top of page

シンガポール市場向けオンラインプロモーション実務ガイド|SNS・インフルエンサー活用と事例に学ぶ

  • 堤浩記
  • 8月12日
  • 読了時間: 34分
シンガポール市場向けオンラインプロモーションの実務ガイド

「シンガポール市場のオンラインプロモーションについて知りたい!」

「シンガポール市場向けのSNS活用の方法について知っておきたい!」

「シンガポールでインフルエンサーの活用はどのようにするのがオススメなのか!」


シンガポールで商品やサービスの認知を広げたい場合、SNSや検索、インフルエンサーを活用したオンラインプロモーションはとても重要な施策です。


ただしInstagramやTikTokで情報を発信すれば成果が出るほど単純な市場ではありません。


シンガポールは英語が広く使われる一方、中華系・マレー系・インド系など多様な背景を持つ人々が暮らしており、年齢、所得、ライフスタイルによって利用するチャネルや反応するコンテンツも変わります。


そのためシンガポール向けSNSマーケティングでは「何を発信するか」だけでなく、「誰に、どの言語で、どのチャネルから届けるか」を設計することが欠かせません。


さらにSNSで認知を獲得した後に、各種販路へどのようにつなげるかも重要なポイントです!


そこで当ページでは、シンガポール市場のデジタル環境から主要SNSの使い分け、インフルエンサー活用や日本の自治体・公的機関による事例について実務視点でわかりやすく解説をしていきたいと思います。


オンラインと販路を連動させる方法などにも触れていきますので、シンガポール市場向けのオンラインプロモーションでお悩みの方は、ぜひ当ページの内容を参考にしてみてください。


シンガポール市場のデジタル環境とプロモーションの特徴

シンガポールのデジタル環境と多民族構成の特徴

ここからシンガポール市場のデジタル環境、そしてプロモーションの特徴について解説をしていきましょう。


シンガポールでプロモーションを行うなら、オンライン施策は補助的な手段ではなく「認知から比較、検索、来店・購入」までをつなぐ主要接点として考えることが大切です。


IMDA(シンガポール情報通信メディア開発庁)は2025年までのインターネット利用やスマートフォン保有などのデジタル社会統計を公開しており、民間調査のDataReportal「Digital 2026: Singapore」でも、2025年末時点のインターネット利用率は「98.4%」と推計されています。


一方で多民族・多言語社会であるため、単純に「英語でSNSを運用すれば十分」とは限りません。


誰を狙うのかを明確にしつつ、各種導線を組み合わせることがシンガポール向けプロモーションの基本ですので、各項目をチェックしつつ、適切なオンラインプロモーションを実践していきましょう。


シンガポールでオンライン施策が重要な理由


まずはシンガポールでオンライン施策が重要な理由について触れていきましょう。


シンガポールでは、消費者との接点を「オンライン抜き」で設計することが難しくなっています。


先の項目で触れたように、DataReportalの「Digital 2026: Singapore」では、2025年10月時点でインターネット利用者を578万人、人口に対する普及率を98.4%と推計しています。


※また(重複アカウント等を完全に除外した個人利用者数ではなく、民間推計ではありますが)ソーシャルメディアの「ユーザーID」は533万件で、人口比90.6%相当とされている点も見逃せないポイントです。


ここで重要なのは数字の大きさそのものより、「商品を知る、動画を見る、口コミを調べる、店舗を検索する」といった行動が、オンライン上で連続しやすい市場であること点です。


WEB検索やSNSでの広告・プロモーションを軽視することができない市場であり、(SNSだけを運用するのではなく)検索やEC、店舗までを一連の導線として設計することで、より優れた成果に期待ができる。


だからこそシンガポール市場ではオンライン施策が非常に重要であり、適切な設計・計画がビジネスの成功を左右すると言われているのです。


英語を基本にしながらターゲットによって言語を使い分ける


次にシンガポールでは英語を基本にしながら、ターゲットによって言語を使い分ける重要性についても触れていきましょう。


ご存知の人もいるかも知れませんが、シンガポールでは「英語、マレー語、標準中国語(Mandarin)、タミル語」の4言語が公用語とされています。


またSingapore Department of Statistics(シンガポール統計局)の2020年国勢調査では、5歳以上の居住者のうち、家庭で最も頻繁に使う言語として英語を挙げた割合が48.3%まで上昇しています。


そのため日本企業のWebサイトやSNS、広告、商品紹介では、まず英語を基本言語に設定する方法が実務的だと言えます。


ただし英語だけに固定する必要はなく、たとえば中国語コンテンツと親和性の高い層へ小紅書(Xiaohongshu/RED)で訴求する場合などは、中国語を組み合わせる余地があるでしょう。


重要なのは「シンガポール人は何語か」と一括りにするのではなく、狙う顧客が普段どの言語で情報を探し、どのプラットフォームで比較するかから言語を決めることだと覚えておきましょう。


中華系・マレー系・インド系の多民族構成を一括りにしない


また中華系・マレー系・インド系の多民族構成を一括りにしないという点にも触れていきましょう。


先の項目と少し似ている部分ではありますが、言語同様に「文化・背景の違い」なども一括りにしないことが大切です。


Singapore Department of Statisticsの「Population Trends 2025」では、2025年6月時点の居住者人口の民族構成は「中国系73.9%、マレー系13.5%、インド系9.0%、その他3.5%」とされています。


