top of page

海外取引の決済方法と手数料比較【2026年】カード決済リンク・海外送金の受け取り・L/C

堤浩記
3 日前
読了時間: 30分

更新日:2 日前

海外のバイヤーから初めて注文が来たとき、まず迷うのが「代金をどう受け取るか」です。カード決済、銀行送金、Wiseなどの送金サービス、信用状(L/C)と選択肢は多く、手数料も、入金までの日数も、代金を回収できないリスクもそれぞれ違います。

結論を先に書くと、決済方法に「どれが一番」はありません。少額のサンプルやテスト発注はカード決済リンクで前払いを受け、取引が続いて金額が大きくなったら銀行送金や送金サービスに切り替え、相手の信用がわからない大口の初回はデポジットを厚めに取る(相手が受け入れればL/C)。この「金額と取引の段階で使い分ける」考え方が基本です。

2026年は、銀行の受取手数料の改定と、消費税の輸出免税の要件見直し(10月1日施行)が重なりました。本記事では、日本の中小メーカー・工芸・食品の事業者が海外企業から代金を受け取る場面を中心に、手数料の比較と選び方、トラブルを防ぐ実務を整理します。

本記事の数値について:手数料・制度は2026年10月時点で、各社・各機関の公式ページ(PayPal、Stripe、Square、KOMOJU、三菱UFJ銀行、ドコモSMTBネット銀行、楽天銀行、GMOあおぞらネット銀行、Wise、国税庁、日本銀行、日本貿易保険等)で確認した内容です。料率は頻繁に改定されるため、契約前に必ず各社の最新の料金ページで確認してください。「推定」と書いた数値は、前提を置いて計算した目安です。


結論:金額と取引の段階から選ぶ早見表

取引の場面ごとに、第一候補と代替案を並べます。金額は1件あたりの目安です。どのバイヤーを優先すべきかという話ではなく、同じ相手でも取引が進めば適した方法は変わります。

  • 【サンプル・テスト発注(数万〜30万円程度)】カード決済リンクで前払い。出荷前に相手の会社の実在を確認する。代替はWise等の現地口座への振込

  • 【初回・30万〜100万円程度】デポジット(30〜50%)を前払いしてもらい、残金は出荷前に送金

  • 【継続取引・100万円未満(米国・EU・シンガポール)】送金サービスの現地口座(米ドル・ユーロ・シンガポールドル)。代替は銀行送金

  • 【継続取引(台湾・香港・中国、または1件100万円以上)】銀行送金。外貨口座での受取も検討

  • 【大口の初回で相手の信用がわからない】デポジットを厚めに取り、残金は出荷前に受け取る。相手が受け入れればL/C

  • 【後払い(30〜60日)を求められた】後払い+日本貿易保険(NEXI)の輸出代金保険(相手先の審査あり)

  • 【受注生産・名入れなどのオーダー品】デポジットは必須。キャンセルされても他に売れないため


カード決済と銀行送金の総コストは、1件12万〜16万円付近で逆転します(後述の試算)。それでも目安を30万円程度にしているのは、カードなら入金が早く、相手に前払いを受け入れてもらいやすいためです。

代金回収のリスクそのものを避けたい場合は、国内の商社や輸出代行会社を通して、国内取引として円で受け取る方法もあります。


取引の場面別に、第一候補となる決済方法をまとめた早見表

図1 取引の場面別の決済方法の早見表。金額の目安は手数料試算に基づく推定。出典:Link Global作成


決済は「いつ払うか」と「どう払うか」の組み合わせ

貿易取引では、商品の受け渡しと代金の支払いを同時に行えません。前払いなら売り手の未回収リスクはなくなりますが、買い手が商品未着のリスクを負います。後払いはその逆です。L/Cは、買い手側の銀行が支払いを約束することで、このリスクを銀行の信用に置き換える仕組みです。

決済方法を考えるときは、「いつ払うか(支払条件)」と「どう払うか(支払手段)」を分けると整理しやすくなります。

いつ払うか(支払条件):

  • 【前払い】出荷前に全額。売り手のリスクが最も小さい

  • 【デポジット+残金】受注時に一部、出荷前または到着後に残金

  • 【信用状(L/C)】買い手側の銀行が、条件どおりの書類と引き換えに支払いを確約する

  • 【荷為替手形(D/P・D/A)】銀行経由で、船積書類と引き換えに支払い(D/P)または支払いの約束(D/A)をしてもらう

  • 【後払い(オープンアカウント)】出荷後、決めた期日に送金してもらう


どう払うか(支払手段):

  • 【カード決済リンク】請求書や決済用URLを送り、相手がカードで払う。前払いの少額取引向き

  • 【銀行送金(T/T)】前払い・後払いのどちらにも使う標準的な方法

  • 【送金サービス(Wise等)】相手は自国の国内振込で払える。少額〜中口の継続取引向き


前払いから後払いまで、支払条件ごとの売り手のリスクの大小を示した図

図2 支払条件と売り手の代金未回収リスクの関係(一般的な整理。D/Pの安全性は船便で船荷証券を使う場合)。出典:Link Global作成


まず支払条件を書面で決める

どの方法で受け取るにしても、最初にやるべきなのは、見積書やプロフォーマインボイス(PI、発注前に送る請求書の形をした見積書)で条件をはっきりさせることです。実務では、PIを送って前払いの送金を受け、入金を確認してから出荷する流れが一般的です。PIには次の項目を書きます。

