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地域別ラーメンスタイル図鑑と海外ローカライズのコツ

  • 堤浩記
  • 9月14日
  • 読了時間: 15分
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「日本の地域別のラーメンスタイルが知りたい!」

「日本の各地域のラーメンの特徴や魅力を学びたい!」

「海外で日本のラーメンを再現する方法やコツが知りたい!」


世界でも高い評価を獲得している日本のラーメン!


そんな日本で独自の進化を果たしたラーメンは、海外での展開・フランチャイズビジネスなどでも注目されています。


そこで今回は日本の地域別ラーメンスタイル図鑑として、各地域のラーメンの特徴や魅力なども含め解説していきたいと思います。


また海外ローカライズのコツについても触れていきますので、ぜひ各項目を参考にしてみてください。


ラーメンの地域スタイルマップ

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それではラーメンの地域スタイル図鑑・マップとして、各地域のラーメンの特徴について解説をしていきます。


スープやタレ、トッピングなどについても掘り下げていきますので、ぜひ各地域のラーメンの魅力についてチェックしてみてください。


札幌味噌


まずは北海道・札幌発祥の味噌ラーメンについて触れていきましょう。


北海道の札幌味噌ラーメンは有名なラーメンの一種ですが、元々は寒冷地ならではの「体を温める」ために生まれたスタイルなのです。


この札幌味噌ラーメンの最大の特徴は、濃厚な味噌ダレをベースにしたスープでしょう。


豚骨や鶏ガラ、野菜を煮込んだスープに炒めた味噌を合わせ、さらにラードを加えることで熱々の状態を長時間保ちます。


表面に浮かぶ脂が冷めにくさを演出しつつ、濃厚な旨みを楽しみながら北海道の冬でも最後まで温かく食べられるのです。


また麺は黄色みの強い中太縮れ麺が定番で、スープとの絡みが抜群です!


トッピングには炒めたモヤシや玉ねぎ、コーン、バターが人気で、北海道らしい濃厚で力強い一杯を作り上げています。


札幌味噌ラーメンは、日本のラーメン多様性を代表する存在として国内外で広く知られているので、海外展開した際も人気に期待ができるスタイルだと言えるでしょう。


函館塩


次に「塩ラーメン」の代名詞として知られている函館塩ラーメンについて触れていきましょう。


函館塩ラーメンは透明感のあるスープは鶏ガラや豚骨をベースに、昆布や魚介を加えて仕上げられ、あっさりとした口当たりが特徴的です。


また表面の脂は控えめで、澄んだ黄金色が美しく、すっきりとした味わいを引き立てます。


さらに麺は中細のストレート麺が多く、スープと一体感のある上品な食感が楽しむことができる点も見逃せません!


トッピングはシンプルで、チャーシュー、メンマ、ネギなどが中心であり、素材の旨味を素直に味わえる一杯として地元はもちろん観光客からも人気です。


もちろんお店によって若干の違いはありますが、基本的には上記のようなスタイルで作られることが多い函館塩ラーメン!


塩ラーメンといえば函館、と言われるほど地域性が強く、日本のラーメン文化における「原点的存在」と位置付けられているので、少しのアレンジで海外ウケするラーメンとしても展開しやすいと言えるでしょう。


旭川醤油


また旭川ラーメンは北海道第二の都市・旭川で発展したご当地ラーメンであり、濃口醤油をベースにしたスープが特徴的です。


豚骨や鶏ガラに魚介の出汁を合わせる「Wスープ」が主流で、深みのある醤油の風味とコクを引き立てています。


こちらも寒冷地特有の工夫としてラードを表面に浮かせてスープが冷めにくいようにしており、濃厚ながら熱々の状態を最後まで楽しめます。


また麺は低加水の中細縮れ麺が主流で、スープをしっかり吸い込み、噛むほどに旨味が広がります。


トッピングにはチャーシュー、メンマ、ネギなどが中心であり、他のラーメンと比較するとトッピングが少し地味に感じるかもしれませんが、全体的にシンプルな構成だからこそスープと麺の完成度が際立ちます。


札幌の味噌に対して「醤油の街」として知られる旭川の一杯は、北海道ラーメンの多様性を象徴する一杯として好評、だからこそ海外展開を検討する人もいるラーメンスタイルだと言えるでしょう。


東京醤油


東京のラーメンの中でも「東京醤油ラーメン」は、日本のラーメン文化の基盤を築いた存在だと言えるでしょう。


スープは鶏ガラや豚骨をベースに、カツオ節や煮干しなどの魚介を加えて作られる、あっさりとした中に旨味が凝縮されたものが定番です。


表面の脂は控えめで、すっきりとした飲み口が特徴的であり、麺は中細のストレート麺ややや縮れた麺が一般的でスープとの相性を重視しています。


トッピングはチャーシュー、メンマ、海苔、ナルト、ほうれん草など、シンプルかつ昔ながらの組み合わせが多く、派手さはないものの、日常的に食べられる親しみやすさが魅力的です。