シンガポール市場を理解するうえで、この多民族性の数値は重要な情報です。


しかし「中国系ならこの商品」「マレー系ならこのSNS」のように、機械的に分けるのも適切ではありません。


民族的背景に加えて「使用言語、宗教、年代、所得、家族構成、趣味嗜好」によって実際の消費行動は変わるものです。


たとえば食品であれば宗教的な食の選択肢、美容やファッションならライフスタイルや年代、観光なら家族旅行か個人旅行かといった要素の方が重要になる場合もあるでしょう。


シンガポール向けプロモーションでは、民族構成を「固定的な人物像を作る材料」ではなく、一つの広告表現ですべての人に届くとは限らないことを理解する出発点として使うべきなのです。


年齢・所得層・ライフスタイルによって刺さるコンテンツは変わる


さらに年齢・所得層・ライフスタイルによって、刺さるコンテンツは変わるという点にも触れていきましょう。


先の項目同様にユーザー・ターゲット層に関する項目ですが、例えば同じInstagramやTikTokを利用していても、ユーザーが反応するコンテンツは同じではありません。


若年層へ認知を広げたい場合は、短尺動画、トレンド性、体験の分かりやすさが入口になりやすい一方、高所得層向けの旅行、工芸品、高級食品などでは価格の安さより「品質、希少性、ブランド背景、利用シーン」を丁寧に伝える必要があります。


※また家族層なら安全性や子どもとの利用シーンが重要視され、ビジネス層なら利便性や信頼性など、需要な部分や購入理由も変化します。


したがって「シンガポールでTikTokが使われているからTikTok広告を出す」という順番ではなく、「誰に何を買ってほしいか→その人がどこで情報を得るか→どの形式で伝えるか」の順番で考えるべきです。


広告費についても固定的な相場を基準にせず、「認知、動画視聴、Web送客、購入」など目的と配信設計に合わせて判断する必要があることを覚えておきましょう。


台湾市場との違いは「言語」と「プラットフォーム構成」にある


最後に比較されがちな「台湾市場」との違いですが、「言語」と「プラットフォーム構成」にあるという点に触れていきましょう。


台湾では繁体字中国語へのローカライズを軸に、市場全体へ情報を届ける設計を作りやすいのが特徴的です。


一方でシンガポールでは英語を基本にしながら、多民族・多言語環境を踏まえてターゲットごとに表現を調整する必要があります。


※またシンガポールではInstagram、TikTok、YouTube、Facebookなどグローバル系SNSに加え、Google検索やGoogleマップ、小紅書などを目的別に組み合わせる設計が重要です。


つまり台湾記事で成功した繁体字コピーやSNS運用をそのまま転用するのではなく、シンガポールでは英語を中心とした複数チャネルの役割分担から考え直す必要があります。


「同じアジア市場」と安易に考えるのではなく、情報環境そのものが異なる点を把握したうえで戦略を立てる、これがシンガポール市場で成功するために大切なポイントの1つだと覚えておきましょう。


SNSを含めた主要チャネルマップ

シンガポールで使われるSNS・検索チャネルのマップ

ここからはシンガポールでのSNSを含めた主要チャネルマップについて解説をしていきましょう。


シンガポールのSNSマーケティングでは、一つのプラットフォームに全予算を集中するより「認知、理解、検索、来店、購入」といった顧客行動ごとにチャネルを使い分ける考え方が有効です。


ただし各種SNSや広告出稿媒体への知識がなければ、せっかくの広告費を無駄にしてしまうリスクが出てきてしまいます。


各種SNSを含めた主要チャネルごとの特徴を理解することは、適切なオンラインマーケティングに必要な条件ですのでぜひ各項目を参考にしてみてください。


※DataReportalの2026年版では、YouTube、Facebook、Instagram、TikTokなどについて2025年末時点の広告リーチデータが公開されているので、場合によっては参考にしてみるのも良いでしょう。


※ただし、それらは各社の広告管理ツール等をもとにした数値であり、月間アクティブユーザー数と同義ではないため、あくまで参考程度にしておくのがオススメです。


Instagram・TikTokはビジュアルと短尺動画で認知を取る


まずはInstagram・TikTokはビジュアルと短尺動画で認知を取る、という点に触れていきます。


写真や動画で魅力を伝えやすい食品、化粧品、ファッション、観光、飲食、ライフスタイル商材では、InstagramとTikTokが認知獲得の有力な入口になります。


例えばDataReportal「Digital 2026: Singapore」によると、Metaの広告ツール上でInstagramの広告リーチは2025年末時点で335万人、TikTokは18歳以上で380万人とされています。


※ただし、いずれも「実利用者総数」ではなく広告配信で到達可能と推計されるオーディエンスであり、単純比較はできない点には注意が必要です。


実務面で考えた場合、Instagramはブランドの世界観、商品写真、Reels、保存したくなる情報との相性が良く、TikTokは短い時間で驚きや体験を伝える動画に向きます。


重要なのは同じ動画を両方へ機械的に投稿することではなく、Instagramなら保存・プロフィール閲覧、TikTokなら動画視聴・拡散など、プラットフォームごとに次の行動を設定することです。


このあたりを意識することで予算を最適に活用することができますので、各々の特徴・特性を把握したうえで訴求を行っていきましょう。


YouTube・Facebookは情報量の多い説明に最適


次にYouTube・Facebookは情報量の多い説明に最適という点に触れていきます。


短尺動画だけでは伝えにくい商品は、YouTubeやFacebookを組み合わせる余地があると言えるでしょう。


DataReportalの2026年版では、Googleの広告データに基づくYouTubeの2025年末の広告リーチは533万人、Metaの広告データによるFacebookは380万人とされています。


