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台湾への輸出にかかる関税・コスト・価格設定ガイド|工芸品・雑貨・一般製品の実務

  • 堤浩記
  • 7月11日
  • 読了時間: 23分

更新日:8月9日

「台湾への輸出にかかるコストが知りたい!」

「台湾へ輸出時の関税について教えてほしい!」

「台湾へ輸出する場合の価格設定はどうすればよい?」


日本企業が海外展開をする際の選択肢としてオススメな台湾!


そんな台湾へ工芸品や雑貨、生活用品を輸出しようとすると、「関税はどのくらいかかるのか」「輸送費や通関費用を含めると、現地ではいくらで売るべきなのか」と悩む企業が少なくありません。


また「日本では利益が出る価格でも、台湾の店頭では成立するのか」といったコスト設計の問題は、軽視できないポイントです。


実際に台湾輸出では商品原価だけでなく「国際輸送、保険、関税、営業税、通関諸費用、現地物流」が必要になり、さらに代理店や小売のマージンまで積み上がったうえで最終的な店頭価格が決まります。


そのため安易に「関税率が低いから売りやすい」と判断するのは危険なのです。


品目ごとの税率や課税の仕組みを正しく理解したうえで、台湾市場の相場や販路構造まで見据えて逆算することがビジネス成功のために大切なポイント!


そこで当ページでは台湾輸出にかかる関税・コストの基本について触れつつ、価格設計で失敗しないための考え方などを主に非食品向けの実務(工芸品・雑貨・一般製品など)に絞り分かりやすく解説していきたいと思います。


なお、価格設計の前提となる伝統工芸品の海外展開の全体設計は、ガイドマップで商材別・販路別に整理しています。

台湾輸出のコストはどう決まるか

それでは台湾輸出のコストはどう決まるか、というテーマについて解説をしていきましょう。


冒頭でも触れましたが、台湾向け輸出の採算は、単純に「関税率が高いか低いか」だけでは決まりません。


実務では商品原価に国際輸送費と保険を加えたCIFを起点に、「輸入関税、営業税、通関関連費用、現地物流費」、さらに代理店や小売のマージンまで積み上がって、最終的な価格を決めることが大切!


※台湾税関の案内でも、輸入時の課税価格は「DPV(完税価格)=FOB+運賃+保険」で計算され、そのうえで関税や営業税がかかる仕組みです。


つまり台湾輸出は「輸出価格を決める仕事」ではなく、現地で売れる価格から逆算して全体コストを設計する仕事と捉えた方が実務面で安心できるでしょう。


そんな台湾輸出のコストについて、各項目で要点を掘り下げていきますので見逃すことなく目を通してみてください。


台湾輸出では何が原価で、何が現地で追加コストか


まずは台湾輸出では何が原価で、何が現地で追加コストかについて解説をしていきましょう。


メーカー側が把握しやすいのは商品原価や日本国内の出荷費用ですが、台湾で実際に利益を圧迫しやすいのは「到着後のコスト」です。


たとえば「通関業者費用、港湾や空港での諸費用、台湾国内の配送費、倉庫費、販売店マージン」などは、輸出前の試算から漏れやすい項目だと言えるでしょう。


また台湾税関が示す税費計算では「DPV、関税、営業税」に加え、貿易推広服務費のような要素もあり、輸入者側ではさらに現地運営費が乗ります。


こういったことから、輸出担当者が見るべきなのは「出荷までの原価」ではなく、「台湾で売場に乗るまでの総コスト」なのです。


原価はもちろん台湾輸出に関わる追加コストは見逃してはいけないポイントですので、しっかりと把握しておくようにしましょう。


CIFを起点に「関税・営業税・通関諸費用」が必要になるか


またCIFを起点に「関税・営業税・通関諸費用」が必要になるか、というテーマにも触れておきましょう。


台湾の輸入税費の考え方は、まずDPV(完税価格)を出すところから始まります。


※税関の公式説明では、DPVはFOB価格に運賃と保険料を加えた金額であり、実務上はCIFとほぼ同じ考え方で捉えられます。


その後に輸入関税が計算され、さらに営業税はDPVと輸入関税の合計を土台にして課税されるのです。


だからこそ非食品の一般製品であっても、営業税を別建てで考えないと採算は見誤りやすくなるため注意が必要なのです!


