがSNS映えすることから、販促・プロモーション強化月としての側面も強いです。


また海外では新緑の季節をテーマにした限定メニューが増加しつつあり、春先に需要の初動をつくる傾向が定着しています。


BtoBでは、初夏に向けた製品開発・サンプル出荷の準備が始まるなど、春は抹茶供給計画を立てるうえで最も戦略的なタイミングと言えるでしょう。


夏:冷飲ブームとカフェチャネルの最需要期


夏は抹茶ドリンク市場が最も活況を呈するシーズンです。


特に6~8月はアイスラテやフラッペ、スムージーなど冷飲系商品の需要が年間ピークを迎えます。


抹茶の爽やかな苦味とミルクのコクがマッチし、冷却感と見た目の清涼感が消費を後押ししてくれるのです。


コンビニではRTD(ペットボトルや紙パック)の販売数が伸び、業務用では冷凍フラッペベースやシロップの出荷が集中します。


色鮮やかなグリーンが夏のSNS投稿にも映えるため、カフェブランドは「抹茶×マンゴー」「抹茶×シトラス」など視覚的訴求も可能な商品を打ち出す傾向が強まっています。


※ちなみに夏は高温多湿による品質劣化を避けるため、流通段階では遮光・防湿・低温保管が必須条件です!


まさに「見た目」「味」「機能性」が融合する季節であり、販促・製造・ロジスティクスの全工程でスピード感が求められる時期とも言えるでしょう。


秋:ベーカリー・スイーツ向け需要が上昇


秋になると抹茶の需要は冷飲中心から製菓・ベーカリー系へとシフトします。


9~11月は気温低下とともに温かいスイーツや焼菓子が好まれる季節であり、「抹茶マフィン」「抹茶タルト」「抹茶モンブラン」などが人気を集めます。


抹茶の香ばしさや深みのある風味がナッツ、そしてチョコレートなど秋素材と好相性である点も追い風です。


小売・OEM業界では冬商戦を見据えた製品開発やギフトセット企画が始動し、原料抹茶の中間ロット調達が増加します。


また秋は光や湿度の影響が比較的少ないため、保管面での品質リスクが低く、仕込みのタイミングとしても適しています。


国内外の展示会では新シーズン用の抹茶素材・ブレンド提案が活発化する時期でもあります。


秋は「抹茶が主役になる」季節であるため力を入れるタイミングでもあり、香り・色・味の三拍子を活かした高付加価値展開がビジネス成功の鍵を握っていると言えるでしょう。


冬:ギフト・ホットドリンク・高級志向が加速


冬は抹茶が「贈る・癒す」シーンで最も強みを発揮する季節です。


12~2月はホットドリンクや焼き菓子の需要が高まり、抹茶ラテや抹茶チョコレートなど温かみのある商品が人気を博します。


特に年末年始やバレンタインシーズンに向けて、ギフト需要が年間で最も高まる時期です。


高級抹茶缶や詰め合わせなど、デザイン性の高いパッケージが売上を牽引します。


また冬は色調の美しさよりも「旨味・香気の深さ」が重視されるため、上位グレードや石臼挽きタイプの採用比率が上昇します。


カフェでは抹茶ティーラテや抹茶カプチーノなど、温かくクリーミーなメニューが定番化してデザートとのペアリング提案も盛んです。


寒冷期は保管時の結露リスクに注意が必要ですが、品質変動が少なく長期在庫管理に適している点も冬季需要を支える要素と言えるでしょう。


オールシーズン:機能性と文化価値で常時消費へ


最後にオールシーズンでの抹茶のチャネル動向について触れていきます。


以前は季節限定の印象が強かった抹茶も、現在では年間を通じて安定的に消費される定番カテゴリーへと進化しています。


健康志向・美容訴求・リラックス効果といった機能面が注目され、日常的に摂取するウェルネス飲料としての地位を確立しました。


※特にRTDやスティック粉末、サプリメント分野では季節に左右されず販売が継続しています。


業務用ではカフェ・製菓・食品OEM各社が年間契約を前提に発注計画を立てる傾向が強まり、在庫調整よりも需要予測とロット分割供給が重視されています。


また海外では「抹茶=日本文化の象徴」としてのブランディングが定着し、観光・EC・体験型イベントを通じて季節を問わない消費体験が広がっています。


つまり抹茶は季節商材から生活カテゴリーへと進化した、持続的なグローバルマーケット素材なのです。


もちろん季節需要に理解してビジネス戦略を確立することは重要ですので、オールシーズンの需要をみつつ季節に強い戦略を練っていくのが成功の鍵となるでしょう。


四半期ごとの需要ピークと発注計画の考え方

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ここで四半期ごとの需要ピークと発注計画の考え方について、簡単に触れていきます。


これは抹茶を活用するジャンル・カテゴリによりますので一概には言えませんが、基本的な部分を下記に「四半期」「主な需要期」「推奨対策」の順でまとめましたので、参考にしてみてください。


・Q1(1–3月)…新年・健康志向キャンペーン(新商品投入とSNS発信強化)

・Q2(4–6月)…冷飲料需要スタート(抹茶ラテ・フラッペ用原料の在庫確保)

・Q3(7–9月)…アイス・RTDピーク 小売(EC向け販促強化)

・Q4(10–12月)…スイーツ・ギフト需要(高品質グレードの仕入れ強化)


こういった需要期と把握したうえで強みを生かした商品を開発、またマーケティング戦略を練ることがビジネス成功の鍵と言えるでしょう。


世界的に需要が伸びている抹茶は今が導入のチャンス

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今回はグローバルな抹茶の市場動向について、いくつかの項目で解説をしてきました。


世界で拡大を続ける抹茶市場は、一過性のトレンドではなく、「本物志向」と「機能性ニーズ」が融合した新たなステージに入っています。


健康・美容・サステナビリティといったグローバル消費の核となる価値観が、抹茶という伝統素材と強く共鳴しているのです。


今後はオーガニック・クリーンラベル・無糖などの明確な品質訴求がより重視され、同時に輸送・保管・ブレンド技術の進化が市場拡大を下支えすると見られています。


また各国・各地域の嗜好に合わせたグレード設計と用途別展開、これがブランド競争力のカギとなるでしょう。


抹茶はもはや「日本の文化」ではなく「世界が共に育てる機能性素材」として注目されています。


この流れをいかに正しく理解し自社の製品戦略に取り込むか、今後の戦略をどうするか練っていくことが今後の国際市場での成功を左右します。


もし抹茶をビジネスに活かしたいけれど悩んでいる、販売・マーケティング戦略に不安があるという方は、是非弊社までお気軽に相談ください。


日本の中小企業の海外進出をはじめ、様々なスタートアップ支援などを行っている弊社が0→1の支援をさせていただきます。


グローバル抹茶ブームのチャンスを掴み、新たなビジネスを軌道に乗せるためにもぜひお気軽に弊社へご相談ください。

 
 
 

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