  • 通貨と金額(円建てか、米ドル建てか)

  • インコタームズ(例:FCA Narita、CIF Keelung)

  • 支払条件(英文の例:100% T/T in advance/30% deposit with order, balance before shipment/Net 30 days from B/L date)

  • 見積の有効期限

  • 受取口座の情報と、送金手数料の負担(後述)


インコタームズは、危険と費用がどこで売り手から買い手に移るかを決めるもので、代金をいつ払うかは決めません。支払条件は別に書く必要があります。なお、工場渡し(EXW)や、買い手が手配したフォワーダーに引き渡す条件(FCA)では、出荷した時点で商品はこちらの手を離れます。こうした条件では、全額前払いか、残金を出荷前に受け取るのが基本です。


見積の通貨と為替リスク

円建てで見積もれば、為替の変動は相手が負い、こちらの手取りは確定します。米ドル建てを求められた場合は、見積の有効期限を短めにし(例:30日)、為替が大きく動いたら価格を見直す条件を入れておきます。継続取引で金額が大きくなったら、取引銀行の為替予約で受取額を固定する方法もあります。

外貨のまま受け取って外貨口座に置き、海外への仕入れや展示会費用の支払いに充てれば、円との両替を往復せずに済みます。


カード決済リンクで受け取る


仕組みと向いている取引

請求書や決済用のURL(決済リンク)をメールで送り、相手がそのページでカード番号を入力して支払う方法です。PayPal、Stripe、Square、KOMOJUなどのサービスを使えば、日本法人でも海外発行のカードで代金を受け取れます。多くの場合、相手はアカウントを作らずに支払えます。

向いているのは、サンプル代金、展示会後のテスト発注、ギャラリーやセレクトショップの小口注文など、金額が小さく、スピードを優先したい取引です。手数料が金額に比例してかかるため、数百万円規模の取引には向きません。

注意したいのは、入金されても「回収が確定した」わけではないことです。カード決済は、入金から数か月後でもチャージバック(後述)で取り消されることがあります。また、盗まれたカードで注文し、届け先を現地のフォワーダーや転送業者の住所にする不正注文は、海外取引で典型的な手口です。初めての相手から高額の注文が入ったときは、出荷前に相手の会社の実在(ウェブサイト、所在地、電話番号)を確かめてください。


日本法人が使える主なサービスと手数料

2026年10月時点の各社公式ページで確認した、カード決済の料率です。

  • 【PayPal(請求書・PayPal.Me)】国内取引は3.60%+固定手数料。海外取引は0.50%加算で4.10%+固定手数料(円建てなら40円)。外貨で受け取って円に換える場合、受け取り時に換算すると基本為替レート+4.00%、外貨残高を後で換算・出金すると+3.00%

  • 【Stripe(Payment Links・Invoicing)】カードは3.6%。通貨換算が必要な場合は2%を加算。135以上の通貨で請求できる。Payment Linksは追加料金なし、Invoicing(請求書機能)は支払済み請求書ごとに0.4%〜を加算

  • 【Square(請求書)】カード・Apple Pay・Google Payでの支払いは3.25%。保存済みカード・手入力は3.75%。決済は日本円

  • 【KOMOJU】カードは主要ブランドとも3.25%(初期費用・月額無料)

  • 【PAY.JP】スタンダードプランは3.3%(月額0円)

  • 【GMOイプシロン】ビギナープランは3.6%(月額2,980円)


Squareについては、海外発行カードに追加の手数料がかかるとする開発者向けの資料もあるため、海外向けに使う前にSquareに確認してください。KOMOJUも、海外のバイヤー向けに決済リンクを使えるかは事前に確認が必要です。このほか、SBペイメントサービスやペイジェントなどの決済代行会社もメールリンク型の決済を提供していますが、料率は個別の見積もりです。

出典:PayPal「手数料」(2026年1月22日更新)、Stripe「料金体系」(日本)、Square「手数料」・ヘルプセンター、KOMOJU、PAY.JP、GMOイプシロン 各公式ページ(2026年10月確認)


円建てで請求するか、外貨建てで請求するか

カード決済で見落としやすいのが、通貨換算の手数料です。相手の通貨(米ドルやシンガポールドルなど)で請求して円に換えると、PayPalでは3.00〜4.00%、Stripeでは2%が上乗せされます。PayPalで外貨建ての海外取引を受けると、決済手数料と合わせて7〜8%前後になります。

円建てで請求すれば、換算は相手のカード発行会社が行うため、こちらに換算手数料はかかりません。ただし、その分は相手側でカード会社の海外事務手数料として負担することになります。また、相手からは「自国の通貨でいくらになるのか」が見えにくくなり、経理規程で自国通貨建ての請求書を求める企業もあります。どちらにするかは、相手と事前に確認しておくのが確実です。


手数料はいくらかかるか:10万円・50万円・300万円で比べる

カード決済と銀行送金で、受け取る側のコストを試算しました。銀行送金は、外貨建ての送金を受けて円に換える前提で、三菱UFJ銀行の被仕向送金取扱手数料1,500円に、中継銀行手数料を仮に2,500円(中継手数料を受取側が負担するSHA・BENの場合)、為替コストを約0.67%(1ドル150円で1円の差)と置いた推定です。

