台湾の年間商戦カレンダーと贈答文化|春節・中秋節・周年慶——「いつ・何が売れるか」を解説
- 堤浩記
- 7月16日
- 読了時間: 26分
更新日:3 日前

「台湾の年間商戦について戦略を立てたい!」
「台湾の商戦のための贈答文化について知りたい!」
「台湾の年間商戦の詳細やタイミングを知っておきたい!」
戦略が大切な台湾向けビジネスですが、商品を売ろうとする際に「何を売るか」には意識を向けても、多くの企業が「いつ売るか」までは十分に設計できていないことがあります。
しかし台湾市場では春節(旧正月)や中秋節のような旧暦行事、母の日、周年慶(台湾百貨店の周年記念セール)、双11・双12といった商戦が年間を通じて連続的に存在しており、商品力だけでなく販売時期の見極めが成果を大きく左右します。
特に個人消費が大きく動く時期、そして企業間の送禮(贈り物)需要が伸びる時期は必ずしも同じではなく、同じ商品でも見せ方や提案の仕方を変える必要があるのです。
※さらに台湾では贈答における体裁や包装、避けた方がよいとされる品の考え方など、現地ならではの文化的な前提も無視できません。
そこで当ページでは台湾の年間商戦カレンダーを上半期・下半期に分けて整理しつつ、どの時期にどんな需要が立ち上がるのか、催事・EC・ギフト提案へどう落とし込むべきかも含めて、実務目線で分かりやすく解説をしていきます。
台湾向けの戦略を練りたい方、商戦を逃すことなく結果につなげていきたい方も、ぜひ当ページの内容について参考にしてみてください。
台湾の消費が動く「年間カレンダー」全体像

それでは台湾の消費が動く年間カレンダーとしての全体像について触れていきましょう。
冒頭でも触れましたが、台湾で売上を伸ばすには、商品力だけでなく「いつ売るか」を外さないことが重要です。
そして台湾の年間商戦は大きく分けると旧暦行事、周年慶(台湾百貨店の周年記念セール)、EC大型セールの3本柱で回っています。
※旧暦行事は「春節、端午節、中元節、中秋節」のように毎年日付が動くため、一般的な月次販促の感覚だけでは計画がずれやすくなる点に注意が必要です。
さらに個人消費が動く時期と、企業贈答が大きく伸びる時期は必ずしも同じではありません。
台湾商戦を読み解く際は祝日名を覚えることよりも、「誰が、どの目的で、どの売場で買うか」まで結び付けて把握することが実務上は大切だと覚えつつ、各項目で触れていく内容ついて把握したうえで年間商戦の戦略を練っていきましょう。
台湾商戦は「旧暦行事・百貨店・EC」でどう一年が回るか
まず台湾商戦は「旧暦行事・百貨店・EC」でどう1年で回るか、というテーマで深堀りをしていきましょう。
台湾の商戦は春節を頂点とする旧暦行事、5月の母の日商戦、秋から年末にかけての周年慶と双11・双12が連続して重なる構造で回ります。
経済部統計處の2024年11月統計では、小売業売上は4,381億台湾元(2024年実績)で単月過去最高となり、その背景として「周年慶、双11、ブラックフライデー」が明記されているのです。
つまり台湾では伝統行事と近代的な販促イベントが別々に存在するのではなく、後半になるほど折り重なるように消費を押し上げるものとして見るのが正解です。
実務的に考えるならば、春節・中秋節のような贈答シーズンと百貨店・ECの販促シーズンを別管理せず、年間の販売カレンダーとして一体で設計した方が成果につながりやすいと言えるでしょう。
2026年の主要商戦日程一覧
次に2026年の主要商戦日程一覧についても触れていきます。
・春節の大型連休は2月14日~22日
・元宵節(旧正月を締めくくる灯節)は3月3日
・母の日は5月10日
・端午節は6月19日
・中元節(中元普渡)は8月27日
・中秋節は9月25日
・双11は11月11日
・双12は12月12日
そして周年慶は店ごとに時期が異なるものの、一般に秋から年末にかけて集中します。
さらにクリスマスと年末需要がその後ろに続くため、下半期は販促が切れ目なく続く時期になるのです。
