抹茶の市場規模と輸出統計2026|輸出額・国別内訳・価格高騰をデータで解説
抹茶の市場規模を示す数字は、何を示したいかによって選ぶ必要があります。結論から言うと、押さえておくべき数字は次の3つです。
【日本からの抹茶の輸出】2025年に603.8億円・8,718トン(抹茶を含む「粉末状の緑茶」。財務省貿易統計)
【日本の緑茶輸出全体】2025年に721億円・12,612トンで過去最高。2026年は1〜8月で674億円
【世界の抹茶市場】民間調査会社の推計で、2025年に約9.7億〜51億ドル。定義の違いで5倍以上の幅がある
日本からの抹茶などの輸出は、2019年の約89億円から6年で約7倍に増えました。ただし2026年は原料の値上がりが続き、輸出額は伸びる一方で、輸出量は前年を下回る月が出ています。
本記事では、これらの数字の出典と定義、国別の内訳、2026年に起きている価格高騰と供給不足、民間推計の読み方を、事業計画や社内資料に引用できる形で整理します。
【本記事のデータについて】輸出の数値は財務省「貿易統計」によります(農林水産省「茶をめぐる情勢」(令和8年10月)と、参議院常任委員会調査室・特別調査室「茶の輸出拡大」(2025年12月)に掲載された値)。2026年の月次値は日本茶輸出促進協議会「日本茶輸出状況」(財務省貿易統計ベースの速報)によるもので、確報で改定される可能性があります。生産量は農林水産省「作物統計」と農林水産省資料(てん茶は全国茶生産団体連合会調べ)、2026年の取引価格は報道によります。世界の抹茶市場規模は民間調査会社の推計値です。統計は特記のない限り暦年(1〜12月)です(2026年10月時点の情報)。
資料に引用するなら:目的別に使う数字
抹茶の「市場規模」と一口に言っても、数字によって対象も集計の段階も違います。目的に合った数字を、定義と出典を添えて使うのが安全です。
【日本の抹茶輸出の規模を示したい】粉末状の緑茶の輸出額603.8億円(2025年、財務省貿易統計)。「抹茶を含む粉末状の緑茶」と注記する
【日本茶の輸出全体を示したい】緑茶の輸出額721億円(2025年、暦年)
【伸びを示したい】粉末状の緑茶の輸出額は、2019年の約89億円から2025年の603.8億円へ約7倍
【世界の市場規模を示したい】1つの数字ではなく「民間推計で約9.7億〜51億ドル(2025年)」と幅で示し、調査会社名と定義を併記する
引用するときに間違えやすい点が3つあります。
【抹茶だけの統計はない】日本の輸出統計の「粉末状の緑茶」には、抹茶のほか、煎茶などを粉砕した粉末茶も含まれる
【暦年と年度を混同しない】2025年度(2025年4月〜2026年3月)の緑茶輸出は847億円と報じられている。暦年の721億円とは集計期間が違う
【輸出額と民間推計は比べられない】輸出額は日本を出る時点の金額で、小売段階まで含む民間推計とは評価する段階が違う
日本の抹茶輸出はどれだけ伸びたか
日本の輸出統計では、2019年から緑茶のうち「粉末状のもの」を区別して集計しています。抹茶の輸出動向を見るには、この数字を使います。

図1 抹茶を含む粉末状の緑茶の輸出額は、2019年の約89億円から2025年に603.8億円へ増えた。出典:参議院常任委員会調査室・特別調査室「茶の輸出拡大」、日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績」をもとにLink Global作成
【2019年】粉末状 約2,200トン・約89億円/その他の緑茶 約2,908トン・約57億円
【2020年】粉末状 約2,375トン・約99億円/その他 約2,899トン・約63億円
【2021年】粉末状 約3,024トン・約133億円/その他 約3,155トン・約71億円
【2022年】粉末状 約3,183トン・約147億円/その他 約3,083トン・約72億円
【2023年】粉末状 約4,290トン・約216億円/その他 約3,289トン・約76億円
【2024年】粉末状 5,092トン・272.0億円/その他 3,706トン・91.8億円
【2025年】粉末状 8,718トン・603.8億円/その他 3,894トン・117.1億円
伸びが加速したのは2023年からで、2025年には前年の2倍以上になりました。緑茶の輸出額に占める粉末状の割合も、2019年の約61%から2025年には84%まで上がっています。
1kgあたりの輸出単価は、2025年に粉末状が6,927円、その他の緑茶が3,007円で、約2.3倍の差があります。
緑茶輸出全体の長期推移
緑茶全体(粉末状とその他の合計)で見ると、輸出額は2009年の34億円から2025年の721億円へと約21倍になっています。