  • 【10万円】Square・KOMOJU 3,250円/Stripe 3,600円(外貨を円に換えると5,600円)/PayPal海外 4,140円/銀行送金 約4,700円(推定)

  • 【50万円】Square・KOMOJU 16,250円/Stripe 18,000円(同28,000円)/PayPal海外 20,540円/銀行送金 約7,300円(推定)

  • 【300万円】Square・KOMOJU 97,500円/Stripe 108,000円(同168,000円)/PayPal海外 123,040円/銀行送金 約24,000円(推定)


10万円・50万円・300万円の取引で、カード決済各社と銀行送金の受取コストを比較した棒グラフ

図3 決済方法別の受取コストの試算。銀行送金は仮定を置いた推定値。出典:各社公式料金ページ(2026年10月確認)、三菱UFJ銀行「外国為替関連手数料」をもとにLink Global作成


銀行送金のほうが安くなるのは、PayPalで約12万円、Stripeで約14万円、Square・KOMOJUで約16万円からです(Stripeで外貨を円に換える場合は約8万円)。50万円では銀行送金のほうが1万円前後安く、300万円では7万〜14万円の差がつきます。円建てで送金してもらえば為替コストはかかりません(三菱UFJ銀行なら受取手数料は1,500円+円為替取扱手数料2,500円〜。中継銀行などの手数料は別途かかることがあります)。

相手が「カードでしか払えない」と言う場合もあります。社内規程や支払いの猶予期間の都合で、カードを使いたい企業もあるためです。その場合は手数料分を価格に織り込むか、デポジットだけをカードで受ける方法があります。価格への織り込み方は「台湾への輸出にかかる関税・コスト・価格設定ガイド」も参考にしてください。

出典:各社公式料金ページ、三菱UFJ銀行「外国為替関連手数料」をもとに作成。銀行送金の中継銀行手数料と為替コストは仮定値


カード手数料は売り手の負担。カード払いだけの上乗せはできない

カード決済の手数料は、売り手(加盟店)が負担するのが原則です。PayPalやSquareなど主要サービスの日本向けの規約では、カードやPayPalで払う顧客にだけ手数料を上乗せすることは認められていません。

  • 【PayPal】ユーザー規約で「PayPalを受け入れることに関し、追加料金やその他の手数料を課さない」と定めている。決済手段を問わず同じ額をかける取扱手数料は認めている

  • 【Square】加盟店規約で、カード利用者に手数料を上乗せするなど、現金客と異なる代金を請求することを禁じている

  • 【Stripe】手数料の上乗せ(サーチャージ)機能は、日本のアカウントは対象外


手数料分を回収したい場合は、決済手段に関係なく、商品価格や見積り全体に織り込んでおきます。カード払いを選んだ相手の請求書にだけ「カード手数料4%」を足すのは避けてください。

出典:PayPal「ユーザー規約」、Square「一般利用規約」第12条、Stripe「Surcharging」(2026年10月確認)


海外の企業はなぜカードで払いたがるのか

海外のバイヤー、とくに米国の企業では、仕入れに法人カード(コーポレートカード)や購買カード(Pカード)を使う慣行があります。買い手にとっての利点は、カードの締め日から引き落とし日までの支払い猶予、ポイントやキャッシュバック、少額の購買なら社内の稟議を省けることなどです。

小規模なホテルやレストラン、個人経営のギャラリーでは、オーナー自身のカードで払いたいという要望もあります。この場合は、後述する消費税の輸出免税との関係で、カードの名義人と取引相手の関係を記録しておくことが大切です。


決済サービスの審査と入金の保留

カード決済の利点は入金の早さですが、いつも早いとは限りません。開設したばかりのアカウントでは、最初の入金が一定期間保留されたり、高額の決済で追加の書類を求められたりすることがあります。海外の法人への卸売が、登録した事業内容と違うと判断されて確認が入ることもあります。

注文が入ってから慌てないよう、アカウントの開設時に「海外の法人向けに卸売の代金を受け取る」ことを事業内容として申告し、1件あたりの上限を確認しておきましょう。


カード番号をメールや電話で受け取らない

「カード番号を送るので決済しておいてほしい」と言われることがあります。メールや電話でカード番号を聞き取り、自社のパソコンで決済画面に入力するやり方は避けてください。

2018年6月に施行された改正割賦販売法により、カード加盟店にはカード番号の適切な管理が義務づけられました。その方法は、自社でカード番号を持たない「非保持化」か、国際的なセキュリティ基準(PCI DSS)への準拠です。メールにカード番号が残る運用は非保持化に当たらず、PCI DSSに準拠していなければ義務を果たせません。決済リンクを送って相手自身に入力してもらうのが、最も簡単で安全な方法です。電話での注文が多い場合は、決済代行会社の電話決済の仕組みがあります。

出典:経済産業省(改正割賦販売法)


チャージバックへの備え

カード決済には、買い手がカード会社に申し立てて支払いを取り消す「チャージバック」があります。企業間取引では「商品が届かない」「説明と違う」のほか、相手の経理部門がカードの利用を把握しておらず「身に覚えがない」と申し立てられるケースもあります。