※ただし、こちらも月間利用者数ではなく、広告リーチの参考値として見る必要があります。


そしてYouTubeは旅行ルート、商品の使い方、職人インタビュー、調理方法など、時間をかけて理解してもらうコンテンツと相性が抜群に良いです。


一方でFacebookは、商品によっては比較的幅広い年代への告知、イベント情報、コミュニティとの接点として活用できます。


重要なのは「若者はTikTok、年配層はFacebook」と単純化しないことです。


実際の広告配信では年齢、興味関心、地域などを設定し、自社の顧客データと配信結果を見ながら役割を調整することが必要があると覚えておきましょう。


Google検索・Googleマップは「知った後に探す」需要向き


またGoogle検索・Googleマップは「知った後に探す」需要向きという点に触れていきます。


SNSで商品や店を知ったユーザーが、そのままスムーズに購入するとは限りません。


・どこで買えるのか

・レビューはどうか

・営業時間は何時か

・近くに店舗があるか


上記のようにGoogleで検索する行動が間に入ることは珍しくありません。


特に「飲食店、小売店、観光施設、期間限定ポップアップ」などでは、SNS広告が成功してもGoogle検索やGoogleマップ上の情報が不足していると、来店前に離脱する可能性があります。


そのため「店舗名、住所、営業時間、写真、商品・サービス情報」などを整え、SNS投稿と同じ情報へたどり着ける状態を作ることが重要です。


日本で「MEO」と呼ばれる施策も、シンガポールでは単独のテクニックとして考えるより、SNSで生まれた興味をローカル検索で受け止める仕組みとして考えると分かりやすいでしょう。


認知施策と検索施策を分断しないことが、オンラインプロモーションの成果を実際の来店へつなげますので、ここを怠らずに整えていくことが大切なポイントです。


小紅書(Xiaohongshu/RED)の施策での位置付け


さらに小紅書(Xiaohongshu/RED)について、中華系・中国語圏向け施策での位置付けを掘り下げていきましょう。


小紅書(Xiaohongshu/RED)は、InstagramやTikTokと同列に「シンガポール全国民向けの必須SNS」と考えるより、中国語コンテンツとの親和性が高い層や、中国・中国語圏との情報接点を持つ層へアプローチする選択肢として考えるのが適切です。


2025年にDigital Business Labが香港・シンガポールで行った民間調査でも、シンガポールで小紅書が商品・サービスの情報探索に使われている状況が報告されています。


※この民間調査はIMDAなどの政府統計とは対象・定義が異なるため、国内全体のSNS普及率として比較するべきではありませんが、ターゲット層次第では有効な手法と捉えることができます。


実務面で見た場合は、美容、ファッション、飲食、旅行、ライフスタイルなど「検索しながら口コミを見る」商材で検討しやすいチャネルと言えるでしょう。


中国語投稿を作る場合も中国本土向けコンテンツをそのまま転用するのではなく、シンガポール在住者が知りたい「価格、場所、購入方法、体験価値」にローカライズすることが重要なポイントだと言えます。


チャネル別に「利用層・向く商材・コンテンツ・目的」を整理する


最後にチャネル別に「利用層・向く商材・コンテンツ・目的」を整理するという点に触れていきましょう。


意外と見誤ってしまうケースが多いのですが、各チャネルは「どれが一番人気か」より、自社の目的との相性で選ぶべきなのです。


下記に「チャネル名」と「向きやすい商材・テーマ」、そして「主なコンテンツ」や「主な目的」についてリスト化しましたので、自社製品・サービスにはどれが候補に入るのかをチェックしていきましょう。


・Instagram…食品、美容、ファッション、旅行、工芸(主なコンテンツは「写真、Reels、カルーセル」であり、主な目的は「認知・保存・ブランド理解」)

・TikTok…食品、観光、体験、若年層向け商材(主なコンテンツは「短尺動画、体験動画」であり、主な目的は「認知・拡散・興味喚起」)

・YouTube…旅行、高額商品、技術・ブランド(主なコンテンツは「長尺動画、レビュー」であり、主な目的は「理解・比較検討」)

・Facebook…イベント、地域情報、幅広い年代向け(主なコンテンツは「告知、記事、動画」であり、主な目的は「情報提供・送客」)

・Google検索・マップ…店舗、施設、サービス、観光(主なコンテンツは「店舗情報、レビュー、Web」であり、主な目的は「比較・来店・問い合わせ」)

・小紅書…美容、食品、旅行、ライフスタイル(主なコンテンツは「レビュー、体験、How-to」であり、主な目的は「中国語圏向け発見・比較」)


このように、SNSだけで完結させず、認知→比較→検索→購入で役割を分けることが重要!


