台湾市場で日本の家具・工芸が評価される理由・されない理由
- 堤浩記
- 1月18日
- 読了時間: 14分

「台湾市場で日本の家具はなぜ評価されるの?」
「台湾で日本の工芸が好評な理由について知りたい!」
「台湾で日本製家具が評価される理由、されない理由は?」
最近では台湾で日本の家具や工芸を展開したいと考える企業が増えています。
実際に日本製への信頼感や丁寧なものづくりのイメージは強く、入口の興味を得やすいのは事実です。
しかし現場では「評判はいいのに売れない」、「バイヤーの反応はあるのに採用されない」といった壁にぶつかるケースも少なくありません。
そうすると台湾市場への参入を諦めてしまったり、縮小していこうと考えてしまう企業もあるようです。
そこで今回は台湾市場で日本の家具や工芸が評される理由、そして逆にされない理由についても解説をしていきたいと思います。
それは台湾のバイヤーや消費者に効率よくアプローチをするために大切なポイントでもありますので、台湾市場へ参入を検討している方は当ページの内容を参考にしてみてください。
台湾で評価される日本企業の特徴・共通点

それでは台湾で評価される日本企業の特徴・共通点から解説をしていきましょう。
具体的な5つの理由について掘り下げていきますので、チャンスを逃さないためにも各項目に目を通してみてください。
相手の暮らしの課題を起点に設計
まず台湾で評価される家具や工芸の日本企業の特徴として、相手の暮らしの課題を起点に設計している点が挙げられます。
これはとても大切なポイントであり、商品説明の出発点も含め「自社の強み」ではなく「相手の困りごと」から入る姿勢が大切です。
台湾の住環境や暮らし方を踏まえ、湿気で木が反りやすい、掃除が大変、また収納スペースの不足や賃貸で大きい家具が置けない、などリアルな課題に対しての提案を行います。
当然バイヤーも「どの客層に売れるか」をイメージしますし、消費者は「自分の部屋で使えるか」を想像します。
そのため課題の解決はもちろん、快適になるイメージなどを想起させるようなアプローチは国を問わずに強いです。
逆に作りたいものや自社の強みを日本向け同様にアプローチしてしまうと、説明がスペックや技法に寄ってしまい現地で買う理由が弱くなります。
そのためあくまで現地での暮らしを課題に設計していく、アプローチをしていくことが評価される理由となるのです。
価格ではなく価値の根拠を言語化
次に価格ではなく「価値の根拠」を言語化する、これも評価される理由の1つです。
例えば台湾で価格が上振れしても評価される商品には共通点があります。
それは価格が「高い理由」が、感覚ではなく明確な根拠で説明できることです。
材料の選定、加工精度、塗装や仕上げ、耐久試験、修理可能性など、相手に理解できる言葉で伝えることが大切!
ここで重要なのは専門用語を増やすことではなく、使い側のメリットなどを具体的に言語化することです。
例えば「この木材は硬くて傷がつきにくい」「この仕上げは手触りが良く汚れが落ちやすい」「この構造はガタつきにくく長持ちする」など、使い側のメリットを掘り下げるのがオススメ!
※またブランドストーリーやコンセプトを重視した販売が有効だという示唆もあります。
いずれにしても価値の根拠が伝われば、価格交渉もスマートに行えます。
価格ではなく納得で選ばれる企業は台湾で長く支持されるので、信頼できるブランドとして支持されるためにも納得できる根拠を言語化してみてはどうでしょうか。
長く使う前提のサポート提案(メンテ・修理・部品供給)
また台湾市場で評価される日本企業は、家具や工芸品を長く使う前提でサポートしている傾向があります。
当たり前ではありますが、家具や工芸は買って終わりではありません。
台湾で評価される企業は、「購入後の不安」を先回りして潰します。
具体的にはメンテ方法(湿度対策、掃除、オイル塗布など)を分かりやすく提示して、傷や破損が起きた際の修理サポート、部品供給の可否、保証範囲を明確にします。
バイヤー目線でも「アフターサポート」が曖昧な商品は、クレームが出た際に店舗との板挟みになるリスクがあるため扱いづらいものです。
もちろん消費者目線でも、長く使いたい家具ほど「困った時にどうなるか」を気にします。
そのため保証規定を短く明文化したり、交換パーツの一覧化、修理の所要期間と費用の目安などを整備することが大切!