売り手が負けやすいのは、追跡番号のない発送、受領の記録がない配送、返品やキャンセルの条件を事前に示していない取引です。次の記録を残しておくと、申し立てに反論できます。

  • 見積書・プロフォーマインボイス(価格・数量・インコタームズ・返品不可の条件を明記)

  • 相手が条件を承諾したメール

  • 配送の追跡番号と受領の記録

  • カード名義人と注文者・届け先の関係


本人認証の「3Dセキュア」は、高額の決済に限らず有効にしておきましょう。日本では2025年3月末までに、EC加盟店にEMV 3-Dセキュアの導入が求められています。ただし、3Dセキュアで守られるのは主に不正利用による申し立てで、「商品が届かない」「説明と違う」という申し立てには効きません。上の記録とあわせて備えてください。少額のサンプルを送る場合の発送方法の選び方は「台湾へどう送るか|EMS・クーリエ・混載・コンテナの使い分け」で解説しています。


銀行送金(T/T)で受け取る


受取コストは4層構造

海外からの銀行送金は、SWIFTという国際送金網を通じて届きます。受け取る側にかかる費用は、次の4つです。

  • 【被仕向送金手数料】受取銀行が1件ごとに取る手数料

  • 【リフティングチャージ等】円を円のまま、外貨を外貨のまま受け取るときに、両替の代わりにかかる手数料

  • 【中継銀行手数料】送金の途中で経由する銀行が、送金額から差し引く手数料。事前には金額が確定しない

  • 【為替コスト】外貨を円に換えるときの、銀行の為替レートと市場の仲値との差


海外からの銀行送金で、受け取る側に4種類の費用がかかる流れを示した図

図4 銀行送金で受け取る際の費用の4層構造。出典:Link Global作成


請求額どおりに入金されない原因の多くは、3つ目の中継銀行手数料です。


送金手数料は誰が負担するか:OUR・SHA・BEN

送金手数料の負担は、買い手が送金するときに次の3つから指定します。

  • 【OUR】送金人がすべて負担。ただし、日本の受取銀行の手数料を受取人が負担する場合があり、中継銀行の手数料が差し引かれて満額が届かないこともある

  • 【SHA】送金銀行の手数料は送金人、それ以外は受取人が負担。最も一般的

  • 【BEN】すべて受取人が負担(送金額から差し引かれる)


実務では、PIに「All bank charges outside Japan are for the buyer's account(日本国外の銀行手数料は買い手の負担)」と書き、入金が足りなければ次回の請求に上乗せする、と決めておくのが現実的です。差額が数千円なら、最初から手数料分を価格に含めておく方法もあります。


受取口座の情報の伝え方

口座情報の書き間違いは、着金の遅れや送金の組戻し(差し戻し)の原因になります。次の点に注意してください。

  • 口座名義は、銀行に登録した英文名義をそのまま書く。表記は取引銀行に確認しておく

  • 書く項目は、銀行名・支店名・支店住所・SWIFTコード(BIC)・口座番号・受取人の英文社名と住所

  • 日本の口座にはIBANがない。EUのバイヤーに求められたら「Japan does not use IBAN. Please use the SWIFT code and account number.」と伝える

  • 米ドルの送金で取引銀行が中継銀行を指定している場合は、それも書いておく


受取口座は、最初の取引でレターヘッド付きの正式な書面(PDF)で伝えると、次に述べるなりすまし対策にもなります。相手には送金目的(例:Payment for ceramic tableware, Invoice No.○○)を記入してもらいましょう。


口座情報のなりすまし(ビジネスメール詐欺)に注意

取引先とのメールが乗っ取られ、「振込先口座が変わりました」という偽の連絡が送られる詐欺があります(ビジネスメール詐欺、BEC)。相手が偽の口座に送金すると、こちらは代金を受け取れず、相手は「もう払った」と主張して、関係がこじれます。日本の輸出者が受け取る側として巻き込まれる例も、支払う側として被害に遭う例もあります。

  • 受取口座を伝えるときに「当社が口座を変更することはありません。変更の連絡があれば必ず電話で確認してください」と書き添える

  • 口座変更の連絡が来たら(相手から来た場合も、自社のアドレスから出たように見える場合も)、メール以外の手段で、既に知っている電話番号にかけて確認する

  • 「多めに払ったので差額を返してほしい」という過払いの返金依頼や、小切手での支払いの提案は、詐欺の典型的な手口なので応じない


2026年に上がった銀行の受取手数料

2026年は、銀行の受取手数料の改定が相次ぎました。三菱UFJ銀行はマネーロンダリング対策の強化と国際送金の電文の国際標準(ISO20022)への移行を、ドコモSMTBネット銀行はマネーロンダリング対策に伴う確認コストを、理由に挙げています。

  • 【三菱UFJ銀行】被仕向送金取扱手数料は1件1,500円。円を円のまま受け取る場合は円為替取扱手数料、外貨を外貨のまま受け取る場合は外貨取扱手数料がかかり、いずれも送金金額の0.050%(最低2,500円)。2026年12月14日以降に届く8,000円未満の送金は、円→円・外貨→外貨で受け取ると、手数料の合計が送金金額の50%になる(10月1日からは、法人が国内の他行から受け取る外貨建て送金は、同じ名義の口座間でも外貨取扱手数料の対象になった)