もちろん上記が全てのケースに当てはまるわけではりませんが、ある程度の向き不向き、そして主要コンテンツと目的にマッチしているチャネル・媒体を選ぶことで、より優れた成果を出すことができるでしょう。


インフルエンサー(KOL)活用の実務について

シンガポールでのインフルエンサー(KOL)起用の実務の流れ

ここからはインフルエンサー(KOL)活用の実務についてについて解説をしていきます。


シンガポールでインフルエンサーを活用する場合、フォロワー数の大きさだけで選定するのはおすすめできません。


多民族・多言語市場だからこそ、その人物がどのコミュニティ、年代、生活圏に影響力を持っているかを確認する必要があるのです。


またインフルエンサーマーケティングも広告である以上、ASAS(Advertising Standards Authority of Singapore/シンガポール広告基準局)のルールを無視できません。


※ASASはスポンサー付きコンテンツの開示について、明確で目立つ形で表示するよう求めています。


※健康・美容関連ではHSA(Health Sciences Authority/シンガポール保健科学庁)の規制が関係する場合もあるため、企画段階で確認することが必要です。


このように様々な知っておくべきポイントがあり、それらを含め適切に実務に落とし込むことで望む成果を得ることができるので、見落としの内容に各項目をしっかりとチェックしていきましょう。


インフルエンサー起用からの進め方


まずインフルエンサー起用からの進め方についてですが、インフルエンサー起用は「ターゲット設定→候補選定→企画→投稿→検証」の順で進めるのが理想的です。


ここがブレると結果のぶれてしまうのですが、インフルエンサー施策で最初に行うべきなのは、候補者探しではなくターゲット設定なのです。


・30代の子育て層へ食品を届けたい

・高所得層へ地方旅行を紹介したい

・若年層へ日本のファッションブランドを知ってほしい


単純に「シンガポールで有名な人」を探すのではなく、上記のように目的の具体化が必要です。


その後に「候補者の投稿テーマ、視聴者属性、使用言語、過去のPR投稿、コメント内容」などを確認して選定をするのがスマート!


※また投稿後は再生数だけではなく「Web流入、保存、検索、クーポン利用、EC購入」など目的に合った指標を確認することも大切です。


ターゲット設定→候補選定→企画→投稿→効果検証を一連の業務として管理すると、「投稿して終わり」になりにくくなるためぜひ試してみてください。


大型KOLだけでなくマイクロインフルエンサーを活用するメリット


次に大型KOLだけでなくマイクロインフルエンサーを活用するメリットについても触れていきましょう。


大規模なフォロワーを持つKOLは幅広い認知を取りやすい一方、すべての商品で最適とは限りません。


専門性の高い食品、地域観光、工芸、美容、育児などでは、フォロワー規模が比較的小さくても、特定テーマについて日常的に発信しているマイクロインフルエンサーの方がターゲットとの距離が近い場合があります。


たとえば「日本好き」だけではなく、日本の地方旅行、和食、クラフト、アウトドアなど、商品と関係するテーマを継続的に扱っているかを見ることが重要です。


また一人の大型KOLへ集中するより、異なる生活者層を持つ複数のクリエイターを起用し、どの切り口が反応されるかを比較する方法もあります。


ただし「マイクロなら必ず費用対効果が高い」という保証はない点に注意が必要です。


重要なのは規模ではなく、届けたいコミュニティとの一致度とコンテンツの信頼性で選ぶことですので、この点を誤解せずにマイクロインフルエンサーを候補に加える選択肢を検討してみてはどうでしょうか。


フォロワー数より民族・言語・生活圏・商材との相性を見る


またフォロワー数より民族・言語・生活圏・商材との相性を見る重要性についても触れていきましょう。


これはシンガポールでのSNSマーケティングに限った話ではありませんが、フォロワー数だけを見ると、施策の対象がずれることがあります。


たとえば英語中心のクリエイターと、中国語を多用するクリエイターでは接触するコミュニティが異なる可能性があるでしょう。


また「ファミリー向け、ムスリム向けライフスタイル、グルメ、高級旅行、ファッショ」ンなど、同じ国の中でも情報発信の属性は大きく異なります。


だからこそ選定時にはフォロワー数、平均再生数だけでなく、「コメントの質、過去のPR比率、言語、居住者向けか旅行者向けか」など属性の確認をすることが大切です。


「誰が有名か」ではなく「誰の言葉なら今回の顧客が動くか」という視点が、KOL活用では欠かせない要素だと覚えておきましょう。


PRや提供投稿はASASの広告ガイドラインを踏まえて明示する


さらにPRや提供投稿は「ASASの広告ガイドライン」を踏まえて明示する点に触れていきましょう。


インフルエンサーへ報酬を支払ったり、商品・サービスを提供したりする場合は、広告であることが利用者に分かる形で示す必要があります。


ASASの「Guidelines on Interactive Marketing Communication and Social Media」では、スポンサー付きコンテンツの開示について、明確かつ目立つこと、可能な限り早い位置に表示すること、支払いを受けたコンテンツであることが分かることなどを示しています。


そのため投稿文の最後に分かりにくい表現を置くだけではなく、閲覧者が広告・PR関係を理解できる表示を企画段階で決めておくべきです。


※日本企業側も「現地インフルエンサーに任せたので知らなかった」で済ませず、投稿前に表示方法を確認する体制が必要です。


シンガポール向けSNSマーケティングでは、クリエイティブの自由度を尊重しながらも、広告主として透明性を確保することが信頼維持につながることを覚えておきましょう。


健康・美容など規制対象商材は広告規制確認が前提


最後に健康・美容など「規制対象になり得る商材」は、投稿前の広告規制確認を前提にすることが重要です。


具体的には「健康食品、サプリメント、医薬品、化粧品」などをインフルエンサーが紹介する場合は、一般商品以上に広告表現の確認が重要です。


HSA(シンガポール保健科学庁)は、医薬品、健康補助食品、化粧品などについてそれぞれ広告・表示に関するルールを設けています。


たとえば化粧品の広告では、化粧品の定義を超えるような疾病治療等の主張は認められず、健康補助食品についても虚偽・誤解を招く表示や疾病の治療・予防をうたう表現には制約があります。