そのため台湾向けに商品を売る企業は、旧暦行事の日付を年初に固定しつつ、その上でECや百貨店販促の波を重ねて計画するのが基本だと言えるでしょう。
個人消費が動く時期と企業贈答が伸びる時期の違い
また個人消費が動く時期と企業贈答が伸びる時期の違いについても触れていきます。
台湾商戦を実務で扱うときに重要なのは、個人消費が伸びる時期、そして企業贈答が伸びる時期を分けて考えるということです。
春節は家庭内消費と帰省・年貨需要が強く、母の日は百貨店を中心に個人向けギフトと美容・服飾需要が動きやすい一方、中秋節は企業間贈答(送禮)と個人ギフトが重なりやすい大型シーズンです。
※台湾財政部の税務解説でも、春節や中秋節に顧客や従業員向けのギフトを配る実務が前提として言及されており、企業贈答が現実の商習慣として存在していることが分かります。
つまり同じ「ギフト需要」でも、個人向けと法人向けでは「商品仕様、単価、包装、提案時期」を分ける必要があります。
この部分を理解して戦略を立てることで、より優れた成果に期待をすることができるでしょう!
台湾元(TWD/新台湾ドル)ベースでの商戦規模や単価感
さらに意外と見落としがちな台湾元(TWD/新台湾ドル)ベースでの商戦規模、単価感についても触れていきましょう。
台湾商戦を評価するときは、日本円感覚で見るより、まず台湾元(TWD/新台湾ドル)で単価と売上規模を捉える方が判断しやすくなります。
繰り返しになりますが、経済部統計處によると「2024年11月の台湾小売売上は4,381億台湾元」であり、周年慶や双11の影響を受けて単月最高を更新しているのです。
これは商戦期における市場全体の熱量を示す数字であり、特定商品の単価感を直接示すものではありませんが、少なくとも台湾では秋商戦が小さなイベントではなく、「国全体の小売売上を押し上げる規模」で機能していることが分かります。
実務では単価そのものより、TWDベースでどの価格帯なら贈答・自家需要・百貨店需要に入るかを考える方が、より成果につながる戦略を練りやすくなるでしょう。
旧暦行事は毎年日付が動くため、販売計画は年初に確定させる
最後に旧暦行事は毎年日付が動くため、販売計画は年初に確定させるという点に触れていきます。
これは台湾商戦で最も注意したい部分なのですが、旧暦行事の日付が毎年動くことを見落としてはいけません。
2026年も春節は2月、端午節は6月、中元節は8月、中秋節は9月に来ますが、翌年はまた前後します。
※行政院人事行政総処の2026年公務日暦、元宵節・中元節の行事案内を見ると、旧暦行事は固定月ではなく、旧暦に基づいて毎年移動することが分かります。
そのため台湾向けの商品計画は「毎年9月に中秋節対策」ではなく、「当年の日付」を確定してから逆算するのが前提だと言えるでしょう。
特に「ギフト仕様、催事出店、EC広告、在庫搬入」は、商戦月ではなく準備開始月から管理した方が失敗しにくくなります。
ここを誤ってしまうと売上が思ったより伸びないリスクを抱えることになり、逆に正しく販売計画を立てて動くことができれば台湾商戦にビタッとマッチする形で望む成果に近づくことができるでしょう!
上半期の商戦

ここからは台湾の年間商戦カレンダーとしての「上半期の商戦」について掘り下げていきましょう。
基本的な考え方として、上半期の台湾商戦は春節を中心に始まり、元宵節、母の日、端午節へと続きます。
※とくに春節は台湾最大級の消費シーズンで、年末から始まる「年貨(年越し準備の買い出し)」需要まで含めて見ないと全体像をつかみにくくなります。
また母の日は台湾の百貨店にとって重要な販促時期として定着しており、経済部統計處も「2026年4月実績で母親節檔期が百貨店売上を押し上げた」と分析しています。
つまり上半期は旧暦行事だけでなく、モダンなギフト・百貨店需要も重なる時期として見る必要があるのです。
このように台湾の年間商戦を考えるうえで上半期の商戦は非常に大切なポイントですので、各項目を見逃すことなくチェックしていきましょう!