【2009年】1,958トン/34億円
【2015年】4,127トン/101億円
【2019年】5,108トン/146億円
【2021年】6,179トン/204億円
【2023年】7,579トン/292億円
【2024年】8,798トン/364億円
【2025年】12,612トン/721億円
1kgあたりの平均輸出単価も、2018年の3,005円から、2023年に3,851円、2025年に5,716円へと上がっています。
出典:参議院常任委員会調査室・特別調査室「茶の輸出拡大」(2025年12月)図表2(原資料は日本茶輸出促進協議会。2019〜2023年の粉末状とその他は図表からの読み取り値)、日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績 2025年1〜12月」(2024年・2025年)、財務省「貿易統計」(農林水産省「茶をめぐる情勢」令和8年10月より)
輸出単価はなぜ上がっているのか
緑茶の平均輸出単価は、2024年の4,135円/kgから2025年には5,716円/kgへと、1年で約38%上がりました。この上昇は、「値上がり」と「単価の高い抹茶などの比率が増えたこと」の2つに分けて見ることができます。

図2 2025年の単価上昇(+約1,580円)の約8割は値上がり、約2割は抹茶などの比率上昇によるもの(当社試算)。出典:日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績」をもとにLink Global作成
【粉末状(抹茶など)の単価】2024年5,341円/kg → 2025年6,927円/kg(約30%上昇)
【その他の緑茶の単価】2024年2,478円/kg → 2025年3,007円/kg(約21%上昇)
【粉末状が輸出量に占める割合】2024年約58% → 2025年約69%
2025年の輸出量の内訳のまま、2024年の単価で計算し直すと、平均単価は約4,460円/kgになります。つまり上昇幅約1,580円のうち、抹茶などの比率が上がったことによる押し上げは約320円(約2割)で、残りの約1,260円(約8割)は、粉末状・その他それぞれの値上がりによるものです(当社試算)。
2026年は値上がりがさらに進んでいます。1〜8月の平均単価は8,444円/kgで、2025年平均の約1.5倍です。粉末状は9,971円/kg、その他の緑茶も4,028円/kgに上がりました。輸出量が前年同期比103%とほぼ横ばいのなか、輸出額は177%に伸びており、伸びのほとんどが単価の上昇によるものです。
出典:日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績」(2025年1〜12月、2026年1〜8月。財務省貿易統計・農林水産省農産局報告より作成)
どこの国に売れているか
2025年の緑茶の輸出数量のシェアは、米国35%、ASEAN20%、EU・英国19%、台湾13%、カナダ3%、その他10%です。
輸出額の上位10か国(2025年)

図3 最大の輸出先は米国。欧州では英国が前年の約5倍、オランダが約6倍と急伸した。出典:日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績 2025年1〜12月」をもとにLink Global作成
【1位 米国】293.4億円/4,431トン(うち粉末状254.2億円)。前年比で金額183%・数量155%
【2位 ドイツ】57.6億円/877トン(うち粉末状47.0億円)。金額169%・数量123%
【3位 英国】46.8億円/454トン(うち粉末状44.6億円)。金額504%・数量278%
【4位 タイ】29.5億円/907トン(うち粉末状21.0億円)。金額257%・数量190%
【5位 台湾】25.6億円/1,589トン(うち粉末状9.8億円)。金額113%・数量94%
【6位 カナダ】24.6億円/388トン(うち粉末状18.5億円)。金額177%・数量144%
【7位 オランダ】22.5億円/303トン(うち粉末状21.2億円)。金額594%・数量362%
【8位 オーストラリア】20.3億円/321トン(うち粉末状18.0億円)。金額263%・数量193%
【9位 マレーシア】19.4億円/506トン(うち粉末状15.9億円)。金額156%・数量108%
【10位 フランス】19.1億円/248トン(うち粉末状15.1億円)。金額200%・数量152%
伸びが際立つのは欧州です。英国は前年の約5倍、オランダは約6倍に増え、2024年の9位・16位から、それぞれ3位・7位に上がりました。EU加盟国の合計は139.5億円・1,939トン、ASEANの合計は100.3億円・2,495トンです。