そんな東京醤油ラーメンは、日本全国へラーメン文化を広める基盤となったスタイルであり今も根強い人気を誇っています。


定番の味を求める海外の方にも人気が高いので、フランチャイズ展開をする際にも候補に入るスタイルだと言えるでしょう。


家系(横浜)


横浜発祥の「家系ラーメン」は1970年代に誕生した比較的新しいスタイルですが、今では全国的に広まっている人気のラーメンです。


家系ラーメンの特徴は様々ですが、まずは豚骨醤油スープに鶏油を加えた濃厚でパンチのある味わいが挙げられるでしょう。


またこってりとした独特のスープは太めのストレート麺とよく絡み、強い満足感を与えてくれます。


そしてトッピングは大きな海苔、ほうれん草、厚切りチャーシューが定番であり、食べる人の好みに応じて「麺の硬さ・味の濃さ・脂の量」を調整できる点も家系ラーメンが人気の理由です。


家系ラーメンは若者や働き盛りの世代から特に支持される傾向が強いですが、少しおしゃれなお店で提供される家系アレンジラーメンは女性ファンもいたりするのです。


横浜から全国へ広がったその力強い味わいは、ラーメンの進化と地域性を象徴する存在となっているため海外ファンも多く、海外展開のラーメンスタイルの候補に入るポテンシャルを持っていると言えるでしょう。


喜多方


また福島県・喜多方市の「喜多方ラーメン」は、日本三大ラーメンの一つとして数えられる名物です。


スープは豚骨や煮干し、野菜をベースにしたあっさり系の醤油味が基本です。。


透明感のある優しい味わいは、日常的に食べられる飽きのこない仕上がりであり、麺は太めの平打ち縮れ麺が特徴で、もちもちとした食感とスープの相性が抜群!


トッピングはチャーシュー、メンマ、ネギなどシンプルですが、素材の旨味をしっかり感じられる点が評価されています。


喜多方ラーメンを提供するお店は朝から営業する店も多く、「朝ラー文化」としても知られ地域の生活に根ざした存在です。


地方から発症した素朴ながら奥深い味わいは、多くのファンを惹きつけています。


そんな喜多方ラーメンは国や地域次第では海外でも多くのファンを生み出す素敵なラーメンだと言えるでしょう。


富山ブラック


富山発祥の「富山ブラックラーメン」は、その名の通り真っ黒なスープが特徴的です!


濃口醤油をベースにしたスープは塩分が強く、一見すると驚くほど濃厚ですが、食べ進めると黒胡椒の刺激やスープに染み込んだ程よい旨味がクセになります。


そんな富山ブラックラーメンは戦後に肉体労働者の塩分補給のために考案された背景があり、ご飯と一緒に食べるスタイルが一般的です。


ちなみに麺は太めのストレートが多く、濃厚なスープとのバランスを取っていることが多いです。


またトッピングはチャーシューやメンマ、ネギなどシンプルですが、先に挙げたような理由からスープの存在感が圧倒的であり、一度食べたら忘れられないインパクトがあります。


そんな富山ブラックは、個性派ご当地ラーメンとして全国にその名を知らしめているので、濃い味を好む国や地域では根強いファンを作ることができるかもしれません。


和歌山


和歌山ラーメンは、濃厚な豚骨醤油スープが特徴のご当地ラーメンです。


豚骨をしっかり炊き出したスープに醤油ダレを合わせ、まろやかさと深みを両立させています。


脂は比較的しっかりめで、スープに厚みを与えていますが、豚骨特有の臭みは抑えられており飲みやすさがあります。


そして麺は細めのストレートが基本で、スープとの一体感が高い仕上がりが評価されています。


ちなみにトッピングはチャーシュー、かまぼこ、メンマなどが多く、地元では「早寿司」(サバ寿司)と一緒に楽しむ食文化も存在するのです。


そんな和歌山ラーメンはラーメン文化を代表する一杯として、観光客からも高い人気を誇ります。


尾道


広島県・尾道のご当地ラーメンは、醤油ベースのスープに鶏ガラや小魚を合わせたあっさり系が基本です。


このラーメンの最大の特徴は、表面に浮かぶ背脂のミンチです。


こってり感を与えながらも、魚介の旨味と調和してバランスの良い味わいを作り出しています。


麺は平打ちの中細ストレートで、つるりとした食感がスープとよく合い、トッピングはチャーシュー、メンマ、青ネギなどシンプルですが、スープと背脂の存在感を抜群に引き立ててくれます。


意外に感じる人も多いのですが、尾道ラーメンは見た目以上にあっさりしており、飽きずに食べられるのも魅力的なポイントです。


そんな尾道ラーメンは広島県内を中心に中国地方で広がりを見せ、観光客からも愛されるご当地グルメとなっています。


博多・久留米(豚骨)


最後に九州北部を代表する博多・久留米ラーメンは、豚骨スープを極めたスタイルとして有名です!