春節(旧正月)と年貨需要は台湾最大級の消費ピーク
まず春節(旧正月)と年貨需要は台湾最大級の消費ピークという点に触れていきたいと思います。
春節は台湾における最大級の消費シーズンであり、2026年の大型連休も2月14日~22日に設定されています。
実際の購買は元日直前だけでなく、その前から始まる年貨需要が大きな特徴で「食品、詰め合わせ、日用品、贈答品、装飾品」などが一斉に動きます。
台湾財政部の税務案内でも、春節に顧客や従業員へギフトを配る商慣習が前提として触れられており、個人需要だけでなく法人需要も含む行事だと分かるでしょう。
ゆえに春節商戦を狙うなら、旧正月本番よりも「いつから年貨需要が立ち上がるか」を意識することが重要です!
売り場では「新年向け」「家族向け」「体裁のよい贈答」の需要が強くなりやすく、単品よりセット提案が機能しやすい時期であることも意識すると良いでしょう。
元宵節は春節商戦の余韻をどう売上につなげるかが大切
次に元宵節は「春節商戦の余韻」を、どう売上につなげるかが大切なポイントです!
元宵節は旧正月シーズンを締めくくる行事で、2026年は3月3日です。
台湾観光署の英語案内でも、2026年の台湾ランタンフェスティバルが3月3日~15日に開催されることが示されており、元宵節が単なる一日行事ではなく「観光・イベント・季節演出」を伴う行事であることが分かります。
実務的には春節本番で売れ残った在庫を処分する時期ではなく、春節商戦の余韻を活かして「季節の終盤需要」を取り込む時期と考えた方がよいでしょう。
特に「装飾性のある商品、家庭向けの小型ギフト、催事連動商品」などは、春節から元宵節まで一続きの企画として設計した方が売り場の流れを作りやすくなるため、このあたりも意識しながら戦略を練ることをオススメします。
母の日は台湾百貨店の大型商戦としてどう押さえるべきか
また台湾の母の日は、単なる家族イベントではなく、百貨店にとって重要な大型商戦であることも意識することが大切です。
経済部統計處の2026年4月統計では、零售業売上は前年同月比5.2%増であり、その背景として百貨母親節檔期促銷が挙げられています。
※さらに百貨公司の売上は前年同月比12.6%増という点も見逃せない要素でしょう。
つまり母の日は台湾では「感謝を伝える日」であると同時に、「百貨店が強く売る日」でもあるのです!
日本ブランドにとっては「化粧品、ファッション、雑貨、生活用品、ギフト雑貨」などが入りやすいタイミングだと言えるでしょう。
ここで重要なのは母の日当日だけを見るのではなく、百貨店やECで販促が立ち上がる4月~5月上旬を一つの商戦期として計画することです。
この商戦期・需要期を軽視することなく、計画に取り入れることで年間の売上を伸ばすことにつながるでしょう。
端午節は粽子(ちまき)だけではない
そして端午節は粽子(ちまき)だけではないという点にも触れておきましょう。
端午節は「粽子(ちまき)」の行事として知られていますが、実務的にはそれだけで終わりません。
2026年の端午節は6月19日で、台湾の公務日暦でも正式な祝祭日として扱われています。
食品系では粽子や季節ギフトが目立ちますが、非食品でも家族需要、季節需要、ちょっとした贈答需要が動く余地があるのです。
特に上半期の終盤で、春節や母の日ほど巨大ではない一方、生活提案型の商品や季節感のある企画を差し込みやすいのが端午節の位置づけです。
食品以外のブランドにとっては、行事そのものより「季節イベントで接点を作れるタイミング」として見る方が活用しやすくなりますが、確かな商戦期・需要期でもあるため、計画・戦略に取り入れてみることをオススメします。
上半期商戦は「年末準備」ではなく「前年秋から逆算」が基本
最後に上半期商戦は「年末準備」ではなく「前年秋から逆算」が基本という点に触れていきます。
ご存知の人もいるかもしれませんが、上半期商戦でありがちな失敗は年明けに春節準備を始めてしまうことです。
しかし春節は年貨需要が先に立ち上がり、母の日は4月から売り場が動き、端午節もその後ろに続きます。
つまり上半期の商戦は年始に始まるのではなく、実務上は前年秋~年末から仕込みが必要なのです。