加えて通関実務では通関業者費用や港湾諸費用も発生するため、CIFだけで総コストを見たつもりにならないことが重要だと覚えておきましょう。


工芸品・雑貨・一般製品で変わるコストの見え方について


さらに工芸品・雑貨・一般製品で変わるコストの見え方についても深堀りしていきましょう。


同じ非食品でも「工芸品、雑貨、生活用品、アパレル」では、コストの見え方が変わります。


例えば工芸品は輸送単価よりも破損リスクや梱包コストが重く、雑貨は単価が低いぶんマージン負担が相対的に大きく見えやすく、アパレルは関税率やサイズごとの物流効率が収益性に影響しやすいです。


台湾の税率自体はCCCコードごとに決まりますが、同じ税率でも「どこで利益が削られるか」は商品群によって違います。


つまり関税率だけを横並びで見ても不十分で、商品特性ごとに何がコストの主因になるかを先に整理することが必要です。


ここを飛ばしてしまったり、なんとなくで済ませてしまうと、あとから思った以上のコストが必要になると気づくケースがあるため、しっかりとコストの見え方や計算について把握しておくことが大切なのです。


食品ではなく非食品に絞ってコスト計算することも大切


そして台湾輸出のコストを計算する場合に注意したいのが、食品と非食品を混ぜないことです。


台湾では食品に別の規制や税務論点が重なりやすく、営業税5%という基本式は共通でも「輸入許可や検査、追加税」などで実務が変わることがあります。


当ページは工芸品、雑貨、生活用品、アパレルなどの非食品を対象にしているため、非食品関連のコスト計算の参考に活用ください。


ただし食品を非食品と同じように計算してしまうと齟齬が生じるケースがあるため、もし食品のコスト計算や台湾へ食品輸出を検討されている場合には、下記の記事を参考にしてみることをオススメします。



輸出採算は関税率だけでなく現地物流とマージンまで見る


最後に輸出採算は関税率だけでなく現地物流とマージンまで見ることが大切という点に触れておきましょう。


台湾向け輸出では、関税率が低い品目でも店頭価格が高くなり、売りにくくなることがあります。


その原因は現地物流費や代理店マージン、小売マージンを十分に織り込めていないからです。


特にBtoBで現地パートナーを通す場合、「輸入者、卸、小売」の各段階で利益を確保する必要があり、日本側が思う以上に店頭価格は上がります。


関税検索はあくまで出発点であり、最終的には台湾の店頭価格として成立するかを基準に逆算することが大切です。


輸出採算は税率比較ではなく、販売価格設計の問題として見るべきだと言えるでしょう。


関税の調べ方

ここからは関税の調べ方について解説をしていきましょう。


台湾向けの関税率を調べるうえで、最優先で見るべきなのは財政部関務署の公式です。


※実務上はCPT 關港貿單一窗口の「Tariff Database Search System」でCCCコードやHSコードから税率を調べるのが良いでしょう。


ジェトロのWorldTariffも便利ですが、JETRO自身がWorldTariffを二次情報として位置づけ、できるだけ各国当局の情報も併せて参照するよう案内しています。


つまりWorldTariffは比較や補助に便利な位置づけとして、最終確認は台湾側の公式画面で行うのが基本だということ!


その上で台湾向けの完全の調べ方について、各項目で順番に分かりやすく解説をしていきますので、ある程度詳しい方も再確認の意味で目を通してみてはどうでしょうか。


CCCコードをどう特定するか


まずはCCCコードをどう特定するかという点について触れていきましょう。


台湾の品目分類はCCCコードで管理されており、11桁で構成されます。


そして上位6桁は国際的なHSコードと共通ですが、台湾ではその先を細分化して税率や規制を判断しているのです。


つまり日本側で6桁HSまで分かっていても、そのままでは台湾の税率確認が終わらないことがあります。


実務面では、まず商品仕様を整理してHS6桁の目安を掴んだうえで、CPT Single Windowや通関実務を通じて最終的な11桁CCCコードを確認していく流れが安全でしょう。


品名の表現だけで決め打ちせず、素材、用途、構造まで見てコードを特定することが重要ですので、このCCCコードを適当に判断せずに、正しいコードを確認するように進めていきましょう。