久留米が発祥とされ、豚骨を長時間炊き出して白濁させた濃厚スープが特徴的であり、博多ではさらにクリーミーでキレのあるスープへと進化して全国に広がりました。


脂はしっかりと浮かびますが、まろやかで飲みやすい仕上がりであり、麺は極細ストレートで茹で時間を調整する「バリカタ」や「ハリガネ」などの文化も有名です。


さらに替え玉制度や、紅生姜・高菜・ニンニクで自由に味変できる楽しさも大きな魅力と言えるでしょう。


豚骨ラーメンは九州の食文化を象徴する存在として、日本国内のみならず世界中にファンを持っているので、トッピングも含めて海外展開を視野に入れても良い素敵なラーメンスタイルの一種だと言えるでしょう。


海外での再現の勘所

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ここからは各ラーメンの海外で再現する際の勘所について解説をしていきます。


成功するために大切なポイントですので、是非各項目に目を通してみてください。


原材料の代替


まず海外でラーメンを再現する場合の課題の一つが「原材料の入手」です。


日本では当たり前に手に入る醤油、味噌、鰹節や煮干しといった出汁素材が、現地では高価であるケースも珍しくありません。


※また場合によっては輸入規制の対象になることもあるのです。


そのため現地で手に入る食材を代替として活用する工夫が求められます。


例えば魚介系の旨味を出すためにアンチョビや乾燥エビを使用したり、味噌の代わりに発酵豆ペーストを利用するといった方法があるでしょう。


他にも小麦粉の違いから日本の麺独特のコシを再現するのが難しいため、現地製粉業者と共同開発するケースも増えています。


大切なのは「本物をそのまま輸入する」ことに固執せず、現地の食材を活かして日本らしい味の輪郭を残すことです。


こういった工夫をすることでコストを抑えつつ、現地の消費者に受け入れられる持続可能なラーメン文化を構築することが可能になるのです。


冷凍・濃縮


次に海外で安定的に日本のラーメンを提供するためには、「冷凍」や「濃縮技術」の活用が欠かせません。


日本国内のラーメン店は毎日スープを仕込むのが一般的ですが、海外では食材の安定供給や人材の熟練度に制約があるため、現地でゼロから作るのは難しい場合が多いのです。


その解決策として挙げられるのが、スープを冷凍または濃縮して輸出する方法です。


近年は急速冷凍技術や真空濃縮技術が進化しているので、風味や香りを損なわずに本場の味を届けられるようになっています。


現地店舗では解凍や希釈を行うだけで、ほぼ同じクオリティのスープを再現可能な点は海外展開をする上で大きなメリットだと言えるでしょう。


また麺も冷凍技術によりモチモチとした食感を保持できるようになり、輸送の壁を越えて安定した品質を確保できます。


これらの技術は「日本の味をそのまま海外へ持ち込む」ための強力な武器となり、海外展開を成功させる鍵となっているのです。


設備と排気


最後に海外でラーメン店を運営する場合、意外に大きな壁となる「厨房設備」と「排気問題」にも触れていきましょう。


日本のラーメン店では大型の寸胴で長時間豚骨や鶏ガラを炊き出すのが一般的ですが、これをそのまま海外で行うと近隣住民から強烈な匂いに対する苦情が出るケースが多々あります。


また各国の保健衛生基準や消防規制により、日本式の厨房設計が通用しないことも珍しくありません。


そのため現地の法律に適合した排気装置や消臭設備を導入することが不可欠なのです。


今では寸胴での長時間炊き出しを避け、業務用圧力鍋やIH加熱システムを活用して短時間でスープを仕上げる工夫も広まっています。


単に味を再現するだけでなく「環境に適応した運営スタイル」を築く、これが海外でラーメン文化を根付かせるための重要な条件だと覚えておきましょう。


宗教・嗜好対応

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ここからは宗教や嗜好対応について解説をしていきます。


ラーメンに限らず海外で飲食関係のビジネスを展開する場合、非常に大切なポイントですので見逃すことなく各項目に目を通してみてください。


※この部分を軽視してしまうとビジネスが頓挫してしまうケースも珍しくないので、決して軽く見ることなく各項目をチェックしていきましょう。


ポーク不使用レシピ


まず海外にラーメンを展開する際、最初に考慮すべきは宗教的な「食の制約」です。


特にイスラム教圏では豚肉や豚由来の成分が厳しく禁じられているため、「ポーク不使用レシピ」の開発は必須となります。


代替としては鶏ガラや牛骨をベースにしたスープが主流であり、さらに魚介系の旨味を組み合わせることでコクを補う手法がよく用いられます。


使用するものがイスラム教の教えであるハラール(イスラム法で許されたもの)の基準に適合しているハラール認証を取得することは、単なる食材管理にとどまらず調理器具や仕入れルートの管理にも影響を及ぼします。