  • 【ドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)】2026年4月16日から、米ドル・ユーロなど主要通貨の受取手数料は1回5万通貨未満で35通貨単位(米ドルなら35ドル、改定前25ドル)、5万通貨以上は無料(香港ドルなどは基準が別)。円の受取は1回3,500円。法人が外貨送金・受取サービスを使うには初期手数料55,000円がかかる。2026年8月3日に商号変更

  • 【楽天銀行(法人)】海外からの送金の受取手数料は1件2,000円

  • 【GMOあおぞらネット銀行】法人は海外からの送金を受け取れない(公式FAQで明記)。同行の海外送金サービスは日本から送るためのもの


ネット銀行だから受取が安いとは限りません。ドコモSMTBネット銀行は5万ドル以上の大口受取なら無料ですが、少額を何度も受け取る使い方には向きません。三菱UFJ銀行も、少額の受取では手数料の割合が大きくなります。サンプル代金のような少額を銀行で受け取るのは、2026年以降は割に合わないと考えたほうがよいでしょう。

出典:三菱UFJ銀行「外国為替関連手数料の改定について」「外国為替関連手数料」、ドコモSMTBネット銀行「外貨送金・外貨受取手数料の改定」、楽天銀行「海外からの送金の受取」、GMOあおぞらネット銀行 FAQ(2026年10月確認)


送金が止まるとき

海外からの送金が、受取銀行や中継銀行で数日〜数週間止まることがあります。多くは、マネーロンダリング対策の確認によるものです。よくあるのは、受取人の名義が口座名義(英文の社名)と一致しない、送金目的が空欄か取引内容と合わない、初めての相手から大きな金額が届いた、といったケースです。銀行から照会が来たら、すぐにPIや契約書を出せるように準備しておきましょう。


Wiseなどの送金サービスで受け取る


Wise Business:相手が国内振込で払える

Wise Businessは、日本法人でも口座を開設できる送金サービスです。米ドル・ユーロ・英ポンド・シンガポールドルなどの「現地口座情報」を取得でき、米国の取引先は米国内の振込、欧州の取引先は欧州内の振込(SEPA)で支払えます。相手は海外送金の手続きをせずに済み、中継銀行手数料もかかりません。

費用は、口座情報の取得に一回限り3,000円。国内振込で届いた代金の受取は無料で、SWIFT経由の米ドルの受取は1件6.11米ドルです。

注意点は残高の上限です。日本の資金移動業の規制により、Wiseの口座に置いておける残高は原則100万円まで(最長6か月、最大2,000万円まで一時的に引き上げ可能)で、1回の送金・出金も100万円が上限です。入金のたびに日本の銀行口座へ出金する運用が前提になるため、1件100万円未満の継続取引はWise、それ以上は銀行の外貨口座という「二口座」の体制が現実的です。

出典:Wise「Wise Businessの料金」「日本のお客様のWiseアカウントの保有限度額について」(2026年10月確認)


Payoneer・Airwallex・Revolut Business

Payoneerは日本法人でも使えますが、もともとマーケットプレイスやフリーランスの受取を主な用途としたサービスです。一定額未満の受取しかない場合に年間手数料(29.95米ドル)がかかり、その基準額は改定されているため、利用前に公式ページで確認してください。

Airwallexは、2025年11月に日本で資金移動業者の登録完了を発表しました。ただし日本法人向けに提供されているのは主にオンライン決済の受付で、多通貨口座や海外送金は日本法人には提供されていません。Revolut Businessは、日本法人は口座を開設できません。海外の解説記事を見て「日本法人でも使える」と判断しないよう注意が必要です。


前払い・後払い・L/C:伝統的な貿易決済


前払いとデポジット

出荷前に全額を送金してもらう前払いは、売り手にとって最も安全な条件です。初回の取引や小口の注文では、これが基本になります。

ただし、買い手は商品が届かないリスクを負うため、金額が大きくなるほど全額前払いは受け入れられにくくなります。そこで使われるのが、受注時に30〜50%のデポジット(着手金)を受け取り、残金を出荷前に受け取る分割払いです。残金を到着後にすると、その分は後払いと同じリスクになります。窯元や工房の受注生産、名入れなどのオーダー品は、キャンセルされても他に売れないため、デポジットは必ず受け取りましょう。


後払い(オープンアカウント)

出荷後、決めた期日(例:船荷証券の日付から30日後)に送金してもらう条件です。大手の小売やホテルの購買部門は、社内規程で後払いを求めることが少なくありません。

売り手は代金を回収できないリスクを全額負うため、相手の信用を確認したうえで、後述する貿易保険と組み合わせるのが前提です。信用の確認には、信用調査会社のレポートや、取引実績のある日本企業からの紹介などを使います。


荷為替手形(D/P・D/A):安全なのは船便でB/Lを使う場合だけ

船積書類を銀行経由で送り、買い手が代金を払う(D/P=支払渡し)か、手形の支払いを約束する(D/A=引受渡し)と書類が渡される方式です。

船便で、譲渡できる船荷証券(B/L)を使う場合は、書類がないと貨物を引き取れないため、D/Pは後払いより安全です。ただし、航空便・EMS・クーリエや、サレンダーB/L・Sea Waybillを使う場合は、買い手が書類なしで貨物を受け取れるので、D/Pでも実質的には後払いと変わりません。台湾・香港・シンガポールなど輸送日数の短い航路ではサレンダーB/Lがよく使われ、工芸品や食品の小口輸出は航空便が中心なので、注意が必要です。