※ただし適用される制度は商品分類によって異なるため、都度確認をすることが大切です。


美容・健康関連のシンガポールプロモーションでは、投稿制作に入る前に自社商品の分類と広告規制をHSA等の最新情報で確認する。


そのうえで必要に応じて専門家へ相談することを前提に進めていくことが重要なのです。


日本ブランド・自治体のプロモーション事例

熊本県・高知県・JNTOによるシンガポール向けプロモーション事例

ここからは日本ブランド・自治体のプロモーション事例について解説していきましょう。


シンガポール向けプロモーションを考える際は、SNS投稿のテクニックだけを見るより、日本側が現地で「どう体験化・ローカライズしたか」を見る方が参考になります。


例えば公開情報で確認できる事例として、2024年にJCC(Japan Creative Centre/在シンガポール日本国大使館ジャパン・クリエイティブ・センター)で行われた熊本県・高知県のイベントがあります。


※他にも2026年にはJNTOシンガポール事務所が「GO Japan Lah!」を展開し、現地クリエイターとユーザー参加型企画を組み合わせています。


これらに共通するのは、日本側が一方的に説明するのではなく、現地の人が参加・体験・共有できる形へ編集していることです。


そういった事例を参考にすることで、自社に当てはめてのプロモーションが見えてくる場合もあるため、ぜひ各項目を参考にしてみてください。


【熊本県事例】くまモン×体験イベントで認知から「参加」に


まずは熊本県の事例として、「くまモン×体験イベント」で認知を「参加」に変えたJCC施策を深堀りしていきましょう。


2024年9月6日、JCCでは熊本県のPRキャラクター「くまモン」を活用した熊本プロモーションイベントが開催されました。


※公式案内では、子ども向けの塗り絵・デザイン企画、くまモンとのダンスや写真撮影、熊本県の紹介に加えて、NUS(シンガポール国立大学)の学生による熊本フィールドスタディの発表まで、時間帯別に異なるプログラムが組まれています。


ここから学べるのはキャラクターを広告ビジュアルとして使うだけでなく、「会う」「踊る」「作る」「現地学生の視点で聞く」と複数の参加方法を設けたという点です。


公式公開情報から広告費や売上効果を推測することはできませんが、プロモーション設計としては非常に優秀であり、知名度のあるキャラクターを入口に「子ども・家族・日本に関心を持つ学生」などへ接点を広げた事例と分析することが可能です。


仮にオンラインマーケティングでも、見るだけの投稿から参加・共有したくなる体験へ変換する発想が参考になるため、オンライン・オフラインを問わずに認知→参加の施策を検討してみるのも良いでしょう。


【高知県事例】ゆず・よさこい・日本酒を組み合わせ地域を体験化


次に高知県の事例である、ゆず・よさこい・日本酒を組み合わせて地域を体験化した施策に触れていきましょう。


2024年9月28日にJCCで開催された「Kochi’s Festival of Flavours」では、高知県を単に観光地として紹介するのではなく、ゆず、よさこい、日本酒という異なる地域資源を組み合わせてイベント化しています。


※公式案内では、ゆず商品の試食、高知県やゆずの紹介、よさこいの実演・ワークショップなどが盛り込まれ、地域を複数の感覚で体験できる構成になっています。


この事例のポイントは、「高知県へ来てください」という地名中心の訴求ではなく、食べる・踊る・学ぶという体験を通して地域を理解してもらう設計であることです。


SNSでも同じで、日本で作った観光ポスターを英訳するだけではなく、「シンガポールの生活者が何を面白いと感じ、何を動画にしたくなるか」へ変換する必要があります。


こちらも公開情報から売上等の効果を断定することはできませんが、地域資源を現地消費者が参加できるコンテンツに編集する好例として参考になるため、気になる方は公式を含め色々と確認することをオススメします。


【JNTO事例】「GO Japan Lah!」に学ぶ現地クリエイター活用とUGC設計


またJNTO事例として、「GO Japan Lah!」に学ぶ現地クリエイター活用とUGC設計について触れていきましょう。


JNTOシンガポール事務所は、日本・シンガポール外交関係樹立60周年の2026年に「GO Japan Lah!」キャンペーンを展開しています。


公式サイトをチェックするとわかりますが、シンガポールのコンテンツクリエイターであるAiken Chia氏をTravel Ambassador、Xenia Tan氏やLeslie Koh氏らをTravel Curatorとして紹介し、それぞれの目線から日本旅行のストーリーを発信しています。


さらに2026年7月1日から9月13日まで「GO Share Japan Lah!」写真・動画コンテストを実施し、シンガポール居住者自身が日本で撮影したコンテンツを投稿できる仕組みも設けている点も見逃せないポイントです。


ここで注目すべきなのは、日本側が完成した広告を見せるだけではなく、現地クリエイターによる語り→生活者自身によるUGC(ユーザー生成コンテンツ)参加へ広げていることです。


日本企業でも、KOL投稿を一度配信して終わるのではなく、消費者が自分の体験を共有したくなる仕組みまで設計すると施策の広がりを作りやすくなります。


こうした「広がり」を意識した企画や設計はオンラインプロモーションでは非常に重要ですので、施策の方向性次第では取り入れてみることをオススメします。


成功事例は「誰向けにどう翻訳したか」で分析する


さらに成功事例は「使ったSNS」ではなく、「誰向けにどう翻訳したか」で分析するという点に触れていきます。


他社や自治体の事例を見るとき、「Instagramを使っているからInstagramをやろう」「インフルエンサーを起用しているから同じことをしよう」と表面的に真似すると失敗しやすくなります。