数量で見ると、台湾(1,589トン)やタイ(907トン)が上位に入ります。ただし茶葉の比率が高く単価が低いため、金額では5位・4位です。米国や欧州の主要国は輸出額の8〜9割を粉末状の緑茶が占める「抹茶中心」の市場で、台湾は数量の約9割を茶葉(粉末状以外)が占めており、構造が逆です。
2026年1〜8月の上位国
2026年1〜8月の輸出額の上位は、米国(281.7億円)、ドイツ(69.4億円)、英国(44.0億円)、マレーシア(24.4億円)、台湾(23.6億円)の順です。ドイツは前年同期比242%、マレーシアは239%と伸びが大きい一方、タイ(数量59%)、台湾(同71%)、ベトナム(同71%)では輸出量が大きく減っています。
米国・EU向けでは、有機茶の比率も高くなっています。有機認証制度の同等性などの仕組みを利用して輸出された有機栽培茶の割合は、2025年に米国向けが62.8%、EU・英国向けが63.6%でした(有機JASだけでは足りない|日本茶の米国・EU輸出2026)。
国ごとの関税率や米国の追加関税の扱いは、日本茶のHSコード一覧で整理しています。
出典:日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績」(2025年1〜12月、2026年1〜8月。財務省貿易統計・農林水産省農産局報告より作成)、財務省「貿易統計」(農林水産省「茶をめぐる情勢」令和8年10月より)、ジェトロ「輸出品目別レポート(緑茶)」(2025年7月)
2026年に起きていること:値上がりと供給不足
輸出額は伸び、輸出量は減速
2026年の月別の緑茶輸出額(前年同月比)と輸出量です。

図4 2026年は輸出額が前年を大きく上回る一方、輸出量は5〜7月に前年を下回った。出典:日本茶輸出促進協議会「日本茶輸出状況」をもとにLink Global作成
【1月】61.4億円(+133.6%)/788.1トン
【2月】78.1億円(+95.9%)/1,014.1トン
【3月】95.1億円(+126.7%)/1,190.5トン
【4月】86.8億円(+84.4%)/1,069.9トン
【5月】80.4億円(+56.2%)/1,003.2トン
【6月】80.7億円(+43.3%)/968.3トン
【7月】99.6億円(+69.4%)/1,048.9トン
【8月】92.1億円(+57.3%)/900.4トン
1〜8月の累計は674億円・7,983トンで、農林水産省は「前年同時期を上回るペース」としています。ただし、金額は5月以降も前年同月比40〜70%増で推移する一方、輸出量は5月(1.5%減)、6月(14.0%減)、7月(3.1%減)と3か月続けて前年を下回りました。伸びを支えているのは、量ではなく価格です。
日本茶輸出促進協議会が毎月公表する概況にも、価格の影響を示す声が並んでいます。
「仕入れ原価に応じて価格改定を進めた結果、売上高は増加したものの受注は激減」(6月期)
「仕入れ価格帯に合わせ産地切り替えを行うも…他国への切り替えや下物の廃盤も検討」(4月期)
「中東情勢に伴い物流(主に海上コンテナ)は遅延」(4月期)
抹茶の原料(てん茶)は記録的な高値
農林水産省によると、2026年産の一番茶は前年と比べて、鹿児島県で約2倍、静岡県で約7割高い価格で取引されました。抹茶の原料であるてん茶の取引価格も、記録的な水準です。
【鹿児島県茶市場(JA鹿児島県経済連の集計)】てん茶の一番茶は13,910円/kgで、前年の2.3倍。一番茶の「本茶」も5,228円/kgで、前年(2,564円)の2倍超、1975年以降の最高値
【鹿児島県茶業会議所のてん茶一斉上場取引会】平均19,095円/kg、最高47,100円/kg(有機の部)
【JA全農京都・宇治茶流通センターの碾茶初入札(2026年5月13日)】375点・25,188kgが出品され、平均14,127円/kg(過去10年で最高)、最高40,021円/kg
なぜ足りないのか:てん茶はすぐには増やせない
てん茶の生産量は、2023年の4,176トンから、2024年に5,336トン、2025年に6,278トン(2014年比約3.2倍、荒茶全体の8.6%)と急増しています。2025年のてん茶の荒茶価格(全茶期平均)は8,562円/kgで、せん茶の約4.9倍でした。

図5 てん茶の生産は2年で約1.5倍に増えたが、需要の伸びに追いついていない。出典:農林水産省「茶をめぐる情勢」(てん茶は全国茶生産団体連合会調べ)をもとにLink Global作成
それでも需要に追いつかないのは、増産に時間がかかるためです。農林水産省の資料は、次のような制約を挙げています。