CPT 關港貿單一窗口の税率検索はどう使うべきか


次に「CPT 關港貿單一窗口」の税率検索はどう使うべきか、というテーマで解説をしていきます。


CPT 關港貿單一窗口のTariff Database Search Systemは、台湾の公式な税率確認導線として非常に重要です。


この検索画面では、CCCコードやキーワードから対象品目を探して、税率カラムや関税要件、規制欄を確認することが可能です。


これは単に税率の数字を見るだけでなく、その品目にどんな輸入要件や注記が付いているかも合わせて確認する必要があると言えるでしょう。


※またCPTではタリフデータベースのダウンロード機能も提供されており、「CCC code last modify date」が示されています。


実務面では検索した日付と表示内容を記録として残しておくと、後から社内共有しやすくなるため、万が一のリスクを回避するためにも記録を取りながら進めていきましょう。


HSコード6桁と台湾CCCコード11桁の違いを理解


またHSコード6桁と台湾CCCコード11桁の違いを理解することも大切です。


先の項目でも触れましたが、HSコード6桁は国際共通の分類ですが、台湾で実際に税率や規制を判断する単位は11桁のCCCコードです。


この違いを理解しないまま「HSコードで見た税率」を採用すると、細分類の違いで税率や要件が変わることがあります。


特に非食品でも「材質や用途」によって台湾側の細かい枝番が変わることがあるため、6桁段階で概算を見て、11桁で最終確認するのが基本中の基本!


言い換えれば、HSコード6桁は「入口の地図」であり、CCCコード11桁が「税率を決める住所」と言えるでしょう。


輸出価格を決めるときは、必ず後者まで確認してから進めるべきであり、適当に進めてしまうとトラブルの原因となるため軽視してはいけない要素だと覚えておいてください。


【補足】JETROのWorldTariffはどこまで使えるのか


補足としてJETROのWorldTariffはどこまで使えるのか、という点にも触れておきましょう。


JETROのWorldTariffは、台湾を含む各国の関税率や輸入時の諸税を日本語環境で確認できる便利なツールです。


JETROの案内でも、世界178カ国・地域の関税率に加え、付加価値税や売上税などの諸税も調べられるとされているツールです。


ただし同時にWorldTariffはFedEx Trade Networksのデータベースに基づくもので、JETRO経由で無料利用できる一方、各国当局の情報も併せて参照するよう案内されています。


※上記は先の項目でも触れた内容ですが、JETROのWorldTariffだけを活用するケースがあるため、各国当局の情報も併せてチェックすることが大切です!


WorldTariffは「概況把握」「比較」「社内試算」には向いていますが、最終の税率採用はCPTや関務署の公式情報で締めるのが安全だということを把握しておきましょう。