こういったユーザーサポートを明確にすることで、それがユーザーはもちろんバイヤーの安心にもつながり、台湾市場で受け入れられる企業として浸透していくのです。
写真・動画・寸法情報を具体化で安心
さらに写真や動画、寸法情報などで商品を具体化すると安心度が高まります。
台湾市場はもちろん海外市場で強いのは、情報が具体的なブランドです。
特に家具はサイズと質感が命ですが、写真が少ない場合や角度が限定的、また寸法がざっくりだと購入後の失敗が想像されてしまい候補から外されてしまいます。
逆に設置イメージ(部屋の広さに合うサイズ感)、細部(脚、接合部、仕上げ)、重量や梱包サイズまでわかりやすくすると買う側の不安を解消することができます。
特に越境取引では「返品が面倒」という心理が強く働くため、事前情報の粒度が売上を左右するのです。
※バイヤーも商品ページに転用できる素材が揃っているほど採用しやすいのです。
可能であれば1商品につき「全体4方向+ディテール5枚+使用シーン2枚+動画1本」を掲載しておくことで、購入後の不安を潰して消費者からもバイヤーからも安心安全のブランドとして浸透してくるのです。
営業時のストーリーを「納得」に落とし込む
最後に営業時のストーリーを納得に落とし込むことができる、これも台湾市場で評価されるために大切なポイントです。
営業時にストーリーは武器となりますが、台湾で商談を進めるには「感動話」より「納得材料」にするのが効果的です。
職人の想い、産地の歴史を語るだけだと、興味は湧いても買う理由に直結しません。
台湾市場で評価される企業は、ストーリーを「だから使いやすい」「だから長持ちする」「だから修理できる」に繋げて提示する傾向があります。
例えば手仕事の価値は時間をかけたことではなく、触り心地や角の丸み、握りやすさや塗膜の美しさ、さらに経年変化の良さなど様々なメリットに落とし込むことができます。
それは消費者へ家具や工芸品の魅力を伝えるためにも役立ち、バイヤーは販売トークに使うことができるようになります。
「誰が」「何を工夫し」「使う人に何が起きるか」、このように端的にわかりやすいエピソードを営業ストーリーとして活用するのがオススメです。
この型で整理すると文化が違っても価値が伝わり、台湾市場で評価されやすくなると覚えておきましょう。
評価されない日本企業の特徴や共通点

ここからは評価されない日本企業の特徴や共通点について触れていきましょう。
台湾市場で評価される家具・工芸の企業が多い中で、どうしても評価されにくい企業もあるのです。
少し伸び悩んでしまっている企業、またこれから台湾市場に参入を検討している企業は、各項目をチェックして「評価されないポイント」を避けるようにしましょう。
日本製=高品質のみで伝わる前提で説明が不足
まず台湾で評価されにくい日本企業の特徴として、日本製というブランド力に甘えてしまう点が挙げられます。
台湾では日本への好印象がある一方で、それに甘えすぎてしまうと商談が中々進みません。
「日本製だから安心」というのは入口の印象であり、肝心の購入決定の理由ではないのです。
特にバイヤーは店頭で顧客に説明できる言葉が欲しいと考え、消費者もSNSやECで自分で判断するため「情報が薄い商品」は避けてしまいます。
日本企業がたまにあるのが「現物を見れば分かる」という考え方、また「とにかく写真で高品質感を出す」など、ざっくりした訴求です。
しかし台湾市場では現物を見ても「何がどれだけ良いのか」が言語化されていないと、中々価値が伝わりません。
