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海外営業代行とは?費用相場・サービス範囲・失敗しない選び方を解説

  • 堤浩記
  • 7月14日
  • 読了時間: 10分

「海外に売りたいが、海外営業ができる人材が社内にいない」——この課題への現実的な選択肢のひとつが、海外営業代行です。本記事では、海外営業代行に依頼できる業務範囲、料金体系別の費用相場、現地代理店や商社との違い、そして失敗しない選び方までを解説します。読み終える頃には、自社に海外営業代行が合うのか、どんな基準で選べばよいのかが判断できるはずです。


海外営業代行とは?

海外営業代行とは、自社に代わって海外市場での営業活動を行うサービスです。ターゲット企業のリストアップからアポイント獲得、商談への同行・通訳、契約交渉の支援、成約後のフォローまで、海外営業プロセスの全部または一部を外部の専門会社に委託できます。

国内の営業代行と大きく異なるのは、「言語」「商習慣」「時差」「規制」という4つの壁を越える必要がある点です。単に英語や現地語が話せるだけでは商談はまとまりません。国・地域ごとの意思決定プロセスや価格交渉の文化、輸出入に関わる規制への理解が成果を左右します。だからこそ、どの国・地域に強い会社なのかが、国内営業代行以上に重要な選定基準になります。


海外営業代行に依頼できる業務範囲

一口に「営業代行」と言っても、会社によって対応範囲は大きく異なります。一般的には、次のような業務を委託できます。

・市場調査・戦略立案:ターゲット国の市場規模、競合状況、規制の確認。どの国から着手すべきかの優先順位づけ。

・ターゲットリスト作成:現地のバイヤー、ディストリビューター、小売・卸などの候補企業リストアップ。

・アプローチ・アポイント獲得:メール・電話・現地ネットワークを通じた初期アプローチと商談機会の創出。

・商談同行・通訳:オンラインまたは現地での商談への同席、通訳、商談後のフォローアップ。

・契約交渉・貿易実務の支援:取引条件の交渉支援、輸出入に伴う実務(物流・決済・書類)のアレンジ。

・成約後のフォロー:リピート受注に向けた関係維持、現地でのクレーム一次対応。

・アライアンス・事業提携先の発掘:販売先の開拓にとどまらず、現地企業との業務提携・共同開発・ライセンス供与といった事業提携(アライアンス)の候補探しと交渉支援まで対応する会社もあります。

自社がどこまでを内製し、どこからを委託するのか。この線引きを先に決めておくことが、見積もり比較の前提になります。


海外営業代行の費用相場【料金体系別】

海外営業代行の料金体系は、国内の営業代行と同じく「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3つに大別されます。公開されている相場情報を整理すると、以下のとおりです。


【固定報酬型】月額30万〜100万円

毎月決まった金額を支払う体系。予算管理がしやすく、中長期で市場開拓に取り組み、活動量を安定させたい企業に向いています。


【成果報酬型】アポイント1件5万円〜、成約額の10〜20%程度

アポイント獲得や成約など、成果に応じて費用が発生する体系。初期費用を抑えたい企業、成果の定義を明確にできる商材に向いています。


【複合型】月額固定15万〜50万円+成果報酬(成約額の3〜10%程度)

固定費で最低限の活動量を担保しつつ、成果報酬で代行会社のコミットメントを引き出す体系。稼働の担保と成果インセンティブを両立したい企業に向いています。

(出典:Digima〜出島〜「海外営業代行とは」2026年、ミツモア「海外向け営業代行会社5選」)

参考までに、国内向け営業代行の固定報酬相場は営業担当者1人あたり月額50万〜70万円程度とされています(出典:複数の営業代行会社公開情報、2026年時点)。海外向けだからといって必ずしも割高になるわけではありませんが、以下の2つの変動要因があります。

ターゲット地域による差:一般に、アジア圏は比較的費用が抑えられ、欧米圏はそれより高く、中東・アフリカはさらに高額になる傾向があります(出典:Digima〜出島〜)。日本との距離・日系支援会社の層の厚さが影響します。