税率の3カラムと日本の扱い

ここからは税率の3カラムと日本の扱いについて解説をしていきましょう。


台湾の関税表を見ると、税率が1本ではなく3カラムで表示されるのが特徴的です。


この仕組みを知らないと「同じ品目なのに税率が複数ある」ように見えて混乱してしまう人もいるでしょう。


台湾税関の公式説明にもありますが、第一カラム、第二カラム、第三カラムがあり、輸入元の国・地域や適用関係によってどの税率が使われるかが変わります。


※日本が通常Column 1の対象であることを押さえておくと、税率確認の見方がかなり整理しやすくなります。


この税率のカラムについては不安な方も多いと思いますので、各項目での解説を順番にチェックしてみることをオススメします。


台湾の関税はなぜ3カラムで表示されるのか


まず台湾の関税はなぜ3カラムで表示されるのかについて触れていきましょう。


台湾の関税表が3カラムで表示されるのは、シンプルに輸入元の国・地域ごとに適用税率が変わるからです。


税関の英語案内では下記のように税率について示されています。


・第一カラムはWTO加盟国または相互待遇のある国・地域向け

・第二カラムは特定の途上国やFTA/ECA締結国・地域向け

・第三カラムは第一と第二カラムに適当な税率がない場合に適用される


つまり3カラムは単なる表示上の違いではなく、通商関係や協定関係を反映した構造なのです。


実務面では、自社の商品コードを確認したうえで、どの国からの輸入かを前提に、該当カラムを読む必要があると覚えておきましょう。


カラムⅠ・Ⅱ・Ⅲの違いと、どの国がどこに入るのか


次にカラムⅠ・Ⅱ・Ⅲの違いと、どの国がどこに入るのかについて簡単に触れていきましょう。


カラムⅠはWTO加盟国や互恵関係のある国・地域向けで、通常もっとも基本的な税率です。


カラムⅡは特定の途上国や、台湾とFTAまたは経済協力協定を持つ国・地域向けに設けられています。


カラムⅢはⅠ・Ⅱのどちらも使えない場合に適用される税率です。


つまり税率表に複数の数字があっても、全部を候補として見るのではなく、輸出元と通商関係から読むべきカラムが絞られます。


自社が日本から輸出する場合は、まずカラムⅠを起点に見るのが基本ですので、混乱せずにカラムⅠを起点にチェックしていきましょう。


日本がカラムⅠの対象である理由


また日本がカラムⅠの対象である理由についても触れておきましょう。


これは非常にシンプルで、日本はWTO加盟国であるため、台湾の関税表では通常カラムⅠの対象になるのです。


これは実務上かなり重要で、税率表を見たときに、まずColumn 1の税率を採用候補として考えられることを意味します。


※日本企業が台湾へ輸出する非食品の多くは、第一カラムを起点に試算できます。


ただし、これは「いつでも最安」という意味ではありません。


商品によっては第二カラムにさらに低い税率が置かれていることもあり、制度上の適用関係を正しく読む必要があります。


日本がカラムⅠという前提は便利ですが、最終的には品目ごとの表示を確認することが前提になると覚えておきましょう。


【補足】ⅠとⅡの両方が適用できる場合はどう考えるべきか


補足としてカラムⅠとⅡの両方が適用できる場合はどう考えるべきか、という点に触れておきましょう。


台湾税関の公式説明では、第一カラムと第二カラムの両方が適用できる場合、より低い税率を賦課するとされています。


これは税率表を見るうえで大事なポイントですが、日本からの通常輸出では、まずカラムⅠを見れば足りるケースが多いです。


一方で「サプライチェーンや原産地条件、協定利用」など特殊な事情が絡む場合は、第二カラムとの比較確認が必要になることもあります。


したがって社内試算の段階ではColumn 1を前提にしつつ、最終的な輸入条件は台湾側の通関実務や輸入者とすり合わせる方が安全だと言えるでしょう。


営業税(VAT)の計算 (CIF+関税)×5%

ここからは台湾向け輸出で見落としやす「営業税(VAT)」について触れていきましょう。


慣れない人は日本の消費税のような感覚で考えがちですが、輸入時には関税とは別に営業税がかかります。


台湾税関の公式FAQでは、輸入貨物の営業税は「DPV(完税価格)と輸入関税の合計を基礎にして、税率5%で計算する」と明記されています。


※食品以外の一般製品でもこの考え方は共通なので、非食品の価格設計でも営業税を別立てで試算しておかないと、輸入者側の総コストを見誤りやすくなります。


コスト面の計算・設計などで誤りがないように、そして価格設定時のリスクを回避するためにも、各項目にしっかりと目を通していきましょう。


台湾の輸入営業税はどの金額に課税されるか


まず台湾の輸入営業税は「どの金額」に課税されるか、という点に触れていきましょう。


台湾税関の英語FAQをチェックすると、輸入貨物にかかる営業税は「DPV+輸入関税」を土台にして計算されるとされています。


もし貨物税やたばこ・酒税など他の税がかかる品目なら、それらも課税ベースに加わりますが、本記事の対象である非食品一般製品では、基本的にはDPVと関税を見ればよい場面が多いです。