そのため品質を「比較可能な形」に変えて、「耐久・手触り・メンテ・保証・修理の可否」をわかりやすくすることが大切です。
ユーザーにもバイヤーにも伝わりやすい情報量でまとめることは、台湾市場でも非常に大切なポイントなのです。
素材や技法の説明が抽象的
次に台湾市場で評価されない日本企業は、素材や技法の説明が抽象的です。
先の製品の説明が薄かったり曖昧などとつながる部分もありますが、素材や技法がぼんやりしていると家具や工芸品は評価されにくいのです。
「良い木を使っています」「伝統技法です」など、シンプルすぎる説明では日本では通じても台湾では弱いことがあります。
抽象的なままだと価格の高さを正当化できず、比較の土俵で不利になってしまうのです。
ありがちな失敗例として素材や技法の「凄さ」を長々と語って満足してしまうことです。
海外では特に製品自体のメリットなどが重視される傾向にありますので、抽象的な内容は評価されない理由になってしまいます。
木の種類を説明するなら「湿度変化に強く反りにくい」、塗装なら「汚れが落ちやすい」、技法なら「ガタつきにくく修理しやすい」などメリットで表現をしましょう。
その上でメリットの根拠を素材、技法、場合によっては数字を含め明確化すれば、評価されない企業から評価される企業・製品として受け入れられていくでしょう。
ターゲットが曖昧で誰に刺さるのか見えない
最後にターゲットが曖昧で誰に刺さるかが見えない、これも注意が必要な部分です。
台湾市場で評価されない原因として多いのが、こういったターゲット不在です。
例えば「台湾のインテリア好きに」など広く捉えるほど訴求がぼやけてしまい、結果としてブースや商品ページが誰にも刺さらない状態になります。
バイヤーは客層と売り場を具体的に想像したく、消費者は自分の部屋や生活とマッチする商品を選びます。
しかしターゲットが曖昧だとサイズ展開や色、価格帯や提案シーンがズレてしまい、似た商品と比較された時に負けてしまいます。
まずは「小さめ住居向けの省スペース家具」や「湿度に強い素材の収納」など特定の層にマッチするアプローチをするのが良いでしょう。
特定の層に刺さる一点を起点にラインを広げれば、台湾市場でも評価されやすくなります。
それを軽視してしまうとブランドとしても認知されず、商品自体も売れずに台湾市場での展開が難航してしまうため注意しましょう。
【補足】競合は日本だけではない点に注意
補足として台湾での競合は、日本ブランド同士の比較だけではない点に触れておきます。
台湾市場で日本の家具や工芸を展開していこうと思った場合、日本ブランドのみを競合として捉える企業もあります。
もちろん日本のブランドを競合として考えることは大切なのですが、台湾では様々な国の家具や工芸品が増えているのです。
北欧系のデザインや台湾のローカルブランド、目利きのセレクトショップなど消費者にとって選択肢は多く存在します。
台北にはデザイナーやアーティストのアイテムを集めるセレクトショップもあり、感度の高いユーザー層ほど「どこで買うか」をしっかりと選びます。
日本企業が日本の良さを語り続け、競合の魅力と比べた時の優位点を示せない場合、比較の場で優位点が言語化されていない商品は、どうしても埋もれてしまいます。
競合の土俵を理解したうえで、自社の勝ち筋(触感、耐久、修理、素材、サイズ設計、提案力)を絞って打ち出すことで、ユーザーに響く訴求が可能になるでしょう。
これらは日本以外の競合を正しくチェックすることで見える場合もあるため、自社の家具・工芸の競合調査をしっかりと確認して競合対策を行っていきましょう!