「商品企画、詰め合わせ仕様、繁体字素材、ギフト包装、催事・百貨店提案」は、旧正月直前では間に合いにくく、遅れがちな動きだと言えるでしょう。
台湾向けに上半期を「本気」で取りにいくなら、「1月に動く」のではなく、「秋に翌年上半期の商戦設計を始める」感覚の方が実務には合っていると言えます。
ゆえに年末準備ではなく、前年秋から逆算して動くことの重要性を意識しつつ、早め早めに戦略を練り動いていくことが大切だと言えるでしょう。
下半期の商戦

ここからは台湾の年間商戦カレンダーとして、下半期の商戦について掘り下げていきます。
まず大切なのは下半期の台湾商戦は、上半期よりも複雑で強いという点です。
シンプルな理由として、中元節、中秋節、周年慶、双11、双12、年末が連続して続き、伝統行事と商業販促が完全に重なります!
経済部統計處の2024年11月統計でも周年慶や双11、ブラックフライデーが重なったことで、小売売上は単月過去最高の4,381億台湾元となったとされています。
つまり台湾の下半期は「一つひとつのイベントを単発で追う」のではなく、秋から年末までを連続商戦として捉える方が良いでしょう。
商品投入、EC施策、催事、法人提案は、この連続性を前提に設計した方が成果が出やすくなるため、適切な戦略を練り成果を伸ばすために積極的に動いていきましょう。
中元節(中元普渡)の供物・詰め合わせ需要の読み方
まずは中元節(中元普渡)の供物・詰め合わせ需要の読み方という部分を深堀りしていきましょう。
中元節(中元普渡)は旧暦7月15日の行事であり、2026年は8月27日にあたります。
台湾では供物や詰め合わせ需要が発生する時期として知られており、一般家庭だけでなく会社や店舗でも「祭祀・供養向け」の購買が行われます。
※商品によっては派手なギフトより供物にしやすい体裁、まとめ買いしやすい仕様、詰め合わせのしやすさ、などが重視されることもあります。
非食品ブランドにとっては直接の大型商戦にならない場合もありますが、中秋節の直前期として市場が動き始めるサインと見ることは重要です。
特に台湾の商戦設計では、中元節を「小さい行事」と切り捨てるのではなく、秋商戦の入口として位置付ける方が実務的だと言えるでしょう。
中秋節は企業贈答と個人ギフトが重なる最大級の送禮シーズン
次に中秋節についてですが、これは台湾における最大級の贈答シーズンの一つです。
2026年は9月25日にあたり、台湾財政部の税務案内でも、中秋節が顧客や従業員向けギフト支出の代表例として挙げられています。
つまり中秋節は家庭で月餅や食品を楽しむ行事であるだけでなく、企業間の「送禮(贈り物)」が本格化する時期でもあります。
※実務上は、個人向けギフトと法人向けギフトが同時に立ち上がるため、包装、体裁、価格帯、提案資料の作り方を分ける必要があります。
また食品系が主役に見えやすい一方で、雑貨や工芸、生活用品でも「体裁の良い法人ギフト」として入る余地がある点を見逃してはなりません。
繰り返しリになりますが、中秋節は台湾で贈答市場へ入る最重要の入口の一つですので、この商戦期・需要期を見逃すことなく計画・戦略に取り入れてみてはどうでしょうか。
双11・双12は台湾ECでどんなカテゴリが動きやすいのか
また双11と双12についてですが、これは台湾ECにおける年末商戦の大きな山と言えます。
経済部統計處の2024年11月統計では、周年慶や双11、ブラックフライデーの影響で、電子購物及郵購業も含めた小売売上が伸びたとあります。
つまり双11は台湾でもすでに定着したEC大型セールであり、価格訴求だけでなく「セット提案や期間限定企画」が動きやすい時期でもあるのです。
特に雑貨、家居用品、服飾、美容・日用品のように、比較検討しやすくECで買いやすいカテゴリは相性が良いと言えるでしょう。
一方で単に値引きを深くするだけではなく、周年慶や中秋節で認知を取った後の「回収局面」として使う方、この方が台湾市場では成果につながりやすいという点も意識すると、より年間商戦にマッチする戦略が立てやすくなるでしょう。
周年慶(台湾百貨店の周年記念セール)が秋~年末の商戦になる理由