また、買い手が引き取りを拒むと、貨物は現地に残ります。食品など日持ちしない商品では、返送や転売が間に合わないこともあります。D/Aは期日に払われないリスクがあり、実質的には後払いに近い条件です。


信用状(L/C)

買い手側の銀行が「条件どおりの書類が出されたら支払う」と約束する方式です。売り手の未回収リスクは、買い手ではなく発行銀行の信用に置き換わります。発行銀行の国のリスクが心配な場合は、日本の銀行などが支払いの確約を追加する「確認信用状」を使います。航空便で使う場合は、航空運送状の荷受人を発行銀行にするなどの手当てが必要です。

輸出側の主な費用は、みずほ銀行の場合、信用状の通知手数料6,000円、輸出手形の取立手数料5,000円に、支払手数料(手形金額の0.1%、最低5,000円)と郵便料がかかります。地方銀行には、通知10,000円・取立20,000円に引き上げた例(滋賀銀行、2022年)もあります。書類に食い違い(ディスクレ)があれば、その手数料も差し引かれます。

実務上の負担は、手数料よりも「書類を条件どおり一字一句そろえる」作業にあります。食い違いがあると、支払いの確約が外れてしまいます。また、L/Cの発行には買い手側にも手数料と銀行の与信枠が必要なため、工芸品やセレクトショップ規模の取引では、買い手が受け入れないことが多いのが実情です。L/Cを断られた場合は、デポジットの比率を上げる、残金を出荷前に受け取る、などで調整します。

出典:みずほ銀行「外国為替手数料(法人)」、滋賀銀行「外国為替手数料の改定」


代金を回収できないときに備える:NEXIの貿易保険

後払いやD/Aを受け入れるなら、日本貿易保険(NEXI)の「中小企業・農林水産業輸出代金保険」が実用的です。

  • 【対象】中小企業・中堅企業や農林水産業者による日本からの直接の輸出で、契約金額5,000万円以下(決済期間180日以内)。自社の海外支店・子会社など、資本関係などがある相手との取引は原則対象外

  • 【補償】船積み後に、相手の倒産や支払い遅延、輸入規制・戦争などで代金を回収できなくなった場合、損失の95%を補償

  • 【申込】船積日から5営業日以内

  • 【保険料の例】契約金額1,000万円(FOB)、D/A(船荷証券の日付から60日後払い)の場合、米国向け63,400円(0.634%)、中国向け82,400円(0.824%)。最低保険料は1契約3,000円


NEXIの中小企業・農林水産業輸出代金保険の対象・補償範囲と、米国向け・中国向けの保険料例

図5 中小企業・農林水産業輸出代金保険の概要と保険料例。出典:日本貿易保険(NEXI)パンフレット(2026年3月発行)をもとにLink Global作成


保険料は契約金額の1%未満が目安です。ただし、申し込めば誰でも入れるわけではありません。相手先がNEXIの海外商社名簿に登録され、一定の格付けを受けている必要があります。初めての相手は信用調査に時間がかかるため、商談の段階で早めにNEXIか取引銀行に相談してください。継続的に輸出する場合は、別の商品として「限度額設定型貿易保険」もあります。

出典:日本貿易保険(NEXI)「中小企業・農林水産業輸出代金保険」パンフレット(2026年3月発行)


日本側で押さえる制度:輸出免税・外為法・インボイス


2026年10月から、輸出免税は「誰から受け取ったか」も問われる

輸出取引は消費税が免税になりますが、そのためには輸出許可書などの書類を7年間保存する必要があります。郵便(EMSなど)で送る場合、価額が20万円以下なら、日本郵便の引受証と発送伝票の控えで足ります。

2026年10月1日以後の輸出からは、新しい要件が加わりました。代金を「現金」や「取引相手からの支払いであることが明らかでない方法」で受け取った場合は、これらの書類に加えて、仕向国の税関が発行する輸入許可書などの保存が必要になります。銀行振込や荷為替手形による決済はこれに当たりませんが、取引相手以外の人(支払義務が明らかな保証人などを除く)からの振込は当たります。

工芸品やギフトの取引では、相手の関係会社や代理人が代わりに支払うことが珍しくありません。中国の買い手が香港の関係会社から送金してくる、といった形もよくあります。請求先と送金人を一致させるよう、請求書の段階で相手に伝えておきましょう。


2026年10月1日以後の輸出取引で、代金の受け取り方によって必要な保存書類が変わることを示したフローチャート

図6 輸出免税で必要な保存書類の確認フロー(2026年10月1日以後の輸出)。出典:国税庁 タックスアンサーNo.6551をもとにLink Global作成


出典:国税庁 タックスアンサーNo.6551「輸出取引の免税」


カード・PayPal・送金サービスの場合は名義を記録しておく

カード決済やPayPal、送金サービスによる受け取りは、国税庁が示した例の中に「該当する」とも「該当しない」とも書かれていません。安全策としては、支払った人の名義(法人名、またはその役員・社員)と請求先の会社が対応していることを記録し、決済リンクの請求先をインボイスの宛先とそろえておくことです。知人や別会社のカードでの支払いは受けないほうが無難です。個別の判断は、税理士や税務署に確認してください。