改植してから安定して収穫できるまで約5年かかる
政府支援で導入したてん茶用の荒茶加工施設は、2015〜2023年度で45施設にとどまる
石臼などの粉砕機も不足している
乗用型摘採機の導入率は、鹿児島県の99.0%に対し、京都府は22.9%
茶の生産全体はむしろ縮小しています。2025年の荒茶生産量は75,100トンで、2008年の95,500トンから約2割減りました。産地別では鹿児島(30,000トン)が静岡(24,100トン)を上回り、2年連続で全国1位です。てん茶の産地別内訳(2023年)は、鹿児島38%、京都23%、静岡12%、愛知9%、三重8%です。
日本茶輸出促進協議会の2025年の月次概況には、「海外の抹茶ブームに国内供給が追い付かない状況」「抹茶の注文を受けきれない状態」「海外旅行者による生産現場への直接買い付け事例」といった記述が続きました。2025年の緑茶の輸入量も4,610トンに増え、その88%が中国産です。なお、国内の小売店で抹茶の購入制限が行われているという話題については、当社では店舗名を伴う一次報道を確認できていません。
出典:日本茶輸出促進協議会「日本茶輸出状況」、農林水産省「茶をめぐる情勢」(令和8年10月)、農林水産省「作物統計調査 令和7年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)」、農林水産省「茶業及びお茶の文化に係る現状と課題」(令和6年11月)、南日本新聞(2026年6月4日、2026年5月14日)、食品新聞(2026年5月21日)
世界の抹茶市場規模:推計値の比較と読み方
世界の抹茶市場規模は、民間調査会社が推計値を公表しています。ただし定義によって数字が大きく違い、2025年の値で約9.7億ドルから51億ドルまでの幅があります。

図6 世界の抹茶市場規模は推計によって約9.7億〜51億ドルと幅がある。出典:各社公表資料(民間調査会社の推計値)をもとにLink Global作成
【Grand View Research「Matcha Market」】2025年51億ドル → 2033年89億ドル(年平均7.1%)
【Grand View Research「Matcha Tea Market」】2025年9.658億ドル → 2033年17.482億ドル(年平均7.8%)
【Polaris Market Research】2025年46.1億ドル → 2034年90.3億ドル(年平均7.8%)
【Emergen Research】2025年43.8億ドル → 2035年109.5億ドル(年平均9.6%)
【Market Research Future「Matcha Tea Market」】2025年39.16億ドル → 2035年77.05億ドル(年平均7.0%)
なぜ数字がこれほど違うのか
同じGrand View Researchでも、「Matcha Market」(51億ドル)と「Matcha Tea Market」(9.658億ドル)で約5倍の差があります。抹茶入りの飲料・食品・原料用途まで含めるか、飲用の抹茶製品だけを対象とするかの違いと考えられます。米国市場の推計も、1.768億ドル(Grand View Research、2025年)と6.405億ドル(Market Research Future、2024年)で3倍以上違います。
各社の定義や推計方法の詳細は有料レポートの中にあり、外部からは検証できません。資料で使う場合は「世界の抹茶市場は○○億ドル」と1つの数字で断定せず、推計の幅として示すのが適切です。年平均成長率は、どの推計も7〜10%程度の範囲に収まっています。
出典:Grand View Research(Matcha Market、Matcha Tea Market、U.S. Matcha Tea Market)、Polaris Market Research、Emergen Research、Market Research Future(Matcha Tea Market、US Matcha Tea Market)
抹茶ブームはなぜ起き、いつまで続くのか
なぜ・いつから
農林水産省や参議院の資料は、海外での需要拡大の背景として、健康志向、日本食への関心、ラテやスイーツなど食品原料としての用途の広がりを挙げています。米スターバックスは2026年2月の公式発表で、2023年に4種類だった抹茶ドリンクの通年メニューが2026年2月時点で3倍になったこと、2025年1月に無糖の抹茶パウダーを導入したことを明らかにしています。
