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【開催報告】グローバルコネクト福岡「海外展開オンラインセミナー 第3回」に登壇しました|台湾市場進出の第一歩

  • 堤浩記
  • 7月29日
  • 読了時間: 8分

更新日:8月9日


オンラインセミナーで登壇する株式会社Link Global 代表取締役 堤浩記

2026年7月28日(火)、グローバルコネクト福岡(福岡県商工部スタートアップ推進課)主催の「海外展開オンラインセミナー 第3回 入門講座」に、弊社代表・堤浩記が講師として登壇いたしました。


テーマは「台湾市場進出の第一歩 〜輸出とインバウンドで掴む、最も身近なアジア市場〜」。食品・工芸・水産加工・製造業をはじめ、幅広い業種の事業者さまにオンラインでご参加いただきました。


貴重な機会をいただきましたグローバルコネクト福岡ならびに福岡県の皆さまに、改めて御礼を申し上げます。


開催概要

  • 名称:海外展開オンラインセミナー 第3回 入門講座「台湾市場進出の第一歩 〜輸出とインバウンドで掴む、最も身近なアジア市場〜」

  • 主催:グローバルコネクト福岡(福岡県商工部スタートアップ推進課)

  • 日時:2026年7月28日(火)16:00〜17:30

  • 形式:オンライン(Zoomウェビナー)/参加無料

  • 講師:株式会社Link Global 代表取締役 堤 浩記(グローバルコネクト福岡 海外展開支援アドバイザー)


グローバルコネクト福岡は、福岡県が天神のCIC Fukuoka内に開設した支援拠点で、中小企業の海外展開やビジネスマッチングを総合的に支援しています。


セミナーの登壇講師紹介スライド(株式会社Link Global 代表取締役 堤浩記)

セミナーの内容

「これから海外展開を検討したい」「台湾は候補に入るのか判断したい」という段階の事業者さまを想定し、90分を5部構成で組み立てました。


第1部|なぜ、いま台湾なのか

台湾経済の現在地と、最初の海外市場としての適性を整理しました。距離・親日度・言語環境・インバウンドとの接続という4つの観点から、台湾が「試しやすい市場」である理由をお伝えしています。


あわせて、実務の現場でよく聞かれる「台湾は中国市場へのゲートウェイなのか」という問いについても取り上げました。輸出先シェア・対中投資・現地の意識という3つのデータからは、台湾はそれ自体が独立した成長市場であるという姿が見えてきます。


「台湾は中国へのゲートウェイ」は誤解であることを輸出先・対中投資・住民意識の3データで示したスライド

第2部|輸出とインバウンドは「両輪」で考える

訪日台湾人は676万人、旅行消費額は1.2兆円(いずれも2025年実績・過去最高/出典:JNTO・観光庁)。リピーター率は84%にのぼり、個人旅行・地方志向・体験志向が強いことが特徴です。


訪日台湾人676万人・旅行消費額1.2兆円・リピーター率84%を示したセミナースライド

つまり台湾市場は、海の向こうだけにあるのではなく、すでに日本国内にも存在しているということ。「売りに行く」輸出と「来てもらう」インバウンドを切り離さず、循環として設計する考え方をお話ししました。


訪日台湾人客のデータについては、訪日台湾人客をデータで読む2026 でより詳しく解説しています。


なお福岡〜台北線は週約59便、5社が毎日運航しています。商談・視察・サンプル輸送のリズムを東京を経由せずに組めることは、福岡の事業者にとって明確なアドバンテージです。


第3部|商談で失敗しない「7つの型」

現場で繰り返し目にしてきた落とし穴を、商談の「前・中・後」に沿って7つに整理しました。


  • 台湾の商談は名刺交換ではなくLINEアカウントの交換から始まること

  • 中国語(繁体字)の会社案内・価格表がないと、歓迎ムードでも判断してもらえないこと

  • 「反応がいい」ことと「契約の意思がある」ことは別物であること


いずれも特別な話ではなく、事前に知ってさえいれば避けられるものばかりです。


第4部|どのチャネルで、どう進めるか

EC・代理店・展示会・卸・インバウンドという5つの進出チャネルを、スピード・コスト・難易度の3軸で比較しました。個社単独で出るか、組合や産地としてまとまって出るかという選択肢にも触れています。


そして最も難しいのは、実は入口ではなく、最後までやり切る実行フェーズです。ここで差がつくという点を強調しました。


第5部|事例研究 — 成功と失敗

実際の支援事例をもとに、うまくいったケースと、途中で止まってしまったケースの双方をご紹介しました。振り返って共通していたのは、成否を分けたのが「商品力」ではなく「進め方」だったという事実です。


いただいたご質問と回答

事前にお寄せいただいた質問と当日の質疑応答から、多くの企業に共通する4問をご紹介します。


調味料はBtoCとBtoB、どちらを狙うべきか

「台湾人は家で料理をしない」というお話は、半分当たっています。台湾は外食文化が非常に強く、朝食から外で食べるのが一般的です。


ただし、だから家庭向けは売れない、とはなりません。台湾のスーパーには日本の調味料が普通に並んでいますし、共働き世帯が多いぶん「これ一本で本格的な味になる」合わせ調味料や鍋つゆは、むしろ相性の良いカテゴリーです。