さらに周年慶についてですが、これは台湾百貨店が行う周年記念セールであり、秋から年末の消費を大きく押し上げる行事でもあります。
経済部統計處は2024年11月の小売売上増の要因として周年慶を明記しており、百貨公司売上も前年同月比3.1%増でした。
さらに2025年には、新光三越南西店の周年慶初日売上が5億台湾元超、台中新光三越では周年慶初日に20億台湾元規模が報じられています。
これにより周年慶が単なる値引きセールではなく、「台湾小売の一大イベント」であることが分かります。
日本ブランドにとっては百貨店系販路や催事、ギフト需要とつながる重要な時期として見るべきだと言えるでしょう。
決して見逃してはならない商戦・行事の1つですので、ジャンル次第では丁寧に戦略を練っておくことをオススメします。
中秋節・周年慶・双11は単独で見るより連続商戦として設計する
最後に中秋節・周年慶・双11は単独で見るより連続商戦として設計するべき、という点に触れておきましょう。
既にご存知の人もいるかもしれませんが、台湾の下半期商戦は「中秋節、周年慶、双11」が連続して起こるのが特徴です。
中秋節でギフト需要を取り、周年慶で百貨店集客に乗り、双11でEC回収を図る、という流れを組むことができます。
そのため、それぞれを単独イベントとして扱うより、連続する販促波として設計した方が効率的です。
※実際に経済部統計處が2024年11月売上増の背景として周年慶と双11を並べて挙げていることからも、消費者行動が一つの季節的な流れになっていることが分かります。
台湾下半期で売上を作るには、イベントごとにゼロから企画するのではなく、9月~12月を一続きの商戦期として「商品と施策をつなげる発想」が重要だと言えるでしょう。
台湾の贈答文化とタブー

ここからは台湾の贈答文化とタブーについて解説をしていきます。
台湾でギフト需要を取りにいくなら、単に「良い商品を用意する」だけでは足りません。
送禮(贈り物)文化では、何を贈るかと同じくらい「どう包むか、どう見せるか、どんな意味に見えるか」が重視されます。
※台湾財政部の税務解説でも、春節や中秋節に顧客・従業員向けギフトを配る商慣習が前提になっており、贈答が日常的なビジネス文化の一部であることが分かります。
一方で時計や傘、刃物など、文化的な一般論として避けられがちな品もあります。
これらは絶対的な禁止事項ではありませんが、ギフト訴求を設計する側としては知っておいた方が安全ですので、需要やタブー要素について知るためにも、各項目に目を通してみてください。
台湾の送禮(贈り物)文化では何が重視されるのか
まずは基本的な部分でもある「台湾の送禮(贈り物)文化では何が重視されるのか」、という点について掘り下げていきましょう。
台湾の送禮(贈り物)文化では、贈る品の機能や価格だけでなく「体裁、配慮、関係性へのふさわしさ」が重視されます。
とくに中秋節や春節のような節目では、企業と顧客、上司と部下、家族や親族の間でギフトが交わされることが多く、台湾財政部もこうした節慶ギフト支出を実務上の前提として扱っているのです。
つまり台湾ではギフトは単なる商品ではなく、関係性を確認し、気持ちを示す行為でもあります。
そのため包装が簡素すぎたり、用途が分かりにくかったり、相手の立場に合わない品だったりすると、商品自体の良さとは別のところで「評価が下がる」ことがあります。
実務面でみる場合は、台湾向けギフトを「単なる商品」ではなく「儀礼を伴う提案」として考える視点が大切だと言えるでしょう。
体裁・包装・見え方がギフト評価に与える影響について
次に「体裁・包装・見え方」がギフト評価に与える影響について触れていきましょう。
先の項目でも体裁などについて触れてきましたが、台湾のギフト市場では中身だけでなく「見た目の完成度」がかなり重要です。
中秋節や春節のような贈答期は、相手に渡した瞬間の印象が評価に直結しやすく「包装、箱の質感、色づかい、持ち運びやすさ、企業ロゴの見せ方」まで含めて体裁が見られます。
これは高級品である必要があるという意味ではなく、贈り物としての整い方が必要だということです。