業務範囲による差:アポイント獲得までなのか、商談同行・契約交渉・貿易実務まで含むのかで、金額は大きく変わります。「月額◯万円」という数字だけを比較せず、その金額に何が含まれているかを必ず確認してください。

なお、成果報酬型は初期リスクが低く見えますが、注意点もあります。「アポイント」の定義が曖昧なまま契約すると、質の低い商談に対しても費用が発生します。また、海外営業は成約までのリードタイムが国内より長いため、成約ベースの成果報酬では代行会社側が受けたがらず、対応できる会社が限られるのが実情です。


海外営業代行のメリット・デメリット

メリット

・海外営業人材を採用・育成するコストと時間をかけずに、すぐ市場開拓を始められる

・現地の言語・商習慣・ネットワークを持つプロの力を借りられる

・固定費(人件費)を変動費化でき、撤退判断もしやすい


デメリット

・営業ノウハウが社内に蓄積しにくい

・丸投げにすると、自社商品の強みが正しく伝わらないまま商談が進むリスクがある

・成果が出るまでの期間(一般に6ヶ月〜1年以上)は費用が先行する

デメリットの多くは「委託の設計」で軽減できます。定例ミーティングで商談の中身まで共有を受ける、将来的な内製化を見据えて知見を吸収する、といった関わり方をすれば、代行は「ノウハウが残らない外注」ではなく「海外営業の立ち上げ伴走」として機能します。


モノとサービスで異なる、海外営業代行のポイント

見落とされがちですが、扱う商材が「モノ(有形の製品)」か「サービス(無形商材)」かで、海外営業代行に求めるべき能力は大きく変わります。


モノ(製品・食品・工芸品など)を売る場合

営業活動と貿易実務は切り離せません。営業の後ろには物流・関税・決済のアレンジ、そして規制・認証への対応が付いてきます。商談前には、貿易条件込みの輸出向け価格表、最低ロット、サンプルの準備が必要です。

つまずきやすいのは、対象国の規制や認証の見落としです。商談がまとまりかけても、認証をクリアしていなければ最後の段階で止まります。たとえば台湾では、製品カテゴリによってNCC認証やBSMI認証が必要です。詳しくは「▶ 台湾のNCC/BSMI認証ガイド」で解説しています。代行会社を選ぶ際は、アポイント獲得力に加えて、規制の事前確認や物流・決済のアレンジまで対応できるかを確認してください。


サービス(IT・コンサル・店舗業態など)を売る場合

物流や関税はない代わりに、「現地で誰が・どうやってサービスを提供するのか」という提供体制の設計が本質になります。つまずきやすいのは「売れたのに提供できない」という体制の穴です。自社から遠隔で提供できるのか、現地パートナーに提供を委ねるのか。後者であれば、営業代行に求めるのは「顧客を見つける力」よりも「提供パートナーを見つけ、ライセンスや業務提携のスキームを組む力」です。つまりサービス業の海外展開は、後述するアライアンス型に近づいていきます。

自社の商材がどちらのタイプかによって、次章の「代理店・商社との比較」の読み方も変わってきます。


現地代理店・商社との違い

海外販路をつくる手段は営業代行だけではありません。現地代理店(ディストリビューター)や商社の活用と比較して、自社に合う形を選ぶことが重要です。

海外営業代行:代行会社が自社の営業部隊として動きます。顧客との関係を自社が直接把握でき、コントロールは高い。コストは月額費用・成果報酬。市場参入の初期〜販路の検証段階に向きます。

現地代理店:自社商品を代理・仕入販売する独立事業者。顧客接点は代理店側に持たれやすく、コントロールは代理店の意欲に依存します。コストは販売マージン。販売が軌道に乗り、現地で面を広げる段階に向きます。