輸出代金の受け取りに、外為法の報告は原則不要

外為法では、海外の相手との支払いや受け取りが3,000万円相当額を超えると、「支払又は支払の受領に関する報告書」の提出が必要です。ただし、日本で通関手続きを行う輸出の代金は、この報告の対象外です。日本から商品を輸出してその代金を受け取るだけなら、金額が大きくても原則として報告は要りません。

報告が必要になるのは、日本で通関しない仲介貿易(三国間貿易)の代金や、デザイン料・ライセンス料などサービスの対価を3,000万円超受け取る場合などです。該当するかどうかは取引銀行に確認してください。

出典:日本銀行「外為法に基づく報告」FAQ


輸出にインボイス(適格請求書)は必要か

輸出免税となる取引については、海外の相手に適格請求書を交付する義務はありません(国内の売上がある事業者は、その分は交付義務があります)。インボイス制度が輸出で関係するのは主に、輸出する商品の仕入れで仕入税額控除を受けるときの、仕入れ側の書類です。

出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」


仕向地・取引相手ごとの注意点


中国本土

中国では、貿易代金の送金そのものは原則自由ですが、銀行が取引の実態を審査します。また、前払いや後払いの期間が一定期間を超える取引には、中国側の企業に外貨管理局への報告義務があります。送金額・請求書の金額・品名・契約番号をそろえておくことが欠かせません。法人取引の代金を、個人名義の口座から送金してもらうのは避けましょう。


台湾・香港・シンガポール・米国・EU

以下は公的な統計ではなく、実務上よく見られる傾向です。

  • 【台湾】前払いやデポジットでの銀行送金が多い。台湾ドルは非居住者の取引に制限があり、日本側で受け取って換金する手段も限られるため、米ドルか円での送金が中心

  • 【香港】香港ドル・米ドル・円の銀行送金が中心。中国本土への再輸出の窓口になる場合は、本土側の手続きとの整合に注意

  • 【シンガポール】銀行送金が多いが、送金サービスのシンガポールドル口座で受け取れば、相手は国内振込で払える

  • 【米国】小売や飲食はカードや米国内振込(ACH)を好む傾向。小切手での支払いを提案されることもあるが、日本での取立は時間と費用がかかり、偽造小切手による詐欺の手口でもあるため、原則として断る

  • 【EU】欧州内の振込(SEPA)が標準。送金サービスのユーロ口座で受け取ると相手の負担が小さい


台湾の取引先との契約条件や決済の進め方は、「台湾のバイヤー・代理店・ディストリビューターと組む実務ガイド」で詳しく解説しています。


受け取りにかかる手数料は、相手の国と通貨で変わる

海外送金の費用は、①買い手の国の銀行が取る送金手数料(SHAなら買い手の負担)、②途中の中継銀行の手数料(多くは送金額から差し引かれ、金額は事前にわからない)、③日本の受取銀行の手数料、の3つに分かれます。どの国から、どの通貨で、どの経路で送られるかで、3つとも変わります。

  • 【米国・EU・シンガポール】Wise Businessの米ドル・ユーロ・シンガポールドルの口座情報を使い、現地の国内振込(米国のACH、欧州のSEPA、シンガポールのFASTなど)で受け取れば、受取手数料は無料で中継銀行も通らない。同じ相手でもSWIFTで送られると、Wiseでは1件6.11米ドル(ユーロは2.39ユーロ)かかる

  • 【台湾】台湾ドルのままではなく、米ドルか円の外貨送金になるのが一般的。Wiseには台湾ドルの受取口座がないため、日本の銀行でSWIFTを受ける形が中心になる。買い手側にも送金手数料がかかり、例えば台北富邦銀行の外貨送金は1件600台湾元、全額を届ける指定にするとさらに800台湾元

  • 【香港】米ドルや円のSWIFT送金が中心(実務上の傾向)

  • 【中国本土】米ドルか人民元のSWIFT送金になり、中継銀行を経由しやすい。人民元で受け取れるかは日本の取引銀行によって異なり、WiseでもCNYはSWIFTでの受取のみ


台湾・香港・中国のようにSWIFTが前提になる相手とは、中継銀行の手数料で目減りする分を見込んで価格を決めるか、送金条件をOUR(送金人がすべて負担)にしてもらうよう交渉しておくとよいでしょう。買い手側の負担も小さくなく、例えばシンガポールのDBS銀行の個人向けの海外送金は、取扱手数料と電信料で数十シンガポールドルかかります。

出典:Wise「Wise Businessの料金」、台北富邦銀行「外幣匯款」、DBS「International transfers」、ジェトロ「台湾 外資に関する規制」(2026年10月確認)。香港・中国の送金経路は実務上の傾向


バイヤーの業態によって変わる条件

同じ国でも、相手の業態によって求められる決済条件は違います。どの業態が良い悪いではなく、それぞれの事情に合わせて条件を設計することが大切です。

  • 【高級ホテル・レストラン】購買部門の発注書で、後払い(30〜60日)を求められやすい。社内規程で前払いができない場合は、後払い+貿易保険か、初回のみデポジット