台湾のバイヤー・消費者が見ているポイント

ここからは台湾のバイヤー・消費者が見ているポイントを掘り下げて解説していきます。
ここまでの項目で大まかな「求められるポイント」が見えている人もいるかもしれませんが、少し違った視点で見られるポイントを解説していきたいと思います。
バイヤーが重視する回転率・再現性・クレーム耐性
まず台湾のバイヤーが見ているポイントについて掘り下げていきます。
台湾のバイヤーは、商品の良し悪しだけでなく「ビジネスとして回るか」をチェックしています。
・回転率=売れるスピード。
・再現性=同じ品質や同じ納期で供給できるか。
・クレーム耐性=破損・色味差・不具合が起きにくいか、万が一の場合も迅速に対応できるか。
上記の3つのポイントが弱いと、家具や工芸自体がどれだけ魅力的でも採用を敬遠されるケースが出てくるのです。
日本企業はバイヤーが「作品としての良さ」だけで選ぶと誤解しているケースがあります。
実際は売り場スタッフが説明できる資料があるか、POPや画像素材が揃っているか、そして追加発注のリードタイムはどうかなどの運用面が大きいです。
そのため取引条件を明確にして、供給体制と対応フローを見せるなどが有効です。
提案書に「納期目安」「最小ロット」「保証・交換条件」「問い合わせ窓口」を入れるだけで、バイヤーの不安が減り評価されやすくなるので、そのあたりの改善をしてみることをオススメします。
消費者は部屋に合う・メンテナンス・寿命などを見る
次に消費者の見ているポイントについても掘り下げていきましょう。
台湾の消費者が家具・工芸を見るとき気にするのは、なによりも「自分の部屋に合うか」です。
デザインが良くてもサイズ感が合わない、色味が部屋から浮いてしまうく、圧迫感が出る、などがあると購入をためらいます。
また手入れも重要なポイントであり、湿度や汚れに強いか、掃除が面倒にならないか、傷が目立ちにくいかなども見られています。
最後に長く使える安心(保証・修理・部品)も見逃せないポイントだと言えるでしょう。
消費者は品質を疑っているのではなく、失敗したくない気持ちが強いため、「失敗を防ぐ情報」があるブランドほど評価されます。
こういったユーザーが求めるポイント、不安を解消するポイントをおさえておけば、愛されるブランドとして評価されるため、ぜひ実践してみてください。
ギフト需要など買う理由が発生するタイミング
最後にギフト需要など買う理由が発生するタイミングでの訴求についても触れていきましょう。
台湾市場での販売を伸ばすには「欲しい人」に向けるだけでなく、「買う理由が生まれる瞬間」を狙うのも効果的です。
代表的なのが新居・引っ越し・結婚など住まいが変わるタイミング、そしてギフト需要なども狙い目です!
家具はもちろん工芸品も贈り物としての動機が強く、ストーリーと実用性が両立すると消費者に選ばれやすくなります。
台湾市場で評価される企業は、このタイミングに合わせた提案を用意しているのです。
新居向けなら「サイズ選びのガイド」や「部屋別おすすめ」を提示して、ギフトなら「用途別(新築祝い、開店祝い)」の価格帯と意味づけを準備しています。
さらにラッピングや配送の安心感、納期の確実性まで整えると、需要期の購入が加速します。
商品ラインを「用途別」に整えることで様々な層から支持されるようになるため、作品の分類ではなく「買う理由の分類」を意識することで台湾市場での伝わり方をワンランク上げる選択肢も意識してみてはどうでしょうか。
台湾市場で評価されるように効率よくアプローチ

今回は台湾市場で日本の家具・工芸が評価される理由、されない理由について解説をしつつ、消費者やユーザーが見ているポイントについても触れてきました。
繰り返しになりますが、台湾で評価される日本の家具・工芸は、「良いもの」だから選ばれているというわけではなく、正確には「良さが伝わり、購入後の不安を解消できているもの」が選ばれています。
だからこそ評価される企業は、相手の暮らしの課題を起点に商品を位置づけ、価格の根拠を具体的に言語化し、そしてメンテや修理まで含めた安心を提示しているのです。
その上で写真・動画・寸法情報を充実させ、ストーリーを感動で終わらせず納得材料に変換、そして台湾の言葉・単位・生活導線に合わせてローカライズします。
逆に評価されないケースとしては「日本製だから分かるはず」、「品質が良いから売れるはず」と安易に考えてしまう企業は、競合比較の土俵に乗れず、サイズや納期、配送、保証など現実的な条件で取りこぼしてしまうのです。
もし台湾市場で成果を出すために伸び悩んでいる方、戦略で悩んでいる方は気軽に弊社までご相談ください。
海外販路開拓支援として様々な企業のサポートを行い、またターゲット市場の分析に基づく事業戦略立案も行っています。
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