そのため現地の認証機関と協力し、明確なオペレーションガイドラインを整備することが欠かせません。


また豚骨ラーメンの代替として鶏白湯スープを用いることで「濃厚さ」と「宗教対応」の両立を実現できるケースも増えています。


ポーク不使用を前提にしたレシピ開発は、海外市場におけるラーメンの受容度を大きく左右する要素となるため、軽視することなく真剣に向き合う部分だと言えるでしょう。


ベジブロス


次に健康志向やヴィーガン需要の高まりを受け、海外のラーメン市場で注目されている「ベジブロス(野菜出汁)」についても触れておきましょう。


野菜出汁を軽視する人もいるのですが、動物性素材を使わず昆布や干し椎茸、トマト、玉ねぎ、キャロットなどをじっくり煮込むことでも、旨味とコクを引き出すスープが完成するのです。


海外展開においては「ヴィーガン対応」「ベジタリアン対応」を明示することが集客力につながるため、メニュー設計時点で専用の出汁を仕込むオペレーションを組み込むのが理想的です。


注意点としてはアレルゲン管理の観点から、動物性スープを仕込む際に使うものと同一の寸胴や器具を使わないようにすることがガイドラインとして重要になります。


現地で容易に入手できる野菜をレシピに取り入れることで、コストを抑えつつ地域ごとの「ローカライズ」が可能なベジブロス!


ベジブロスをベースにしたラーメンは、宗教的背景を問わず幅広い層にアプローチできる点で海外戦略の強力な武器となるため、国や地域次第ではベジブロスを積極的に取り入れるのも良いのではないでしょうか。


辛味アレンジ


最後に現地の嗜好に合わせた「辛味アレンジ」についても触れていきましょう。


東南アジアや中南米などスパイスやチリを好む地域では、辛味を強調したラーメンが人気を集めやすい傾向にあります。


そのため基本のスープに唐辛子ペーストやラー油、発酵系のチリソースを組み合わせることで、現地に馴染みやすい味わいを生み出すのも選択肢の一つです。


ただし辛さの度合いは国や文化によって大きく異なるため、ガイドラインとして「辛さレベルを段階的に提供する仕組み」を導入することが推奨されます。


例えば辛さを3段階や5段階で調整できるメニュー設計を行うことで、辛い料理に慣れていない人にも配慮しつつスパイシー志向の顧客を満足させることができます。


また現地の唐辛子品種を活用すれば「その土地ならではのラーメン」として話題性を生みやすく、SNS発信にもつながるなどのメリットを得ることもできるのです。


辛味アレンジは単なる味付けの変更ではなく、現地嗜好に寄り添ったブランディング戦略の一環として捉えることが重要!


辛い料理が好まれる国や地域では、この辛味アレンジを初期ブランディングに組み込むことで、話題を呼びつつ地域に根づくラーメン店として優れた評価を獲得することができるでしょう。


ラーメンで成功するため地域スタイルとローカライズは重要

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今回は日本の各地域のラーメンの特徴や魅力、そして海外展開を成功させるために大切なローカライズについて解説をしてきました。


日本には有名なラーメンはもちろん、地域のご当地ラーメンなど本当に様々なラーメンが存在します。


それは日本で独自に進化を重ねてきたラーメンでもあり、様々な特徴を持つため海外展開をする際に非常に参考になるラーメンとも言えるのです。


ラーメンビジネスを展開しようとしている地域にマッチするスタイルのラーメンを選び、今回お話してきたようなローカライズを意識することで、ラーメンビジネスをスマートに軌道に乗せることができるでしょう。


とは言えラーメンを海外で展開していくうえで不安を感じている人も少なくないと思います。


もし日本のラーメンの海外展開でお悩みの方は、ラーメンを含め日本食のマスターフランチャイズ展開の支援をしている弊社までお気軽に相談ください。


実績と経験豊富な弊社が、あなたのビジネスを成長させ安定させるサポートをさせていただきます。


海外での各地域でも対応しやすくフランチャイズモデルとしても優秀な日本で進化したラーメン、そのラーメンビジネスで成功するためにもぜひ弊社まで気軽に相談ください。

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