  • 【ギャラリー・工芸専門店】小〜中ロットの買取が中心。委託販売を提案された場合は、精算の周期(例:月末締め翌月払い)、売れ残りの返品と送料の負担、販売報告の方法を契約で決めておく

  • 【セレクトショップ】初回は小口のテスト発注、売れればリピート。初回はカード決済や前払い、継続は銀行送金・送金サービス

  • 【ブライダル・企業ギフト】納期が決まった名入れ・オーダー品が多く、デポジットが必須。発注元と支払元が違う場合は輸出免税の要件に注意

  • 【量販店・EC】大ロット・継続取引で、60〜90日の後払いが標準になりやすい。現地の輸入業者や代理店を通した取引になることが多く、その相手との条件として後払い+貿易保険を検討する


業態ごとのバイヤーとの商談の組み方は、「伝統工芸品の海外バイヤー商談会|ギャラリー・ホテル・ギフトバイヤーの呼び方」も参考にしてください。


よくある質問


Q. 海外の取引先にカード決済のリンクを送るには、どのサービスを使えばいいですか?

日本法人なら、PayPal、Stripe、Squareなどで、海外発行カードに対応した決済リンクや請求書を作れます。相手の通貨で請求したいならPayPalかStripe、円建てで手数料を抑えたいならSquareなどが候補です。海外発行カードの扱いや上限は、事前に各社に確認してください。


Q. 海外取引でのカード決済の手数料はいくらですか?

2026年10月時点の公式料率は、Square(請求書)とKOMOJUが3.25%、Stripeが3.6%(通貨換算が必要な場合は+2%)、PayPalの海外取引が4.10%+固定手数料です。外貨で受け取って円に換えると、PayPalでは3.00〜4.00%の換算手数料が上乗せされます。


Q. いくらまでならカード決済で受けてもいいですか?

手数料の試算では、銀行送金のほうが安くなるのは1件12万〜16万円付近からです。入金の早さと前払いの受けやすさを考えて、30万円程度を目安にし、それ以上は銀行送金や送金サービスに切り替えるのが合理的です。


Q. カード決済の手数料を、買い手に上乗せして請求してもいいですか?

カード払い・PayPal払いの相手にだけ手数料を上乗せすることは、PayPalやSquareなど主要サービスの日本向けの規約で認められていません。手数料は売り手の負担が原則なので、決済手段に関係なく、商品価格や見積り全体に織り込んでおきましょう。


Q. 海外からの送金を受け取ると、銀行に手数料はいくら引かれますか?

受取銀行の手数料(三菱UFJ銀行で1件1,500円、楽天銀行の法人口座で2,000円など)に、中継銀行の手数料と為替コストが加わります。中継銀行の手数料は事前に確定せず、請求額より少なく入金される主な原因になります。


Q. 送金手数料の負担は、OUR・SHA・BENのどれを指定すればいいですか?

最も一般的なのはSHA(送金銀行の手数料は送金人、それ以外は受取人)です。OURを指定しても、日本の受取銀行の手数料や中継手数料の一部が差し引かれることがあります。PIに「日本国外の銀行手数料は買い手の負担」と書き、不足分の扱いを決めておくのが現実的です。


Q. 3,000万円を超える輸出代金を受け取るとき、外為法の報告は必要ですか?

日本で通関手続きを行う輸出の代金であれば、原則として報告は不要です。仲介貿易の代金やサービスの対価などで3,000万円相当額を超えて受け取る場合は報告が必要なので、取引銀行に確認してください。


Q. 輸出代金を相手の関係会社が払ってきました。問題はありますか?

2026年10月1日以後の輸出では、取引相手以外からの振込で代金を受け取ると、輸出免税のために仕向国の輸入許可書などの保存が追加で必要になります。請求先と送金人をそろえるよう、事前に相手へ伝えておきましょう。


Q. 後払いを求められたら、どう備えればいいですか?

相手の信用を確認したうえで、NEXIの中小企業・農林水産業輸出代金保険を検討してください。契約金額5,000万円以下の輸出が対象で、代金を回収できなかった場合に損失の95%が補償されます。相手先がNEXIの海外商社名簿に登録され、格付けを受けている必要があるため、早めに相談しましょう。


まとめ:最初の1件から継続取引まで

海外取引の決済は、相手との関係や取引の段階によって最適な方法が変わります。まずPIで通貨・インコタームズ・支払条件を決め、少額のサンプルやテスト発注はカード決済リンクで前払いを受け、取引が続いて金額が増えたら銀行送金や送金サービスに移り、後払いを求められたら貿易保険で備える。この流れで考えると、決済方法の選択で迷うことは少なくなります。

2026年は、銀行の受取手数料の改定や輸出免税の要件見直しなど、決済まわりのルールが大きく動いた年でした。数年前の解説記事の情報で判断せず、契約前に最新の料金と制度を確認してください。

Link Globalでは、海外のバイヤー開拓から商談、契約条件の設計まで支援しています。台湾向けには、成約後の国内納品・円決済までを含めた「台湾進出支援」も提供しています。海外取引の進め方にお悩みの方は、お問い合わせからご相談ください。

コメント


bottom of page