ここで重要なのは営業税が「CIFの5%」ではなく、「関税込みの金額に5%」である点です。


関税率が低くても営業税は別に発生するため、店頭価格や輸入総コストの試算では独立した項目として見積もる必要があると覚えておきましょう。


CIF+関税の5%という計算式を読み解く


次にCIF+関税の5%という計算式について掘り下げていきます。


実務上は、まずCIFに相当するDPVを出し、そこに関税を加え、その合計に営業税5%をかける流れになります。


たとえばDPVが100、関税が10なら、営業税は110に対する5%で5.5です。


つまり営業税は関税に「かかる」ような形になるため、単純な5%でも思ったより効いてくる点に注意が必要です。


※ちなみに台湾税関の計算例でも「DPV→輸入関税→営業税」の順で計算する構造が示されています。


試算のときに営業税を後ろへ追いやると、輸入者側の原価がずれてしまうので、最初から関税とセットで見積もる方が安全だと言えるでしょう。


営業税は関税とは別に見積もるべき理由


また営業税は関税とは別に見積もるべき理由についても触れていきます。


営業税が見落としやすいと言われているのは、関税率検索に意識が集中しやすいからです。


しかし輸入者側が実際に払う税費としては、関税だけでなく営業税も確実に乗ります。


ジェトロのWorldTariff案内をみても、関税率だけでなく付加価値税や売上税などの諸税を確認できると、されています。


つまり輸出採算を考えるなら「関税が低いから大丈夫」ではなく、「営業税まで含めた輸入総コストで成立するか」を見る必要があるのです。


特にマージンが薄い商材では、営業税の見積り漏れがそのまま利益圧迫につながるため、営業税や関税についてはしっかりとみていく必要があると覚えておいてください。


【補足】仕入税額控除の仕組みと輸入者側との関係


補足として仕入税額控除の仕組み、及び輸入者側との関係についても触れていきましょう。


台湾の営業税は付加価値税方式で運用されるため、輸入時に払った営業税は、輸入者側で仕入税額として処理される可能性があります。


※参考にするべき「ジェトロの台湾向け制度解説」でも、輸入時に税関へ支払った仮払営業税と、販売時に回収する売上税額を相殺する仕組みが説明されています。


これは輸入者にとっては重要な論点ですが、日本側がその前提を理解しているかどうかで、価格交渉や見積説明のしやすさが変わります。


輸出者が営業税を自社負担するわけではなくても、台湾側パートナーがどう処理するかを理解したうえで価格表を組む方が、商談はスムーズになりやすいのです。


このあたりの制度・仕組みについて深く理解しているかで、実際の商談がスムーズになるか、齟齬がなく有利に進めることができるかに差が生まれるため、実際に計算をしながら数パターンの価格・見積もりを出してみることをオススメします。


輸入総コストから店頭価格を設計する

ここからは多くの人が気になっているであろう「店頭価格の設計」について解説をしていきます。


台湾向け輸出では、輸出価格から考えるより、現地店頭価格から逆算する方が失敗が少なくなります。


輸入総コストは「商品原価、国際輸送、保険、関税、営業税、通関諸費用、台湾国内物流、代理店マージン、小売マージン」を積み上げて考えることが大切です!


ここで大切なのは関税や営業税が「税法上のコスト」である一方、現地物流やマージンは「商流上のコスト」だという点です。


どちらか片方だけ見ても、現実的な店頭価格を設定することは難しいのです。


非食品の一般製品を想定したシンプルな計算例を挙げつつ、大切なポイントを各項目で解説していきますので、利益アップやリスク回避のためにも目を通してみてください。


商品原価からCIF、関税、営業税、通関費用までの考え方


まずは商品原価からCIF、関税、営業税、通関費用までの考え方について触れていきましょう。


基本的に計算の順番は「商品原価→輸送費・保険→CIF(DPV)→関税→営業税→通関諸費用」の順です。


たとえば商品原価が1,000円、国際輸送と保険が200円なら、CIFは1,200円です。


ここに仮に関税率5%がかかると関税は60円、営業税は(1,200+60)×5%で63円になります。


※さらに通関諸費用や現地配送費を加えると、輸入者側の仕入コストはもっと上がります。


実務では円建て・台湾ドル建て、為替タイミングの問題もありますが、少なくともCIF→関税→営業税の順で考える流れを固定しておくと、試算がぶれにくくなります。


仮でも良いので取引を仮定したうえで実際に何度も計算をすると、より深く計算の流れやどれだけのコストになるかが理解できますので、まずは取引を想定して計算をしてみることをオススメします。