台湾財政部が顧客や従業員向けギフト支出を前提にしていることからも、ギフトが企業活動の一部として定着していることが分かります。
日本ブランドが台湾で贈答需要を取るなら、商品力だけでなく「渡しやすい・見栄えが良い・相手に恥ずかしくない」仕様に仕上げること、これが重要だということを覚えておいてください。
時計・傘・刃物・ハンカチ・数字の4などはどう扱うべきか
また「時計・傘・刃物・ハンカチ・数字の4」などはどう扱うべきか、という点にも触れておきましょう。
台湾や華語圏の一般的な贈答文化では、「時計、傘、刃物、ハンカチ、数字の4」などは、語呂や連想の面から避けられることがあると紹介されることが多いのです。
たとえば時計は送鐘(時計を贈る)が送終(最期をみとる)と同音、傘は散を連想し、刃物は「縁を切る」を想起させるといった説明が一般的なのです。
※ただし、これは絶対的なルールというよりも、文化的な一般論として知っておくべきものとも言えます。
もちろん若い世代や関係性によっては受け止め方も異なりますが、企業ギフトや初回贈答では避けた方が無難な場面が多いものであります。
台湾向けのギフト企画では、「売りたい物」ではなく「贈られて安心な物」から逆算する発想が役立つため、こういった「避けるべき品物の文化」についても把握しておくことが大切なのです。
目上・取引先・企業贈答で失礼になりにくい見せ方とは
さらに「目上・取引先・企業贈答」で失礼になりにくい見せ方についても、わかりやすく解説をしていきましょう。
台湾で目上や取引先へ贈るギフトでは、目立ちすぎる奇抜さより「整っていて、渡しやすく、意味づけしやすい」ことが重視されやすいです。
※高額であることより、「この場にふさわしい」「失礼がない」「受け取った側が困らない」ことが大切だと言えるでしょう。
・色数を抑えた上品な箱
・繁体字での簡潔な説明
・用途の分かりやすい商品構成
・持参しやすいサイズ感
企業贈答では上記のような条件を満たす品物が評価されやすくなります。
台湾の送禮文化では、品物そのものよりも「気遣いの伝わり方」が見られやすいため、日本ブランドが高級感だけで押すのはよろしくありません。
送禮文化に合うことを優先した方が結果的に受け入れられやすくなるケースが多いため、品物やジャンル次第ではありますが「高級感」よりも「気遣い」を優先して訴求をする視点も大切だと覚えておきましょう。
刃物を扱う日本企業は「ギフト以外の訴求軸」をどう設計するか
最後に刃物を扱う日本企業は「ギフト以外の訴求軸」をどう設計するか、というテーマで解説をしていきましょう。
当項目でも触れてきたように、刃物は台湾文化での一般論として贈答タブーに触れられることがあります。
そのため台湾向けに包丁や刃物を扱う日本企業は、ギフト訴求を主軸にしすぎない方が安全です。
もちろん絶対に贈れないという話ではありませんが、少なくとも中秋節や企業送禮の王道商品としては選ばれにくい可能性があります。
そこで重要になるのが刃物を「贈答品」ではなく、「料理道具、プロ仕様、ライフスタイル、自己投資」の視点で訴求することです。
つまり包丁などは台湾商戦に乗せないのではなく、「どの商戦で、どの理由で売るか」をずらす必要があります。
ギフト需要より自家需要やプロ需要へ重心を移す設計の方が、台湾市場では自然に受け入れられやすいため、そういった視点でビジネス戦略を練ってみてはどうでしょうか。
商戦カレンダーを販売計画に落とし込む

ここからは台湾の年間商戦カレンダーを販売計画に落とし込む、というテーマで解説をしていきます。
台湾商戦の記事を読んで終わらせないためには、祝日を知識として覚えるだけでなく、いつから準備を始めるべきかへ落とし込む必要があるのです。
例えば母の日は4月時点で百貨店販促が売上を押し上げ、11月は周年慶や双11で小売売上が大きく動いているなどを知れば、戦略がどれほど大切かが伝わるでしょう。
つまり台湾商戦は売る当月に始まるのではなく、その前月や前々月の準備で勝負が決まりやすい市場なのです。
催事、EC、ギフト仕様、法人営業はそれぞれ準備リードタイムが違うため、商戦ごとに逆算軸を持つことが重要!