例えば熊本県の事例なら、くまモンという入口から子ども向け体験、ダンス、大学生による発表まで対象者ごとに接点を綺麗に作っています。


また高知県では「ゆず、よさこい、日本酒」を組み合わせ、地域を五感で理解できる形へ編集していますし、JNTOの「GO Japan Lah!」では、現地クリエイター本人の言葉で日本を語らせています。


これらに共通するのは使用した媒体ではなく、日本側が伝えたい情報を「シンガポール側が参加・共感しやすい形」へ置き換えたことです。


事例分析では「媒体、動画尺、投稿回数」などの数字を見ることも大切ではありますが、「誰をターゲットにして、その人にとって何が面白い形へ翻訳されているか」を読み取ることが、自社施策へ応用するうえで重要だと覚えておきましょう。


日本企業が事例を真似るならチャネルよりローカライズの考え方


最後に日本企業が事例を真似るなら、チャネルよりローカライズの考え方を参考にするという点を掘り下げていきましょう。


日本企業が公的プロモーション事例を参考にするときは、規模や予算をそのまま再現する必要はありません。


たとえば食品ブランドなら、日本の産地説明を長く掲載する代わりに「シンガポールでどう食べるか」を短尺動画にする。


工芸ブランドなら職人の歴史だけでなく、現地住宅でどう使えるかを見せる。


自治体なら名所一覧ではなく、現地クリエイターが一日過ごすルートとして提案するといった方法があります。


ローカライズとは単なる英訳ではなく、「商品価値の見せ方、利用シーン、話者、動画のテンポ、CTA」まで現地向けに再設計することです。


※熊本県、高知県、JNTOの公開事例も、それぞれ日本固有の素材を残しながら、現地で参加・理解しやすい入口を作っています。


自社の規模に合わせて、この「翻訳の考え方」だけを抽出して応用する方が、他社事例の表面的なコピーより再現性があるため、そのあたりを意識しながら施策を練ってみることをオススメします。


オンラインだけで終わらせない連動設計

SNSでの認知獲得から店頭・展示会・ECへつなぐ連動設計

ここからはオンラインだけで終わらせない連動設計、というテーマで解説をしていきましょう。


意外とありがちな落とし穴なのですが、シンガポール向けSNSマーケティングでは、「フォロワーを増やすこと」を最終目標にしないことが重要です。


商品を販売したいなら小売やECへ、観光施設なら予約や来訪へ、BtoB商材なら展示会や問い合わせへつなげて初めて成果になります。


国土がコンパクトなシンガポールでは、オンラインで商品を知った人が店舗やイベントへ足を運ぶ導線も作りやすいため、SNSとオフラインを分離せず設計する価値があります。


※例えばInstagramやTikTokで興味を持たせ、Googleで検索できる状態を整え、店舗・展示会・ECで体験や購入へつなぐ、などチャネルを点ではなく一連の流れとして組み合わせることが重要。


シンガポール市場に限らず、オンラインプロモーション・マーケティングでぇあ、各工程の連動設計・計画が非常に重要ですので、ぜひ各項目を参考にしてみてください。


SNSで認知を取った後に小売店頭へどう送客するか


まずSNSで認知を取った後に小売店頭へどう送客するか、という点について触れていきましょう。


もし日本ブランドがシンガポールの小売店に商品を置いている場合、SNS投稿の目的を「商品を知ってもらう」で止めず、「どこで買えるか」まで伝える必要があります。


例えば投稿には「販売店名、エリア、販売期間、取扱商品」などを分かりやすく入れ、プロフィールやWebページから店舗情報へ移動できるようにするとよいでしょう。


※期間限定フェアなら開催前に認知を取り、開始日に商品の見せ方を投稿し、期間中は購入者やインフルエンサーの体験コンテンツを追加すると、来店理由を継続的に作れます。


また店頭側でもSNSで見た商品がすぐ分かるPOPやQRコードを設置すれば、オンラインとオフラインの情報がつながります。


ここで重要なのは、オンラインのリーチ数と店舗販売を別施策として扱わないことです。


「SNS→Google検索・マップ→店舗→購入後のSNS投稿」まで一つのループとして考えることで、認知を実際の購買へ近づけることができるため、送客からの流れをイメージしながら施策・集客を行っていきましょう。


展示会・ポップアップの前後でSNS発信をどう組み合わせるか


次に悩む人も多い展示会・ポップアップの前後で、「SNS発信をどう組み合わせるか」という点に触れていきます。


展示会やポップアップを実施する場合、SNSは開催中だけではなく前後に使うことで価値が高まります。


その際に、開催前には「いつ・どこで・何が体験できるか」を動画や画像で告知することで、来場予定者増加につながります。


そして開催中は会場の様子、人気商品、デモンストレーション、来場者が参加できる体験をリアルタイムで発信します。


さらに終了後には、反応が良かった商品や体験、インタビューなどを再編集し、ECや次回イベントにつなげる流れが理想的です。


※2024年のJCCによる熊本・高知イベントのように、オフラインで「踊る」「試食する」「体験する」要素を作れば、SNSでも視覚的に伝えやすくなるでしょう。


シンガポール向けプロモーションでは、イベントそのものをゴールにせず、発信素材を生み出す場として活用することも重要ですので、そのあたりも含めてSNS発信・運用を検討してみてはどうでしょうか。


ECはインフルエンサー投稿から購入までの導線を短くする


またECはインフルエンサー投稿から購入までの導線を短くすることが大切です。


インフルエンサー投稿で商品に興味を持っても、購入ページを探すのに何段階も必要なら途中で離脱しやすくなってしまいます。


もしECを利用する場合は、投稿から商品ページやキャンペーンページへできるだけ「迷わず移動できる設計」が重要です。


たとえばプロフィールリンク、商品別ランディングページ、キャンペーンコードなどを使えば、どの投稿から購入につながったかも検証しやすくなります。


またインフルエンサーが紹介した商品とリンク先の商品名・画像・価格帯が一致していることも重要です。


※例えば投稿では限定セットを紹介しているのに、ECでは商品を一から検索させる設計では機会損失が起きます。


KOL活用を「認知施策」、ECを「販売施策」と別々に考えず、投稿を見た直後の熱量をそのまま購入行動へ移せるか、を基準に導線を確認することが大切!