代理店・小売マージンを入れると店頭価格はどう変わるか


次に代理店・小売マージンを入れると、店頭価格はどう変わるかについても触れていきましょう。


仮に輸入者の着地原価が1,500円相当になったとしても、それがそのまま店頭価格にはなりません。


代理店やディストリビューターが入れば、その段階でマージンが必要になり、さらに小売も利益を乗せます。


たとえば輸入者が30%、小売が40%の粗利を必要とするなら、店頭価格は一気に上がるでしょう。


ここで注意したいのは、輸出者が「現地ではそんなに高く売れないはず」と感じても、現地では物流や在庫負担、販売管理コストが乗っていることです。


輸出価格だけで相手の値入れを縛ろうとするより、必要なマージン構造を理解したうえで、どこで利益を残すかを設計する方が実務的なのです。


この代理店・小売マージンを考慮したうえでの「店頭価格」の設定・想定が、ビジネスを円滑に進めるうえで大切なポイントだと覚えておきましょう。


工芸品・雑貨・生活用品での具体的な計算例


また工芸品・雑貨・生活用品での具体的な計算例に改めて触れておきましょう。


たとえば工芸雑貨を台湾へ輸出するとします。


その際の計算例は先の項目でも挙げたように、商品原価1,000円なら輸送・保険200円でCIF1,200円、仮に関税率5%なら関税60円、営業税は63円です。


ここに通関諸費用100円、現地物流80円を加えると、輸入者側の着地コストは1,503円になります。


さらに代理店マージン30%、小売マージン40%で設計すると、店頭価格は約2,800~3,000円台まで上がることがあります。


もちろん税率やマージンは品目や商流で変わりますが、この例が示すように「輸出価格の2倍前後に見える店頭価格」でも、必ずしも高すぎるわけではないということです。


関税率だけを見て「値決め」をすると、このギャップで失敗するリスクがあるため、価格設定・値決めは各コストを考慮しながら慎重に決めていきましょう。


【補足】現地店頭価格から逆算して輸出価格を決める考え方


補足として現地店頭価格から逆算して輸出価格を決める考え方についても触れておきます。


台湾市場で売りたい価格帯があるなら、先に店頭価格の上限や競合価格を見て、そこから逆算して輸出価格を決めた方が現実的です。


たとえば現地で3,000台湾ドルではなく3,000円相当の雑貨を売りたいのか、ギフト帯でさらに上を狙うのかによって、輸出価格の許容範囲は変わります。


ここで重要なのは、日本国内価格をそのまま基準にしないことです。


台湾の「現地相場、販売チャネル、競合状況」を踏まえ、そこから逆算して「輸出価格として成立するか」を見る方が、商談でも説明しやすくなるため、この考え方を意識しながら価格設定や商談での交渉に臨むことをオススメします。


価格設定で失敗しないための注意

ここからは「価格設定で失敗しないための注意」について解説をしていきます。


台湾向けの価格設定で失敗しやすいのは、税率もありますが「為替、マージン、相場観」の読み違いであるケースが多いです。


輸出価格を一度決めたら長く固定したくなりますが、実務では為替が動き、物流費も変わり、現地の競争環境も変化します。


※しかも関税率や営業税のルールが変わらなくても、通商環境や輸入者側の条件で総コストは変わります。


台湾輸出では「いくらで出すか」だけでなく、「どの前提が変わったら価格を見直すか」まで決めておく方が柔軟で安全な動きが実現できるでしょう。


そして「価格設定で失敗しないための注意」について詳しく知っておけば、リスク回避に役立ちますので各項目をチェックしていきましょう!


※その上で税務や価格設計の最終判断は、通関業者や会計士など専門家確認を前提に進めるべきと強く推奨します。


為替変動を見込まずに価格を固定すると何が起きるか


まず価格設定で失敗しないための注意点として、価格変動を見込まない価格の固定が挙げられます。


台湾向け価格を円建てで固定しすぎると、円安・円高のどちらでもリスクが出るのです。


円安時には輸入者にとって仕入れコストが重くなり、円高時には日本側の採算が改善しているのに価格競争力を活かせないことがあります。


さらに通関や物流コストは台湾ドル建てや米ドル建て感覚で動くこともあるため、為替変動を無視した固定価格は実務上かなり危険です。


※特に単価の低い雑貨は、数%の為替変動でも利益率に直結しやすいです。


価格表を作るときは、固定価格に見えても、実際には「見直し条件付きの価格」として運用する方が安全だと覚えておきましょう。


代理店・小売のマージンを甘く見積もると利益が残らない


次に代理店・小売のマージンを甘く見積もるリスクについて触れていきましょう。


日本側が「この価格なら十分利益が出る」と考えていても、台湾の代理店や小売が必要とするマージンを後から積み上げると、店頭価格が想定以上に高くなり、売りにくくなることがあります。