こういった販売計画における重要なポイントを掘り下げていきますので、結果を出すためにも各項目をしっかりチェックしていきましょう。
百貨店催事・誠品・ポップアップ出店はいつから逆算すべきか
まずは「百貨店催事・誠品・ポップアップ出店」は、いつから逆算すべきかという点に触れていきましょう。
百貨店催事や誠品、ポップアップのようなリアルな接点は、実施月の1~2カ月前に動いても遅いことが少なくありません。
ここまででも何度か触れてきましたが、台湾の上半期・下半期商戦を本気で取りにいくなら、春節・母の日・中秋節・周年慶のそれぞれに合わせて、数カ月前から「商品構成、見せ方、繁体字素材、在庫配分」を固める必要があります。
とくにギフト需要を狙うなら、「相手先との商談、什器、包装、納期調整」まで必要になるため、一般的なEC販促よりも前倒しで準備した方が安全です。
リアル催事は売る場であると同時に「認知の場」でもあるため、商戦直前より商戦前の空気を作る場として使う発想が重要!
ここを怠ってしまうと思ったよりも結果が伸びないケースが多いため、しっかりと逆算して余裕を持ったペースで各種準備を進めていきましょう。
ECセール向けの商品登録・広告・在庫準備は何カ月前に動くべきか
次にECセール向けの「商品登録・広告・在庫準備」は何カ月前に動くべきか、という点も深堀りしていきます。
例えば双11や双12のようなECセールは、11月・12月に売れるイベントではあるものの、準備は秋より前に始めるのが理想的です。
理由としては「商品登録、価格設計、広告クリエイティブ、在庫搬入、レビュー蓄積、セット企画」など、売上を作るための前工程が非常に多いからです。
※経済部統計處が2024年11月の小売売上増の背景に「双11と周年慶」を挙げていることからも、消費の波は「一気に来る」ことが分かります。
そのため台湾向けECではセール当日に値引きを打つだけではなく、その前から商品発見と比較の導線を作っておく必要があるのです!