広告費やインフルエンサー費用だけでなく、購入までの操作性も成果を左右するため、実際に自身で操作を行いながらユーザビリティの確認をしてみることをオススメします。


【補足】Google検索・MEOはSNS接触後の需要を受け止める


補足としてGoogle検索・MEOはSNS接触後の「比較・来店需要」を受け止める、という点にも触れていきましょう。


InstagramやTikTokでブランド名を初めて知った消費者が、その場でフォローや購入をせず、後からGoogleで検索することは珍しくありません。


そのためSNS運用と同時に「検索時の受け皿」を整える必要があります。


店舗型ビジネスならGoogle Business Profile上の「住所、営業時間、写真、Webサイト」などを最新状態にし、検索結果とSNS上の情報に食い違いがないようにします。


※商品ブランドなら、ブランド名や商品名で検索したときに英語の公式ページへ到達できる状態を整えます。


日本ではGoogleマップ施策を「MEO」と呼ぶことが多いですが、シンガポール市場では用語そのものより、SNS接触後にブランドを検索した人を迷わせないことが重要です。


短期広告だけで認知を作っても、検索結果に現地向け情報がなければ購入・来店につながりません。


SNSと検索を同じカスタマージャーニー上で考える必要があるため、情報の食い違いに気をつけながら整えていきましょう。


シンガポール向けプロモーションで日本企業が失敗しやすいポイント

シンガポール向けプロモーションで日本企業が失敗しやすいポイント

ここからはシンガポール向けプロモーションで、日本企業が失敗しやすいポイントについて解説をしていきましょう。


例えばシンガポールでオンラインプロモーションを始める際、日本企業が陥りやすいのは「海外向け=英訳」と考えてしまうことです。


実際には言語だけでなく、「情報量、動画のテンポ、商品の利用シーン、KOLの選び方、購入導線」まで現地向けに設計する必要があります。


またSNSの再生数だけを追い、店頭販売や問い合わせとの関係を測らなければ、施策が成功したか判断できません。


シンガポール市場ではデジタル接点が多いからこそ、各工程を一貫して設計・計画しつつ、適切に数値や成果を判断しなければなりません。


さらに、その後の販売や商談まで見据えて進めることも大切ですので、そのあたりも含めて各項目をチェックしつつ、自社に最適な動きを模索してみましょう。


日本向けの画像・動画・コピーを英訳するだけでは刺さりにくい


まず日本向けの画像・動画・コピーを英訳するだけでは刺さりにくい、という点に触れていきます。


意外と陥りがちな部分なのですが、日本で反応の良かった広告素材を英語へ翻訳すれば、そのままシンガポールでも成果が出るとは限りません。


日本市場では有名な産地名、芸能人、季節行事、商品カテゴリでも、現地では背景知識がないことが珍しくありません。


また日本企業が好む丁寧で情報量の多い説明より、SNSでは「何が違うのか」「自分が使うとどうなるのか」を最初に見せた方が理解されやすい場合もあります。


・日本酒なら製法説明だけでなく料理との組み合わせ

・工芸品なら職人歴だけでなく現代住宅での使用シーン

・観光なら歴史説明より具体的な体験を入口にする訴求方法


上記のような見せ方が響くケースもあるのです。


正しい意味でのローカライズとは日本語のコピーを正確に英訳することではなく、現地の消費者が価値を理解する順番へ内容を組み替えること!


日本版クリエイティブは素材として活用しつつ、シンガポール向けに構成そのものを再設計する選択肢があることを覚えておきましょう。


「英語圏」と一括りにして民族・文化・所得層を見ないのは危険


次に「英語圏」と一括りにしてしまい、「民族・文化・所得層」を正しく見ないのは危険という部分を掘り下げていきます。


シンガポールは英語を広く使えるため、日本企業にとって参入しやすく見える市場です。


しかし「英語圏」という一言で消費者像をまとめると、重要な違いを見落とします。


再び2025年の政府統計について触れますが、居住者人口は中国系73.9%、マレー系13.5%、インド系9.0%、その他3.5%という多民族構成です。


その中でも年齢、所得、宗教、家族構成、海外旅行経験、使用言語などによって購買理由は異なります。


そのため実際のマーケティングでは「30代共働きファミリー」「高所得の日本旅行リピーター」「美容情報を中国語でも検索する若年層」のように、行動とニーズを中心にセグメントを設計しつつ、必要に応じて言語・文化要因を加える方法が現実的です。