その結果、値下げ圧力が日本側へ戻ってきて、自社の利益だけが削られるケースは珍しくありません。


これは税率の問題ではなく、「商流設計の問題」です。


特に台湾で現地ディストリビューターや小売を通すなら、最初から彼らの必要マージンをヒアリングし、店頭価格の成立ラインを逆算しておく必要があります。


マージンを相手任せにすると、最後に値段だけが合わなくなりやすいため、リスク回避のためにも代理店・小売のマージンをしっかりと見積もることが大切です。


台湾の現地相場を見ずに日本価格の延長で決めるリスク


最後に台湾の現地相場を見ずに、日本価格の延長で決めるリスクについても触れておきましょう。


うっかりやりがちなリスクなのですが、日本で売れている価格をそのまま台湾へ当てはめると、相場とかけ離れることがあります。


※逆に日本より高くても成立する市場なのに、国内価格の延長で安く出してしまうこともあるのです。


台湾ではデザイン雑貨や工芸品、生活用品でも、販路や顧客層によって受容価格帯がかなり違います。


そのため価格設定はコスト積み上げだけでなく、現地相場との照合が必要なのです。


輸出担当者は「日本でこの値段だから」ではなく、「台湾のどの売場で、どの顧客が、いくらなら買うか」を基準に価格を考えるべきだと言えるでしょう。


【補足】税務・関税・価格設計は通関業者や専門家確認が前提


補足として税務・関税・価格設計は、通関業者や専門家への確認が前提という点に触れていきましょう。


当ページで解説してきた「関税、営業税、CCCコード、価格設計」の考え方は、あくまで一般的な実務の話です。


実際には「品目ごとのCCCコード確定、関税率の最新確認、輸入規制、通関諸費用、営業税の実務処理」など案件ごとに違いが出ます。


したがって実務で価格表や見積書を固める前には、「通関業者、輸入者、会計士」、そして必要に応じて「税務・法務の専門家」と確認することが前提と言えるでしょう。


台湾輸出は近くて進めやすい市場ですが、だからこそ最終確認を省かない方が安全であり、万が一のリスクを回避するためにも専門家のアドバイスを積極的に取り入れるべきなのです。


台湾への輸出は関税をはじめコスト計算・設計が大切

今回は台湾への輸出にかかる関税・コスト・価格設定について、様々な視点で解説をしてきました。


台湾への輸出で利益を残すために大切なのは、関税の数字だけを見て判断しないことです。


実務ではCIFを起点にした関税や営業税に加え、通関費用、現地物流、代理店や小売のマージン、為替変動まで含めて考えなければ、実際の店頭価格と採算は見えてきません。


特に工芸品や雑貨のように、価格だけでなくデザイン性やブランド価値で選ばれる商品ほど、安易に日本価格の延長で値決めすると現地では高すぎる、あるいは逆に安く出しすぎて利益が残らない、といった問題が起こりやすくなります。


だからこそ台湾向けの価格設計では、まず品目ごとの税率と課税方法を正しく確認し、そのうえで現地相場、販路構造、必要なマージンを踏まえて逆算することが重要なのです。


もし税率確認や価格設計、販路条件の整理に不安がある場合は、弊社Link Globalまで気軽にご相談ください。


台湾・アジア市場を中心に海外販路開拓やインバウンド支援、また伝統工芸品の海外展開で「累計100 社以上・10 カ国以上」の支援実績がある弊社が、不安な部分をサポートいたします。


経験と実績が豊富な専門家・外部パートナーを上手に活用することで、輸出判断の精度を高めリスクを回避しやすくなるため、初めての台湾進出でお悩みの方もぜひ弊社まで気軽にご相談ください。


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