つまり双11は11月の施策ではなく、秋から逆算する販売計画として扱うのが実務的。
この視点をしっかりと持ち事前にガッチリと準備を固めておくことで、商戦・需要期を逃さずに売上を伸ばすことが可能になるのです。
中秋節ギフト市場の詰め合わせ・包装・法人提案の整え方
また中秋節ギフト市場の「詰め合わせ・包装・法人提案」の整え方、考え方についても触れていきましょう。
中秋節のギフト市場に入るなら、商品そのものより「詰め合わせ方、包装、法人向け提案書」を先に整える必要があります。
台湾財政部の案内が示すように、中秋節は顧客や従業員へのギフト支出が現実に存在する行事です。
そのため個人向け単品販売とは違った視点が必要なのです。
・法人向けのまとめ提案
・贈答にふさわしい箱仕様
・繁体字での簡潔な説明
上記の他にも「数量別価格設計」なども重要な部分です。
日本ブランドにとっては「台湾向けに何を売るか」だけでなく、「台湾企業が中秋節ギフトとしてどう採用しやすいか」を考えることが市場参入の鍵になります。
中秋節は単なる季節イベントではなく、法人ギフト市場へ入る窓口として見る価値があり、だからこそ力を入れて戦略を練り進めていくべき商戦・需要期だと言えるでしょう。
商戦ごとに「単品訴求」「セット訴求」「企業贈答訴求」の使い分け
さらに商戦ごとに「単品訴求」「セット訴求」「企業贈答訴求」の使い分けについても、わかりやすく触れていきたいと思います。
台湾商戦では、どのイベントでも同じ売り方をするより、時期ごとに訴求単位を変えた方が成果が出やすいです。
・春節や中秋節はセット訴求や贈答訴求が強い
・母の日は単品ギフトと百貨店向け提案が機能しやすい
・双11・双12は比較しやすい単品や限定セットが相性の良い
全ての商品に当てはまるわけではありませんが、上記のような傾向・特徴が強いのです。
つまり商品が一つでも、どの商戦でどう見せるかによって売れ方に雲泥の差が生まれます。
日本ブランドが台湾市場で失敗しやすい理由として、変に商品を固定しすぎて、商戦ごとの購買目的に合わせた組み替えをしていないケースが挙げられるでしょう。
販売計画では商品数より「訴求パターンの切り替え」の方が重要になるケースも多いため、商戦ごとに訴求方法を上手に使い分けて戦略を練ることをオススメします。
台湾商戦は売る時期より準備開始時期で勝負が決まる
最後に台湾商戦は「売る時期」よりも、「準備開始時期」で勝負が決まるという点に触れていきましょう。
色々と解説をしてきましたが、結局のところ台湾商戦で差がつくのは「いつ売るか」そのものより、「いつ準備を始めたか」が大きく影響します。
春節、中秋節、周年慶、双11はいずれもピークが分かりやすい一方、その時期に合わせて商品を作り、包装を整え、販路と交渉し、繁体字素材を準備し、広告や催事を組むにはかなりの時間がかかります。
経済部統計處の統計が示すように、台湾では母の日や11月商戦が実際に売上を押し上げていますが、これは当月の販促だけで作られた数字ではありません。
台湾商戦は売場のピークを見るより、そのピークの何カ月前に仕込みを始めるか、こういった要因で「結果が決まる市場」だと考えるべきです。
もちろん売る時期も大切ではあるのですが、だからこそそこにあわせて準備や戦略を念入りに整えていくかが重要になるということをしっかりと意識したうえで、スムーズに動くことが望む結果を得るために大切なポイントだと覚えておきましょう。
台湾の年間商戦で結果を出すには念入りな準備が必要

今回は台湾の年間商戦について各商戦期・需要期のタイミング、そして贈答文化や販売計画の重要性について解説をしてきました。
台湾市場で成果を出すために大切なのは、商戦を単なるイベント一覧として覚えることではなく、それぞれの時期に動く需要を理解し、自社の商品や販路に合わせて計画へ落とし込むことです。
春節は年貨需要を含む大型消費期であり、中秋節は企業贈答と個人ギフトが重なる送禮シーズン、そして周年慶や双11・双12は百貨店やECで売上を大きく押し上げる時期として機能します。
つまり台湾では、売れる商品を持つことと同じくらい「どの商戦で、どの仕様で、どのチャネルに乗せるか」が重要なのです。
とくにギフト需要を狙う場合は商品そのものだけでなく、「包装、詰め合わせ、法人向け提案、文化的なマナー」まで含めて設計する必要があります。
さらに台湾商戦は売る直前に動いても遅いことが多く、実際には準備開始時期の早さが勝敗を分けるのです。
これら全てを初めから自社で進めようとすると、どこかの工程で進捗が滞ってしまったり、雑に進めてしまい結果に悪影響が出てしまうリスクもあるでしょう。
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