輸出の数字で見ると、伸びが加速したのは2023年からです。粉末状の緑茶の輸出額は、2022年の約147億円から2023年に約216億円、2025年には603.8億円になりました。SNSや円安、訪日客の購入がどれだけ寄与したかを定量的に示す公的データは、当社では確認できていません。地域別・用途別の需要の動きは、世界で加速する“抹茶ブーム”で解説しています。
ブームは終わるのか
2026年の数字からは、需要が消えているのではなく、価格によって選別される段階に入ったと当社は見ています。値上げで受注が激減した事業者がいる一方で、輸出額は前年同月比40%以上の伸びが続いているためです。
むしろ大きなリスクは、日本からの供給不足が海外産への切り替えを促すことです。中国・貴州省銅仁市には、年4,000トンの抹茶生産能力を持つ工場が2017年に建設されています。同市はてん茶の生産を2026年に2,200トン以上とする目標を掲げており、実現すれば日本の2024年のてん茶生産量の約4割の規模になります。世界の緑茶生産量(2023年)は217万2,474トンで、中国が89.0%を占め、日本は3.5%にとどまります。
日本産の抹茶が選ばれ続けるには、産地ブランド、有機認証、品質の安定といった強みを、価格に見合う形で示し続けることが欠かせません。
出典:参議院常任委員会調査室・特別調査室「茶の輸出拡大」(2025年12月。International Tea Committee、貴州省工業和信息化庁などの資料を引用)、Starbucks公式発表(2026年2月25日)
政府の輸出目標
政府は「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」(2020年12月)で、緑茶の輸出額を2025年に312億円とする目標を掲げ、2024年の364億円で1年前倒しで達成しました。新たな目標は、2025年4月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」の2030年に810億円です。2025年の実績721億円は目標の約89%に当たり、2026年は1〜8月で674億円に達しています。
2025年4月に改訂された「茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針」は、てん茶・有機茶への転換、加工施設の整備、抹茶向け品種「せいめい」などの導入を打ち出しています。
出典:参議院常任委員会調査室・特別調査室「茶の輸出拡大」(2025年12月)、農林水産省「茶をめぐる情勢」(令和8年10月)
よくある質問(FAQ)
抹茶の市場規模はどれくらいですか?
世界の抹茶市場は、民間調査会社の推計で2025年に約9.7億〜51億ドルです。抹茶入りの食品・飲料まで含めるかなど、定義によって数字が大きく変わります。日本からの抹茶などの輸出額は、2025年に603.8億円でした。
日本の抹茶の輸出量はどれくらいですか?
抹茶を含む「粉末状の緑茶」の輸出は、2025年に8,718トン・603.8億円です。抹茶だけの統計はなく、この数字には煎茶などを粉砕した粉末茶も含まれます。
抹茶の最大の輸出先はどこですか?
米国です。2025年の米国向けの粉末状の緑茶は3,751トン・254.2億円で、粉末状の緑茶の輸出額の約4割を占めました。
抹茶ブームはいつから始まりましたか?
輸出統計で見ると、伸びが加速したのは2023年からです。粉末状の緑茶の輸出額は2022年の約147億円から2023年に約216億円へ増え、2025年には603.8億円まで伸びました。
抹茶はなぜ値上がりしているのですか?
海外での需要の伸びに対して、原料のてん茶をすぐには増やせないためです。改植から安定収穫まで約5年かかるうえ、加工施設や粉砕機も不足しています。2026年産の一番茶は、鹿児島県で前年の約2倍の価格で取引されました。
抹茶ブームは終わりますか?
断定はできません。2026年は輸出量が前年を下回る月が出た一方、輸出額は大きく伸びています。今後の日本産抹茶にとっては、需要の減少よりも、価格の上昇と海外産への切り替えが主な論点です。
まとめ
日本からの抹茶などの輸出は、2025年に603.8億円と6年で約7倍になり、緑茶輸出全体も721億円と過去最高を更新しました。一方、2026年は原料のてん茶が記録的な高値となり、輸出の伸びは量から価格へと移っています。
世界の抹茶市場規模は推計によって5倍以上の幅があるため、資料で使う際は定義と出典を添えることが欠かせません。抹茶ビジネスに取り組む企業にとっては、需要の大きさよりも、価格に見合う差別化と、安定した調達・品質の確保が問われる段階です。
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