おすすめは二段構えです。まず日本料理店や業務用の問屋、つまりBtoBで足場を作る。ロットがまとまりリピートが安定するため、商流が早くできます。それと並行して、小売やECでブランドを知ってもらう。どちらが向くかは、商品の価格帯・賞味期限・使い方の説明のしやすさの3点で変わります。


台湾に輸出する食品は、賞味期限がどれくらい残っていれば良いか

法律の話と商習慣の話を分けると整理できます。法律面では、台湾に「残り何日以上ないと輸入できない」という一律の基準は基本的にありません。食品安全衛生管理法で有効日期の表示義務はありますが、残存期間の縛りはないためです。


効いてくるのは商習慣のほうです。バイヤーや小売は「全体の3分の2以上残っていること」を納品条件にすることが多く、賞味期間が12か月の商品なら、台湾の倉庫に着いた時点で8か月以上残っていることが求められます。船便で2〜4週間、これに通関と検査が加わります。逆算すると、賞味期間が6か月を切る商品は船便での定番流通が難しくなり、航空便前提か催事での販売という位置づけになります。


なお酒類は別の枠組みです。食品安全衛生管理法ではなく菸酒管理法の管轄で、所管官庁も財政部国庫署に変わります。有効日期の表示義務があるのはアルコール度数7%以下のものと、プラスチック・紙容器のものだけで、日本酒や焼酎のガラス瓶には表示義務そのものがありません。


これから輸出を始めるにあたって、まず注意すべきことは

商品カテゴリーを問わず共通する注意点が4つあります。


  • 代金回収:初回はT/T前金が基本です。掛売りに移行する際は日本貿易保険(NEXI)の輸出保険や民間の取引信用保険を活用します。海外取引の焦げ付きは、回収に動いてもまず戻ってきません

  • 物流:台湾は近く選択肢が多い一方、温度帯や梱包の要件で船便と航空便のコストが大きく変わります

  • 表示:繁体字中国語の表示が必要です。中国向けの簡体字ラベルは流用できません

  • 商標:販売開始前に台湾で出願してください。台湾も先願主義のため、先に取得されると買い戻しの交渉になります


一方、製品ごとの規制はカテゴリーによってまったく別の世界になります。食品はTFDAの輸入査験と食品表示基準、電気製品はBSMI(経済部標準検験局)の安全認証、化粧品は化粧品衛生安全管理法とPIF、酒類は菸酒管理法、医療機器は医療器材管理法。所管官庁も必要書類も所要期間も異なります。


なお食品については追い風があります。2025年11月21日、台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は、原発事故後に続いていた日本産食品への輸入規制を撤廃しました。5県産食品に求めていた放射性物質検査報告書と、日本産全食品に求めていた産地証明書(いずれも酒類を除く)が不要になっています(出典:ジェトロ・農林水産省)。書類の負担は、ここ十数年で最も軽い状態です。


和菓子などの食品は、どの窓口からアプローチすれば良いか

参入しやすい順に3つあります。ひとつめが百貨店の日本物産展・催事。新光三越やSOGOなどで、窓口はジェトロ・自治体・催事系の輸入商社です。ふたつめが日系スーパーや高級スーパー、日本食品のセレクトショップで、こちらは輸入商社経由が基本になります。みっつめがECおよび越境ECです。


まず催事でテスト販売し、反応を見てから常設の棚を狙う——という順序が現実的です。


このほか、医療機器や福祉機器の展開、MOU締結時の留意点、国産木材の輸出可否など、実務に踏み込んだご質問を多数いただきました。順次、当ブログで個別に解説記事として公開してまいります。


セミナー内容の「持ち帰り版」

当日は録画アーカイブの配信を行っておりません。セミナーで扱った内容の各論は、台湾市場進出 完全ガイドマップ2026 にまとめて無料公開しています。


業界別(食品/工芸/家具/飲食など)・目的別(輸出/EC/インバウンド/視察)の進め方に加え、当日ご紹介した統計・制度の出典もこちらから辿っていただけます。


登壇を終えて

今回のセミナーで一貫してお伝えしたかったのは、台湾は近い、近いからこそ準備と実行で差がつく、ということでした。


距離が近く、親日的で、日本製品への信頼も厚い。だからこそ「なんとなく行けそう」で走り出してしまい、資料が準備できていない、レスポンスが遅れる、好感触を成約と取り違える——といったところで止まってしまうケースを、これまで数多く見てきました。


逆に言えば、台湾で「海外で戦う型」を身につけられれば、その経験は次のアジア市場でそのまま効きます。最初の一市場として台湾を選ぶ意味は、そこにもあると考えています。


福岡企業の海外展開パターンや地域の優位性については福岡の中小企業が海外展開で成功する理由で詳しく解説しています。

海外展開をご検討中の企業さまへ

福岡県・グローバルコネクト福岡では、海外展開支援アドバイザーへのご相談窓口を設けています。「何から始めるべきか分からない」という段階でも、方向性を整理するところからご相談いただけます。詳しくは グローバルコネクト福岡の公式サイト をご覧ください。


グローバルコネクト福岡における海外展開支援施策を示したスライド

福岡県の支援制度・補助金については、福岡県の海外展開支援制度・補助金完全ガイド2026 でも整理しています。


弊社Link Globalでは、重点国の選定から展示会出展・商談化・現地での売上化まで、一貫した伴走支援を行っています。自治体・団体さま向けのセミナー・研修のご依頼は 海外展開セミナー・講演の講師依頼 をご覧ください。


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