商社:商品を買い取り転売する形。貿易実務を自社で持たずに輸出できる反面、最終顧客との関係は最も遠くなります。コストは仕切り価格(買取差益)。

営業代行は「顧客との関係を自社に残しながら」市場を検証できるのが最大の特徴です。一方、販売数量を安定的に伸ばすフェーズでは現地代理店の開拓が有効になります。代理店選びの具体的な手順は「▶ 海外代理店の探し方と選び方」で詳しく解説しています。


「売る」の先にある、アライアンス(事業提携)という選択肢

もうひとつ知っておきたいのは、海外展開のゴールは「販売」だけではないという点です。営業活動を通じて出会った現地企業と、代理店契約よりも踏み込んだ関係——共同開発、ライセンス供与、相互販売、合弁事業といった事業提携(アライアンス)に発展するケースは少なくありません。

特に、単価の高いBtoB商材や、現地でのローカライズが必要な商品・サービスでは、「1社ずつ売る」よりも「現地に根を張ったパートナーと組む」方が、結果的に速く大きく市場を獲得できることがあります。海外営業代行を選ぶ際も、目の前のアポイント獲得力だけでなく、商談相手が提携パートナーとして適切かを見極める目利き力や、提携交渉まで伴走できる体制があるかという視点を持っておくと、選択肢の幅が変わってきます。


失敗しない海外営業代行の選び方【5つのチェックポイント】

① ターゲット国での実績:「海外に強い」ではなく「どの国で、どの業界の、どんな成約実績があるか」を具体的に確認します。国が違えば商習慣も規制もまったく別物です。

② 自社業界・商材への理解度:商材の技術的な強みを現地バイヤーに伝えられるか。初回打ち合わせで自社商品への質問の質を見ると、力量が推し量れます。

③ コミュニケーション体制と報告の質:週次・月次レポートの内容、定例ミーティングの頻度、商談の生の情報(誰に会い、何を言われたか)まで共有されるか。「アポ件数」だけの報告しか出てこない会社は避けるべきです。

④ 料金の透明性と成果の定義:見積もりの内訳が明確か。成果報酬の場合、「アポイント」「成約」の定義が契約書レベルで明文化されているか。

⑤ 出口設計があるか:いつまでに何を検証し、その後は内製化するのか、代理店開拓や現地企業との事業提携に発展させるのか。「ずっと代行に依存する」前提ではなく、次のフェーズへの移行を一緒に設計してくれる会社が、長期的には自社の利益になります。


海外営業代行が向いている企業・向いていない企業

向いている企業

・海外営業の専任担当者がいない、または1人で兼務している

・商材に強みはあるが、海外の販売先へのアプローチ手段がない

・展示会に出展したものの、その後のフォローができていない

・まず1〜2カ国でテスト的に市場の反応を見たい


向いていない(時期尚早な)企業

・海外向けの価格設定・最低ロット・納期がまだ決まっていない

・英語版の商品資料が何もない

・「どの国に売りたいか」がまったく絞れていない

後者に当てはまる場合は、営業代行に発注する前に海外展開の準備段階を整えるのが先です。何から着手すべきかは「▶ 海外販路開拓の進め方」で全体像を解説しています。また、社内体制づくりの考え方は「▶ 海外展開は何から始めるべきか」も参考にしてください。


まとめ:営業代行は「販路検証のアクセル」として使う

海外営業代行は、月額30万〜100万円程度(固定報酬型の場合)の投資で、自社にない言語力・現地ネットワーク・商習慣の知見を即座に調達できる手段です。ただし成果を分けるのは、丸投げせずに「どの国で・何を・いつまでに検証するか」を発注側が握っておくことです。

株式会社Link Globalは、台湾をはじめとするアジア市場での販路開拓を、戦略立案から現地バイヤーへのアプローチ、商談同行、成約後のフォローまで一貫して支援しています。販売にとどまらず、現地企業とのアライアンス・事業提携の候補発掘から交渉まで伴走できるのも強みです。京都市・福岡県・大東市・大刀洗町のアドバイザーとしての知見も踏まえ、貴社の状況に合わせた進め方をご提案します。海外営業の体制づくりにお悩みの方は、▶ 海外販路開拓支援サービスからお気軽にご相談ください。

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