英語対応は入口であって、ターゲット理解の代わりにはならないため、言語と「民族・文化・所得層」などの属性はわけて考えるのが正しいマーケティングだと言えるでしょう。


インフルエンサーをフォロワー数だけで選ぶとターゲットがずれる


またインフルエンサーをフォロワー数だけで選ぶとターゲットがずれる、という点にも触れていきます。


これは本文中でも触れてきましたが、インフルエンサーの「フォロワー100万人だから効果が大きい」と安易に判断するのはリスクが高まります。


例えばフォロワーの多くが国外在住者であったり、自社商品のターゲットと年代が違ったりすれば、再生数が伸びてもシンガポールでの購入にはつながりません。


また普段はエンタメ中心の発信者に専門性の高い商品を依頼すると、広告感が強くなり、視聴者との相性が悪くなる場合もあります。


候補者を評価するときは、フォロワー規模だけでなく、シンガポール居住者への「リーチ、投稿言語、テーマ、コメント、過去のPR案件」、そして「通常投稿とPR投稿の反応差」などを見る必要があります。


※さらに複数KOLを起用する場合は、全員に同じ台本を読ませるより、それぞれの視聴者に合った切り口を設定した方が自然です。


インフルエンサー選定はメディア購入ではなく「その人のコミュニティへの参加」と考えると、単純なフォロワー比較から抜け出しやすくなるでしょう。


インフルエンサーを活用したプロモーション・マーケティングは近年有効ではありますが、ターゲット層や属性選びを誤ると予算を無駄に消費してしまうため、丁寧に選び依頼をすることが大切です。


認知・来店・問い合わせ・購入のKPIを分けないと成果を判断できない


さらに認知・来店・問い合わせ・購入のKPIを分けないと成果を判断できない、という点にも触れていきます。


例えばSNS施策の成果を「いいね数」だけで判断すると、本来のビジネス目標とのズレが生じてしまいます。


・認知を目的にするならリーチや動画視聴

・興味関心なら保存やプロフィール閲覧

・店頭送客ならマップ検索やキャンペーン利用

・ECなら商品ページ訪問や購入

・BtoBなら問い合わせや商談化


上記のように段階ごとに見る指標は異なるものです。


またシンガポール進出初期は、初回キャンペーンですぐ売上最大化を狙うより、「どのターゲットがどのコンテンツに反応するか」を確認する検証型のKPIを設定する方法もあります。


※逆に認知目的の施策に対して短期売上だけを求めると、本来機能している施策を早く止めてしまう可能性があるため注意が必要です。


そのため「目的→KPI→計測方法」を投稿前に決めることが重要なのです。


媒体広告の費用対効果も一律の相場では判断せず、達成したい成果と配信設計に基づいて評価することをオススメします。


SNS運用を単発施策で終わらせず現地販路・商談までつなげる


最後にSNS運用を単発施策で終わらせず、現地販路・商談までつなげるべきという点に触れていきましょう。


これも本文で触れてきた内容ではありますが、非常に大切なポイントですので振り下げておきたいと思います。


シンガポール向けSNSマーケティングの最終目的は、フォロワーを増やすことではなく、現地で継続的に商品・サービスが選ばれる状態を作ることです。


SNSで認知を取っても「販売店がない、ECで買えない、問い合わせ先が英語対応していない」、など状況が整っていない場合は機会を逃してしまいます。


※他にもBtoBの商談相手が決まっていない状態、これも関心を事業成果へ変えることが難しい状態の1つです。


そのためオンライン施策と並行して、小売・代理店・輸入業者・展示会など実際の販路を設計することが重要です。


シンガポール市場でも「SNSでどう見せるか」と「その後どこで売るか」を同時に考えることが、単発プロモーションで終わらせないためのポイント!


オンライン施策と現地販路の双方を見ながら進めることで、認知を商談・取引へつなげやすくなるため、現地販路・商談までつなげる意識を持ちながら各種プロモーション・デジタルマーケティングを展開していきましょう。


シンガポール市場はデジタルマーケティングやSNS活用が重要

シンガポール市場でデジタルマーケティングとSNS活用が重要になる理由

今回はシンガポール市場向けのオンラインプロモーション実務ガイドとして、SNS・インフルエンサーの活用をメインに、様々な視点で解説をしてきました。


振り返りになりますが、シンガポール向けプロモーションで成果を高めるには、「英語でSNSを運用する」という段階から一歩進み、ターゲットごとにチャネル、言語、クリエイティブ、購入導線を組み合わせることが重要です。


そしてInstagramやTikTokは認知獲得、YouTubeは理解促進、Google検索・マップは比較や来店、小紅書は中国語コンテンツと親和性のある層への接点というように、それぞれの役割は異なることを知っておくことが大切です。


またインフルエンサー施策でもフォロワー数だけを見るのではなく、発信テーマや言語、生活者との距離を確認し、PR表記や商材ごとの広告規制にも配慮する必要があります。


さらにSNSで話題を作って終わるのではなく、小売店、EC、展示会、現地パートナーとの商談まで接続できて、初めてプロモーションは海外事業の成果につながると言えるでしょう。


もしいずれかの項目に不安がある方、または全体を通して整えていきたいと思っている方は、ぜひ株式会社Link Globalまで気軽に相談ください。


アジア市場を中心に市場調査やターゲット設計、現地向けプロモーションやパートナー開拓、そして展示会・商談など各種サポートが可能です。


シンガポール市場の特性を踏まえ、認知と販路を同時に設計することが継続的な海外展開を実現する近道となるため、不安な項目がある場合には外部の専門家のサポートとして、是非弊社まで気軽に相談ください。



あわせて読みたい関連記事


コメント


浜松町ダイヤビル 2F

株式会社Link Global​

〒105-0013

東京都港区浜松町2丁目2番15号

© 2024-2026 株式会社Link Global

  • LinkedIn
bottom of page